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最高裁 登載通知をそっと出し

ストレス国賠判決の今年、不幸の手紙「裁判員候補者名簿登載通知」は、いつ発送されるのか。寺田最高裁は何人の国民を不幸の底に追い込むのか。HP情報ではどうやら「12日発送」らしい。11日か12日だろうと見ていたインコとしては予想どおり。ふむふむ。033851

大手全国紙と『東京新聞』の12日夕刊、それから13日の朝刊早版、そしてネットニュース…。「夜目鳥目笠の内」なんて言いながら丹念にチェック。だが発送記事はない! 時は昨日11月13日の朝まだき。そう、「朝まだき起きてぞ見つる梅の花」よ。梅はまだ早いか。

マネージャーに聞く。彼女も見ていないという。うーむ、知らせると嫌がられるだろうと最高裁は通知書発送をリリースしなくなったのか。知らせても嫌がられるだけとマスコミが知らせなくなったのか。何もしないのが国民の幸せとは。宝くじなら発売は必ず記事になる。この違いようはいったい何なんだ。

「発送の転換よ。聞いた方が早いでしょ」と、だじゃれマネ。「誰にさ」。「最高裁よ。出前だってする裁判所よ。こっちから聞いてあげるんだから感涙ものでしょ」。動きの早いマネ、朝になったらさっそく最高裁に電話を入れようと。

朝が来たーっ(二度寝したから、実際には昼過ぎてたけどね)。2羽仲よくならんで、ピッポッパピッポッパ、トゥルルルルー、スピーカーホンだぞーっ。

女性「はい、最高裁判所です」。(楚々とした美人)とマネが紙にメモ。ホントかね。

001177「裁判員候補者名簿登載通知の送付について少しお伺いしたいのですが…」。へん、彼女らしくもない優しい口調!

女性「候補者の方でしょうか」。そうか、今年の裁判員候補者からの電話と思われたか。候補者相手なら気を遣って当然だ。

001177「いいえ、市民です」。自分を「市民」と名乗る奴はあまりいないだろう。このうさんくささ。

女性「少々お待ちください」

……ちょっと待つ……

男性「はい、裁判員係です」。へぇーっ。そんな係があるんだ! マネ、(イケメン)とメモ。ウソつけ。いやいや、考えて見ると裁判員係じゃイケメンにするかもしれんな。なんてったって制度の宣伝にうら若い女優を使う最高裁だからな。

001177「お忙しいところ恐れ入ります。ちょっとお聞きしたいのですが、11月12日に裁判員候補者名簿への登載通知を送るという予告を見たのですが、送ったというニュースがありません。もう送られたのでしょうか」。

男性「はい、送付いたしました」。おいおい、ソーフっていう言葉を普通使うかね。こんなところでみんなの生活感覚とがっくりずれるんだぜ。

001177「そうですか。で、何通出されましたか」。けっこう細かいこと聞くななんて思ってるだろうな、このイケメン男。

男性「何通出したかですか? 少々お待ちください」。この間、無音に。

……さっきよりさらに待つ……

男性「23万4千人弱です」。

001177「23万4千人弱、弱ですか」。なんとも確認調、詰問調だ。

男性「はい、弱です」。昨年は約23万6500人だった。マネは昨年よりどのくらい減ったかしっかりチェックしようとしている。

001177「はい、それで、発送作業はどこの民間会社がやったんですか」。お前取り調べ官か。

男性「えっ? 民間会社っ」。虚を突かれたっていうか、鳩豆鉄砲っていうか。

001177「はい、実際に発送作業をしたところです、最高裁の職員はやらないんでしょ」。おうおう、完全追及的論調!

男性「あの、どちら様でしょうか」。イケメンの雰囲気が変わった。名を名乗らないと教えないらしい。

001178まね0「●●区の○○と言います」。うーむ、なるほど。それだけ言ったか。でもそれも変だぞ。これだけじゃ特定できないし。これでいいのなら何のための誰何(すいか)かわからない。

男性「何かに使われるのでしょうか」。何かに使うかって、使い方次第で教えたり教えなかったりするんか。それとも使い方を聞いて寺田長官に報告せよという命令を受けているのか。

001178まね0「いいえ、関心があるだけです」。そりゃそうだろう、関心があるから聞く。聞く理由はそれ以外にない。それとも「どういう関心ですか」って聞いてくるのかな。

男性(やや間をおいて)「しばらくお待ちください」。自分たちに代わってやってくれている会社だぞ。最高裁の全職員が知っている情報じゃないか。こんなことでも秘匿するのか開示してよいのか、上司にうかがいをたてなきゃならんのかね。

……今度はかなり待たされる……

男性「共同印刷という会社です」。マネ、「共同印刷ですね」と念押しをして電話を切る。昨年、発送作業を請け負ったのはトッパン・フォームズだった。今年は共同印刷かww

パンチインコの感想を言おう。こんなにも警戒に警戒を重ね、簡単な話でも簡単には話せない人たち。出前講義、気遣いの市民接待、話のわかる裁判官と、シティーホテルのフロントサービスを思わせる優しさで売り込もうとしている反面、薄衣(うすごろも)の下からちらりと覗けてしまう黒糸おどしの大鎧。ぎりぎりの緊張感の世界。裁判員裁判の現状が深刻な危機状態にあることを、最高裁の職員たちの応対ぶりははしなくも暴露している。裁判員にも裁判所の職員にもストレスがたまりにたまる。裁判員係は1日も早く裁判員廃止係に名称を変えて制度終結事務に専念した方がいいと思うよ。

投稿:2014年11月14日