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どうなる日弁連会長選挙!?

速報! 札幌公聴会で稲田朋美寄付問題が論争点に

001177日弁連会長選挙がまっただ中ですね。

1-e1397901276348うん。全国10所で開催される公聴会も16日に札幌から始まった。
立候補したのは、大阪弁護士会所属の中本和洋さん(69)と、東京弁護士会所属の高山俊吉さん(75)。『朝日新聞』(1月7日)によると、次のとおりだ。
法科大学院の志願者は減少を続け、2015年度は過去最少となるなか、法律家を養成する制度の改革策などが争点になりそうだ。中本氏は弁護士の活動領域を広げるべきだと主張する一方、高山氏は法科大学院制度の廃止を訴えている。
 取り調べの録音・録画を柱とする刑事司法改革に対しては、中本氏は関連法案の今国会での成立を推進する立場。高山氏は通信傍受の対象犯罪の拡大が法案に盛り込まれていることなどから、法制化に反対している

00631100真っ向対立ですね。

1-e1397901276348 高山さんは裁判員制度反対の急先鋒だが、中本さんは「裁判員制度は順調に進んでいる」という認識です。

001177 北海道の弁護士さんから、札幌での公聴会の発言要旨が届きました。法科大学院や裁判員制度も大きな論争点になっているようですが、今話題になっている稲田寄付問題についてどんな議論がされたのか、ここでご紹介しましょう。

高山候補の言葉top

○ 中本さんは、この間毎年のように自民党政務調査会長稲田朋美衆院議員の政治団体に寄付を続けてきている。12年は5月と11月で計6万円、13年は6月に3万円、14年も6月で3万円。15年のデータはまだ公表されていない。12年を例にとれば、弁護士で寄付した人の数は全部で15人。その中で中本さんは金額で5番目。そのような人を日弁連会長選の候補者として推薦する人はどういう方か調べてみたら、中本さんの選挙責任者も稲田議員に同様に寄付をしている人だった。

(1-e1397901276348調べてみたら、その選挙責任者とは大阪の益田哲生弁護士で、金額は20万円。その年の弁護士寄付者としては3番手の高額寄付者らしい。トップは稲田議員の配偶者なので、2番手と言っても間違いではなさそうですね)

○ 稲田議員に寄付をした弁護士はこの年、3万数千人の弁護士のうちの15人だが、中本さんと中本さんの選挙責任者がそこに入っていた。中本陣営は稲田応援団なのか。いったいこれはどういうことか。14年6月は集団的自衛権の行使容認の閣議決定直前。安倍政権の一挙一動が日本中から注目され、安倍首相の行動が厳しく批判されていた時期。その時に中本さんは稲田議員への寄付を例年と変らず続けていた。

○ 稲田議員は安倍晋三議員に誘われて政治家になった人。神道政治連盟国会議員懇談会事務局長。天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟事務局次長。みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会の会員。自民党政務調査会長。
東京裁判は国際法違反だとして東京裁判史観の克服を言った。百人切り競争は虚偽としてマスコミ各社を訴えた訴訟の代理人。靖国神社の国家護持を提唱、「首相の靖国参拝を阻止しようとする忘恩の輩に道徳・教育を語る資格はない」と言った。沖縄戦の集団自決は軍の強制ではないと主張し、大江健三郎氏などを訴える事件の代理人になった。尊属殺規定の復活を主張し、自衛隊への体験入隊制度を提唱し、日本独自の核保有を国家戦略として検討すべきと言った。在特会や日本のネオナチ党や統一教会との距離が取りざたされ、その主張はあらゆる意味で右翼それも極右、ファシストと称して差し支えのない人物。

○ 我が国の憲法価値を全否定する稲田議員の見識は、日弁連の基本的な立場とまったく相容れない。相容れないどころか、この議員は、憲法擁護を言う日弁連を叩きつぶしたいと強く感じているはずの人物だ。その稲田議員の政治活動を支援する立場に立つことを中本さんは内外に明らかにして継続寄付行動を実践している。
札幌弁護士会をはじめ弁連各単位会が一昨年夏以来、安倍改憲策動に抗して立ち上がっていた時期に、中本さんとその選挙責任者は極右政治家を支援していた。この一事によって中本さんは日弁連会長の資格を完全に欠く。弁解の余地がない。ロビー活動? 稲田議員を相手にどのようなロビー活動があり得るか。

中本さんは、誰に就任を求められても自分は日弁連の要職に就くことは不適切な人間だと言わねばならない人だ。中本さんのような人が日弁連会長選挙に登場するということ自体が日弁連の最大の危機を意味する。そのことに対し会員諸氏が腹の底から怒りを感じ、それを行動に表してほしい。

中本候補の推薦人の言葉

○ ネットなどで稲田朋美議員への寄付のことが話題になっていることを承知している。

○ 中本候補はたくさんの議員に寄付をしている。辻恵、前川清成、円より子、川田龍平、福島瑞穂など、野党の議員の方が多い。

○ 稲田朋美議員に対する寄付はあくまでも個人的な付き合いの上のことだ。あくまでも個人的な付き合いのこと。特定の政党とか特定の政治家との関係の問題ではない。

○ 日本会議との関係を言われているが、悪質なデマだ。

中本候補本人の言葉slide_01

○ 稲田議員とは30年来の先輩後輩の関係で、パーティー券を買っていただけのこと。

○ 政治的に議員に近いということはまったくない。自分は安保法制に反対であり、そのことを事務所報に書き、それを議員に送ってもいる。議員も自分が安保法制に反対していることを知っている筈だ。

○ 自分は安保法制に反対するデモの先頭にも立った。自分は「9条の会」にも入っている「根っからの平和主義者」だ。

1-e1397901276348(それを言うんだったら、ヒトラーだって平和を口にしたんじゃなかったっけ)

○ しかし今回のことで誤解を招いたようなので、今後は寄付をしないようにする。

1-e1397901276348(「今後は」と言うところを見ると、公表データにはないけれど、最近まで長年にわたって寄付をしていたことらしい。また、批判を受けなければこの寄付は今後も続けるつもりだったという趣旨ですね)

インコの言葉

 北海道の弁護士さんからのお便りはこれで終わり。インコの言葉を付け加えます。

前回の日弁連会長選挙は46.64%という低投票率でした。今回は、どうでしょうか?

 安倍首相は、「夏の参議院選挙で自民・公明両党で過半数を確保することがみずからの責任。おおさか維新の会など憲法改正に積極的な政党で、改正の発議に必要な3分の2の議席の確保を目指す」と公言しています。

 そんな中で、日弁連会長に稲田議員を応援するような人がなったらどういうことになるか。全国の弁護士さんは考えてほしいと思います。

201601171

 

投稿:2016年1月17日