トピックス

トップ > トピックス > 裁判員のストレスと「苦役」に関する論文ご紹介

裁判員のストレスと「苦役」に関する論文ご紹介

「障害を負うことになった裁判員経験者にとって、裁判員裁判への強制的参加は、憲法18条後段が禁じる『その意に反する苦役』にほかならない。」
深い怒りをもって断言する専門家の貴重な論考が公表されました。掲載誌は「横浜市立大学論叢(人文科学系列第66巻第2号;2015)37-73

論者は横浜市立大学医学部法医学科法医学教室の南部さおり先生。先生は同大学医学博士。明治大学法学修士の学位も持たれる「法」と「医」の専門家です。

論考のタイトルは「裁判員のストレスと『苦役』に関する一考察」。なお、先生は『裁判員裁判における医学鑑定と事実認定』など、裁判員裁判に関してほかにも論文も書いておられます(2011年 NCCD Japan)。

「裁判員をやってもよい」と思う人が激減している今こそ文字どおり必見・必読の論文です。

こちらからPDFで読むことができますので、ぜひご一読を。
(システムの関係で各章ごとに分割しております)
裁判員のストレスと『苦役』に関する一考察 (目次:緒言~1.)
裁判員のストレスと『苦役』に関する一考察 (目次:2.)
裁判員のストレスと『苦役』に関する一考察 (目次:3.)
裁判員のストレスと『苦役』に関する一考察 (目次:4.~結びに代えて)
裁判員のストレスと『苦役』に関する一考察 (【注釈】)
2015731.0

目次
緒言
1.福島県会津美里町・夫婦強盗殺人事件
(1)事件の概要
(2)裁判員裁判
(3)トラウマとなった証拠の内容
(4)私見:裁判員の心理的負担について
2.裁判員ストレス障害国賠訴訟
(1)Xさんの「損害」
(2)本件訴訟での争点
(3)憲法18条違反に関する当事者の主張2015731.1…
1)原告の主張
2)被告の主張
(4)当事者の主張に対する裁判所の判断(概要)
(5)私見
3.合衆国陪審員裁判における「残酷なビジュアル証拠」
(1)米国の陪審員のストレスに関する実情
(2)陪審員の審判後「危機報告会」(“Crisis Debriefing” of a Jury After a Trial)
(3)陪審員とPTSD
(4)私見:わが国の制度を顧みて
4.裁判員制度に関する検討会と平成25年見直し案
(1)第18回会議の内容
(2)「裁判員制度に関する検討会」取りまとめ報告書(案)
(3)私見:検討会の内容と取りまとめについて2015731.2
結びに代えて
【注釈】
saibanchou

 

 

 

 


 

投稿:2015年7月31日