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裁判員制度5周年社説をインコが突き回す-読売編

裁判員制度5年。多くのメディアが社説や特集記事を打ち出し、テレビでもニュース報道などが展開された。今、マスコミは裁判員制度について何を言うのか、どう言うのか。主な新聞の社説を取り上げて、観察してみました。
『読売新聞』(5月21日)のタイトルは「精神的負担をどう軽減するか」。「大きな混乱もなく、おおむね順調に運用されている」とこれまた脳天気。ホント天下泰平だね『読売』さんも。033851

求刑超えが40件を超えるという厳罰傾向を取り上げて、「裁判員の量刑判断をどこまで尊重すべきかという問題も浮き彫りになってきている」と話を進めた。裁判員裁判の死刑判決3件が東京高裁で破棄され無期懲役になった。その例を取り上げ、死刑を言い渡した裁判員裁判と、同種事件を重視して裁判員裁判を否定した控訴審のどちらを評価するかと問題提起。

さぁどうする、そこが問題じゃ。尼寺に行かずに考えてくれぃ。
でもね、論説委員の結論は拍子抜けするほど簡単。
「上級審がチェック機能を果たすことが大切」。そりゃそうだ。そう言っていれば全部解決
大田南畝先生の「世の中は いつも月夜と 米の飯 それにつけても 金(カネ)のほしさよ」とおんなじよ。
「古池や かわず飛び込む 水の音
正月ベアCS3     それにつけても 金のほしさよ」
「久方の 光のどけき 春の日に
     それにつけても 金のほしさよ」
どんな立派な句にもあう下の句なんだけど、とたんになんだかなぁ~になってしまう。「金のほしさよ」の代わりに「はて三宅坂」ってなるとますますダメダメ感が…
「裁判員 出頭する人 いなくなり それにつけても はて三宅坂」
「我と来て 裁けや職の ない大人 それにつけても はて三宅坂」

 閑話休題。で、「今後の大きな課題は、裁判員の精神的な負担の軽減である」んだって。検察官は白黒写真やイラストを使えなんて「配慮」を求めている。真実を厳密正確に見極めることの大切さと裁判員の負担過重の「対立構造」をどう考えるか、なんていうテーマは考えつきもしないらしい。そこに踏み込むと裁判員制度はやめるべきかという本質論に突入しちゃうもんね。

 「裁判が終わってから、自分の判断が正しかったのかどうか思い悩む裁判員経験者が少なくない」って。
そうだよ、そのとおり、いいこと言った。
で、どうすべきだって?「無料の相談窓口」のケアや「裁判官が連絡をとって精神状態の問題の有無を確かめる」のケアをもっと充実しろと。
あのねぇ、相談窓口に持ち込む人なんてほとんどいないってこと知らないのキミ。窓口自体がぜ・ん・ぜ・ん信用されていないんだよ。「つらい経験をさせた裁判所が作った窓口」がどうして頼りになるっていう訳さ。

 思い悩んだ末、その窓口に持ち込んでみた福島県郡山のAさん。あのストレス国賠のAさんだよ。彼女はひどい目に遭った。最高裁から自分で電車賃を払って東京まで来いって言われたんだ。Aさんが世に訴えて、そういう対応はないだろうってあちこちで話題になってからもう1年以上経つけど、最高裁は「こういうやり方は今後はあらためます」なんて一言も言っていない。メディアがこのことで何か言うのなら、そういう最高裁は何なんだっていう批判しかなかろうが。069798

 もう一つ言わせてもらう。
「裁判官が精神状態を確かめる」ことほど有害無益な話はない。つらい経験で苦しみ、忘れたい気持ちでいる元裁判員に、突然「あの裁判長」から電話がかかってくる。そこでどんなやりとりをすると言うのだ。「お元気ですか」か? 「どこかおかしくないですか」か? これですべてがフラッシュバック!
実は、この対策は、Aさんから国賠訴訟が起こされた直後に、裁判員裁判に関わっている全国の裁判官に竹崎長官の最高裁が指示した「緊急対策」なのだ。でも、この指示がどのように実施され、その結果どういうことがわかり、そして現場がどのように変わったのか、何ひとつ報道されていないというのが偽りのない真実なのです。

 インコは、あなたの あなたの真実 忘れはしませんっ 『読売』さんよ『読売』さん 空を見上げりゃ空にある…
すみませんちょっと調子こきました、全国の御社記者に指令を飛ばして鳴り物入りの「精神状態聴取方針」の実施状況を調べさせなさい。というよりも、そのくらいのことやってから社説書きなさいよ。適当な思いつき話を書き流してるってことがインコ様にはお見通しだよ。

 「裁判員の辞退率が高まっていることも気がかり」なんだって。
「高まっていることも」なんて「ついで話」風に言うのはいかにもわざとらしくて、いやらしい。そこが最大の論点じゃないか。『朝日』の社説と同じで、このことを最後に持ち出すところに、制度の最悪状態をわかっているというメディアのホンネが透けて見える。

 で、その対策っていったい何なの?
「会社が柔軟に休暇を認めるなど、参加しやすい環境整備」だって。
えーっ、えーっ、えーっ。85.2%がやりたくないって言っているんですよ。「会社が柔軟に休暇を認める」くらいの対策で何とかなると本気で思っているのかね。
「いや、何とかなるもならないも、もう手はねーやな。でもちったぁ書いておかんとな」。
靴を机の上に投げ出して気が抜けたような顔してる論説委員さん。少しは真剣に考えてみなはれ、この制度の現状と行く末を。042306

 

投稿:2014年6月3日