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裁判員の年齢を18歳へ引き下げ? 刑事裁判は社会勉強の場ではない

弁護士 猪野 亨

下記は「弁護士 猪野亨のブログ」10月28 日の記事です。
猪野弁護士のご了解の下、転載しております。

産経新聞に以下の記事がありました。
議論されない「裁判員年齢」 18歳が18歳を裁く日は来るか」(産経新聞2015年10月27日)

選挙権年齢が18歳に引き下げられ、それを連動させるかのように種々の年齢引き下げが提言されたりするようになりました。
少年法の適用年齢の引き下げはその典型ですが、これは愚かな政策です。
中学1年生男児の惨殺事件を少年法改悪の口実にさせてはならない
成人年齢の引き下げも検討されていますが、時期尚早でしょう。
悪質商法に狙われるのは成人成り立ての時期 成人年齢の引き下げは悪徳業者を喜ばせるだけ
タバコ、飲酒の年齢引き下げは論外。

それぞれには20歳とした政策的理由があるわけで、このような状況の中で裁判員の年齢の引き下げが検討されていないのはむしろ当然とも言うべきものです。
裁判員制度のキャッチフレーズは「市民感覚」ですが、本来、その感覚も色々な経験や学業などを前提にするものでなければ、単なる「感覚」でしかなく、「感覚」で裁判をするなど恐ろしくてなりません。
裁判員に20歳でもなれるということに違和感があるのにさらに引き下げなどもってのほかです。
もちろん年齢が高ければいいというものではありまし、現実の裁判員裁判をみればこのような制度ははっきりと有害無益ということにはなるのですが、それはともかく、少なくとも若年者の感覚が刑事事件にどのような必要性があるのかまるで理解できません。
そもそも抽選で選ぶという偶然に左右される裁判員ですから、「若者の感覚を生かす」などということを念頭に置いて制度の意義を語るなどは全くナンセンスです。
若者であれば「少年の気持ちがわかる」などというのであれば、少年対象の裁判員裁判では制度的に「若者」を裁判員にせよということにならなければ論理は一環しないのです。もっとも「気持ちがわかる」ということ自体、同年齢だから当然に「気持ちがわかる」ということを前提にしている点で明らかな誤りであるいし、「気持ちがわかる」という程度では全く意味はありません。

このような現実を考えたとき、常識的に考えれて裁判員の年齢引き下げなど議論の余地などなかったのでしょう。
しかも18歳といえば高校生、高校生が100日裁判に関与などできようはずもありませんし、そこまで大きな刑事裁判ではなくても1週間、高校をお休みするなどということが現実とも思われません。
大学生であることは辞退事由になっており、高校生も辞退事由になるだろうとは思いますが、辞退は義務ではありません。自ら「やりたい!」ということにでもなれば、高校での学業に支障を来すことも明らかです。日当に1万円くれるともなれば喜んでいくでしょう。

上記産経新聞の記事には、次のような経験談が披露されています。
「人生経験は少ないが、自分の意見を述べることができた」。今年3月、東京・霞が関の東京地裁。強盗傷害事件の裁判で裁判員を務めた20代前半の男性は終了後、すがすがしい表情で振り返った。初日の法廷では緊張した表情を浮かべ、当初は自ら発言することに躊躇(ちゅうちょ)した。それでも、審理が進むにつれ、積極的に評議に参加するようになった。
「裁判員としての経験は、若者が犯罪の現状を意識する契機になる」。男性は同世代の裁判員参加が必要と考えている。

「裁判員としての経験は、若者が犯罪の現状を意識する契機になる」などという発想はまさに社会経験のための裁判員制度ということを示しています。
自分の意見を述べられたというこの自己満足は、まさに裁判員制度が裁判員のための制度であることを示しています。
それ以上に国民教育の場ということでもあります。この若者が典型例であり、「公共」の感覚を身につけました。そこに批判的精神が養われたのか極めて疑問です。
このような若者の「感覚」がなければ刑事裁判が成り立たないということは絶対にないのですが、「自分がその一員だ」などと思っているとすれば勘違いも甚だしいということになります。

高校生は大いに政治に興味を持ち活動したらいいと思います。
その中で色々な経験をしたり、さらに自分の考えを深化させ行く過程でもあります。それと裁判員制度は別のものです。
裁判員制度はあくまで国民を統治機構の中に組み込むためのものに過ぎず、思想教育の場でしかありません。よくよく考えましょう。
高校生の政治活動 文科省が学外では『解禁』? 高校生の政治活動の「禁止」は不当な制限

裁判員制度の問題点を解説しました。是非、お読みください。

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投稿:2015年10月30日

記事ば読んで噴いて 通知ん届いてあげた

とらっちさんが、熊本弁に変換して、そしてただ変換するだけやなく、ちょっと手を加えてくれました。元の「記事読んで噴いた 通知届いて吐いた」との違いをお楽しみください。とらっちさんは、親切にわかり難いと思われるところに注釈をつけてくださってましたが、意地悪なインコはそれをはずしました(^m^)

熊本 一般の人とらっちicon6438555401559446337__005

裁判員候補者23万人にテラダ長官の顔写真入りメッセージば同封さすハナシば聞いてまず噴いたよ。
そいから、自分に通知が来て封筒ば開けた時んことば想像してあぎゅごてなったばい。

俗にゴミウリ新聞て言われとる読売新聞の記事詳細(?)ば読んでほんなこつ、あぎゅごたったよ。
あぎゅごたったたちゃ、テラダ長官のツラばみて、じゃなか(そいもちっとはある。。フクヤママサハルただいぶんと違うけんね)「審理に工夫を重ね、一般の人にもわかりやすい裁判になってきている」と書いてあるけんたい。

「一般の人」ちゃだれのこつかね。
オマイも最高裁の名ば被っとっとなら、わかりやすう工夫してやらにゃわからん、オマイの写真ばみて、あら、おどんもやってみゅうかい、てミーハー気分で裁判員になった一般人に裁かるる被告の気持ちば考えてみんね。
なに、儂は一般人でないからわからん?
そんならオマイが被告になってみればよかたい。

こん、顔写真送付案ば考えついた最高裁周辺ある日ん情景ば想像してみたばね。

長官「とうとう64%にまでなってしもた。歯止めをかける妙案はないか?」
長官付き兵卒「一般の人にもわかりやすかキャッチコピーに福山雅治んごたるイケメンタレントば使えばどがんじゃろ・・・?」
長官「一億総ハクチ省じゃあるまいし、そんなミーハー感覚で最高裁がやってられるか!却下!」
ちゅうわけでご長官のゴシンエイになったげな。

読売新聞記事にゃ「参加を辞退する候補者の割合が年々増え続け、昨年は64%に上った」(中間タイトルにもあるし)、とすらすら書いてあったけん、一瞬、あら、ゴミウリさん、そがん最高裁の好かっさんこつば書いてよかとね、何かおかしかモンば食わしたとね、と思うたばってん、「裁判員経験者アンケートで96%が良い経験だったと回答した」と、サクサーク続けとるけん、やっぱゴミウリはどこさん行ってんゴミウリたい。なーんも調べんで、あえとったモンは何でん拾てそのまんま売っ飛ばしよる。
こん相乗効果であげるばい、ほんなこつ。040434

64%データに出て来ん「書面での事前辞退もせえでにゃゴミ箱に放り込んだり、こん太か封筒は何ね?ちゅう、ミーハー感覚系放置群」はどこにカウントしたとね、ゴミウリさん?

辞退者は年々増え続けとっとに、アンケートにゃ96%が良かった、と出(ず)っとは何かオカシカ、と気の付かんとね?そがんこつにも気づかんとに何が「一般人にもわかりやすい」?

そんなら一般人の「素朴な質問」訊いてやろかい。
顔写真入りメッセージば送ったとに辞退率んまっと上がったらどがんすっとね?

長官の至上命令じゃいけんて裁判所はどこも戦々恐々しよっとよ。

そいけん、ある地方んある裁判所ん独自対策ば想像してみたばい。

「辞退率のまっと上がったならおごらるっとはおどんよ。ちびっとでん下がったら長官の手柄になっとに。ほんとん、長官なすぐはるかかすけん」(陰の声:長官な焦っとらすと)
「『登録を済ませた候補者の方は午後1時から○×ホテルで説明会を開きますので帰らずにおまちください』ちゅうノボリか立て看板ば立ててみればどがんじゃろかい。
説明会ではおフランス料理のコース付き」。
「登録率回復のためじゃいけん予算はず(出)っじゃろもん。長官の顔写真23万枚よりゃ安かろけん。1%でん下がればあとはどうなっときゃあなろだい。」

ある県じゃ裁判員関連講演会ば日航ホテル鳳凰の間で開いて満席にしたげな。上からエラか人ば呼んで県民会議室で参加者10人じゃ、夜にどがん接待ばしてんカミナリば落とさるるけん、日航ホテルにさしたとじゃろ。
ばってん、満席てだれが参加したっとじゃろか。裁判員制度バンザイの弁護士と裁判所職員とそん家族、知人じゃなかろかね。「一般の人」はおらんじゃたっじゃろ…。おフランス料理のコースでどれだけの「一般の人」が釣れるとじゃろか…。そがんとに釣られた「一般の人」が被告ば裁くとよ。あー、またあぎゅごてなった!

最高裁に最低一般人から耳より情報ば教えてやろかい。
制度はやめなんへ。そしたら「どがんせれば辞退率の下がるじゃろか」、て悩まんでよかよ。顔写真送って恥さらさんちゃよかよ。
やっちゃ簡単! Очень легкоsehr einfach! 매우 간단! 很容易!
Muy fácil! perfacile factu! மிக எளிதாக!ง่ายมาก! rahisi sana
tino बहुत ! आसानngāwari! ងាយស្រួលណាស់! ງ່າຍຫຼາຍ!धेरै सजिलो!
Маш хялбар! çok kolay! ! קל מאוד! من السهل جدا

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投稿:2015年10月27日

記事読んで噴いた 通知届いて吐いた

熊本 一般の人とらっちicon6438555401559446337__005

参加裁判員候補者23万人にテラダ長官の顔写真入りメッセージを同封するというハナシを聞いてまず噴いた。
そしてもし自分に通知が来て封筒を開けたときのことを想像して吐きそうになった。

俗にゴミウリ新聞と言われている読売新聞の記事詳細(?)を読んで本格的に吐きそうになった。
吐きそうになったのはデタラメじゃなくてテラダ長官のご面相をみて、ではない(それも少しはある。フクヤママサハルじゃあるまいし)「審理に工夫を重ね、一般の人にもわかりやすい裁判になってきている」とぬかしているからだ。
「一般の人」とはだれのことだ?

オマイも最高裁の名を被っているのなら、わかりやすく工夫してやらなきゃわからない、オマイの写真をみて、あら、アタシもやってみようかしらってミーハー気分で裁判員になった一般人に裁かれる被告の気持ちを考えてみろよ。
なに、儂は一般人でないからわからん?
じゃあオマイが被告になってみれ。

この顔写真送付案に至る情景を想像してみた。
長官「とうとう64%にまでなってしもた。歯止めをかける妙案はないか?」
長官付き兵卒「一般の人にもわかりやすいキャッチコピーにイケメンタレントを使っては・・」
長官「一億総ハクチ省じゃあるまいし、そんなミーハー感覚で最高裁がやってられるか!却下!」

一方記事では「参加を辞退する候補者の割合が年々増え続け、昨年は64%に上った」(中間タイトルにもあるし)、とすらすら書いてあるので、一瞬、おや、ゴミウリさん、何か悪いモノでも食ったかと思ったことだったが、裁判員経験者アンケートで96%が「良い経験だった」と回答したとサクサク続けているからやっぱりゴミウリだわ。何の検証もせず、出てきたモノは拾ってそのまま売り飛ばす。0404341
この相乗効果で吐くわ、ほんま。

ゴミウリ新聞64%データに出て来ない「書面での事前辞退以前にゴミ箱直行、あるいはミーハー感覚による放置群」はどこにカウントしたのかね?

辞退者は年々増え続けているのに、アンケートでは96%が良かった、と出るのは何かオカシイ、と気づかんのか?そんなことも気づかないくせに何が「一般人にもわかりやすい」?

それならお目目が覚めるように一般人がきいてやる。
顔写真入りメッセージを送ったのに辞退率がさらに増えたらどうする?(事実、オマイが就任してから一段と上がったぞ、辞退率)

辞退率が63%になれば顔写真案大成功、と舞い上がるよね・・・そこが一般人と違うトコ。
長官の至上命令だから裁判所はどこも戦々恐々だろうな・・・

そこである地方の裁判所の独自対策を想像してみた。
「登録を済ませた候補者の方は午後1時から○×ホテルで説明会を開きますので帰らずにおまちください」というノボリか立て看板を立てる。○×ホテルでの説明会ではおフランス料理のコース付き。
(至上命令登録率回復のためだから予算出るよね。長官の顔写真23万枚よりは安いはずだし)

ある県では裁判員関連講演会を日航ホテルの鳳凰の間で開いて満席にしたってよ。県民会議室で開催して参加者10人じゃあ、夜にどんな接待してもカミナリ落とされたからじゃろ。
でも、満席とはだれが参加したんじゃろか。裁判員制度バンザイの弁護士と裁判所職員とその家族、知人じゃなかろうか。「一般の人」はいなかったんじゃなかろうか…。おフランス料理のコースでどれだけの「一般の人」が釣れるじゃろか…。そんなものに釣られた「一般の人」が裁くのか。

一般人から耳より情報を提供しよう。
「制度をやめればどうすれば辞退率が下がるか、なんて心労は消滅するぞ」。

ほんと、日一日と怒りがつのる裁判員制度。
噴いて吐いてもどうなるモンでもなし。

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投稿:2015年10月19日

長官ご尊顔より有効な参加意欲アップ法ご提案♪

   京都・伏見 寺田屋郎女

 『読売新聞』の寺田長官ん記事は卒倒もんどした。長官ん顔写真入りメッセージをもろたら、裁判員になろうちゅう参加意欲が湧くと思うあたり、最高裁ん面々は脳みそは沸いとるんとしか思えへん(失礼!)。
やて、実際に、こないおっさん(もっかい、失礼!)の顔写真入りメッセージもろてどないしはる? ダーツの的にやて貼り付けまっしょろか。
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 これほなどないしよけもあらしまへん。この人たちの知恵の枯渇を嘆く郎女め(「いらつめめ」と読みます)が、最高裁になって代わり、裁判員参加意欲をがっつり引き上げる革新的提案をさせてもらいきます。

提案1
  裁判員候補モンとしいや呼び出されたり、裁判員にならはったら日当8千円+交通費、こん現状が死ぬほどけちくさいのどす。ドーンと日当10万円にすれば、裁判員に選ばれとうてウズウズしはる人が続出しはること間違いなしどす。長期裁判も大歓迎。10日で100万、100日で1000万円!
 長期裁判になるような重大事件が起きると大喜び、みんな凶悪事件が起きるんを心待ち。裁判員選出日には候補モンが裁判所に押し掛け、選ばれた選ばれおへんどしたで候補モン同士のトラブルも。選ばれおへんどした人が裁判員を殺す事件なっとが起きよしくれれば、これがまた裁判員裁判となってます。
日当の原資は、最高裁長官以下、全裁判官ん給与をカットしいや捻出します。プロゆえん高給取りやったんが、裁判は猿やて、いや失礼、どなたはんやてできることにならはったため、高給を払っとったんは間違いやったってことにならはった訳どすもんね。

提案2
 感謝状や絵はがき、バッジをもろて喜ぶんは幼稚園児。射幸性をグンと高めた裁判所クジを発行します。富くじ・賭博は犯罪って言わはったって、パチンコも競馬も競艇もちゃんとおますではおまへんどすか。野球賭博かて、いやこらまやおへんどしたかしら。なんと言うても出頭率向上はこれ以上おへん公共の利益どすからね。1等10億円くらいにしい、あたり前の外れなしん残念賞やて100万円くらいは出しまひょ。
確率7千分の1せやかて、裁判員長者の新聞記事なっとで、裁判員制度をめぐる状況はコペルニクス的転換をはたします。懲役ゆうて海外旅行、死刑判決御殿も建ちますやおへんか。
裁判所クジの原資は、全会派一致で制度を導入どした国会議員の年俸を半額カットしはるか、政党助成金を半分にすればOKどす。議員諸公は裁判員にならなくてもええのどすさかい、それくらい出すんは当然どすなぁ。

提案3
 金がらみん話ばっかいほな顰蹙を買います。べっちゃんこ提案は品良う行きます。裁判所職員一丸となって取り組んやてらいまひょ。各地裁が呼出状を送る際、担当裁判官、書記官、事務官やらなんやら裁判所職員全員ん顔写真付きん履歴書を同封します。履歴書には生年月日と住所、最終学歴や趣味が書かれています。ほんで、「うちら一同、皆さまんお越しを心さかいお待ちしいやおるんや」とメッセージをぶちこむ。効果はおますんかって? そりゃわかりまへんと申し上げるほかおまへんが、まぁ寺田長官んご尊顔よりは親しみが持ててよろしどすやろ。
職員のプライバシー侵害やおへんかって? 国民には思想信条の自由も職業選択の自由も与えず、こら苦役ではおまへんとおっしゃるのどすさかい、それくらいん犠牲は当たり前んことでっしゃろ。

 どん提案も犯罪を誘発しはる可能性が高おいもさんのどす。そうやかて、ようそない手しか残っておりません。
さぁ、 犯罪覚悟で突っ掛けまっしゃろか? それとも制度やめまっしゃろか? 

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投稿:2015年10月17日

長官が顔を晒せば安全か!? みんな嫌がる裁判員制

大山千恵子

下記は「千恵子@詠む…」10月16日の記事です。
千恵子さんのご了解の下、転載しております。

>最高裁は、来年の裁判員候補者に選ばれた約23万人への通知書類を来月12日に発送する際、寺田逸郎長官自らが裁判参加を呼びかけるメッセージを同封する初の取り組みを行う。

メッセージ、ねえ。

寺田長官の顔写真が入ったメッセージはA4判1枚。裁判員制度の意義について、「国民の様々な視点を審理に反映させられる」と強調。「審理に工夫を重ねて一般の人にもわかりやすい裁判になってきている。安心して参加してほしい」と呼びかけている。

長官の写真があると効果があるのか? 制度に魅力なさすぎだからの、苦肉の策??

「安心」して参加って、ぎゃくに言えば「安心できない」ひとが多いってことじゃん。

思い出すなあ。オリンピック招致のために安倍首相が原発をアンダーコントロールと嘘をついたのを

さらに思い出すなあ。皇太子が求婚するときに「全力でお守りする」といったのに雅子ずたぼろじゃん。権力者が言うことなんて信用できないぞ。

>最高裁は毎年11月頃、選挙人名簿の中から選ばれた翌年の裁判員候補者に通知書類を送付。その中から事件ご とに候補者を呼び出している。70歳以上や学生、重要な仕事がある人などは辞退できるが、辞退率は年々上昇。書面での事前辞退と、裁判所での選任手続きに出頭した際の辞退を足した辞退率は昨年、約64%に上り、制度が始まった2009年より約11ポイント上昇した。

年々、いやがる人が増えてるってことじゃん。

猪野亨弁護士の分析では、現実の出頭率25.4%だって。裁判だいすき暇人さんしか来ないってこと。怖すぎ~。

さあて、明るいインコちゃん出番だよ~。

写真は、千恵子&インコ裁判員制度廃止ダンサーズ。

投稿:2015年10月16日

現在、裁判員「辞退」が日々、増加中!

焦る最高裁長官寺田氏の最後のお願い

 弁護士 猪野 亨

下記は「弁護士 猪野亨のブログ」10月13日の記事です。
猪野弁護士のご了解の下、転載しております。

 裁判員制度が始まって既に6年が経過しました。
マスコミと日弁連だけが大騒ぎをして始まった裁判員制度ですが、裁判員のなり手である有権者から拒否されている傾向は、なお一層、強まりました。
辞退率は64%にまで上がったようです。
そのような中で最高裁長官寺田氏は、自ら参加の呼び掛けです。
裁判員候補64%辞退、長官自ら参加呼びかけへ」(読売新聞2015年10月11日)
最高裁は、来年の裁判員候補者に選ばれた約23万人への通知書類を来月12日に発送する際、寺田逸郎長官自らが裁判参加を呼びかけるメッセージを同封する初の取り組みを行う。
裁判員制度のスタートから6年余りが経過し、参加を辞退する候補者の割合が年々増える中、参加意欲を高めるのが目的だ。
寺田長官の顔写真が入ったメッセージはA4判1枚。

 顔写真入りとは驚きですが、最高裁はいよいよもって危機的状況を放置できないというところまで来たということです。
裁判員制度の実施状況の報告書(今年度は7月末までの速報版)はこちらになります。
http://www.saibanin.courts.go.jp/vcms_lf/h27_7_saibaninsokuhou.pdf
辞退率は64.8%となっています。
「辞退」と表記されていますが、実際には「拒否」です。当然に辞退できる70歳以上の候補者等は別にして、本来の辞退事由があるのかどうかという判断は裁判所で行われることになっていますが、現状ではやりたくないという候補者については、広く「辞退」を認めているからです。

 それ以上に深刻なのは実際に出頭してきた候補者の割合です。
上記速報版によれば、出頭率は平成27年(但し7月まで)では69.4%となっています。
(最高裁の報告書によれば「出席」となっていますが、裁判員法では「出席」ではなく「出頭」と表記されています。最高裁は、「出頭」では印象が悪いので、意図的に「出席」と表現しています。)
この出頭率は、期日に呼び出しを掛けて実際に出頭してきた候補者の割合です。
具体的には、29,180人に対し呼び出しを行い、そのうち20,237人が出頭してきたというものであって、残りの8,943人(30.6%)は、理由のない(告げない)不出頭ということになります。
そして現実の出頭者の割合も一段と減少しているということです。
 この2つを表にしてみると一目瞭然です。

 

 

 

 

 

 裁判員制度は、あくまで裁判員となる国民の理解と協力があることが大前提の制度なのですが、これではもはや制度を維持できる数値ではありません。
もともと裁判員制度自体、刑事裁判を単なる茶番劇にしてしまった最悪の制度なのですが、国民からも相手にされていないという最悪の運用状況なのです。
最高裁がこれに対する危機感を募らせ、いよいよもって登場したのが長官の顔写真入りのお願い文書です。裁判員制度は、最後の醜態をさらしています。
国民不在の中で、勝手に制度を導入し、勝手に国民を呼びつけておいて、その末路が、出頭率の低下という悲惨な数字となって表れたにすぎません。
今さら最高裁長官が厚かましく出てきて、どうこうできるはずもないのです。
もしかすると、これによって一時だけ出頭率は向上するかもしれません。しかし、焼け石に水、減少傾向に歯止めを掛けることができようはずもありません。

 裁判員になることへの出頭命令など、拒否しましょう。

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投稿:2015年10月15日

裁判員裁判は有罪率を高めえん罪を増やす

 

1-e1397901276348ジャンジャカジャーン、なんと今回はインコ訂正版でーす。

誰も聞いてくれないから自分で言うけど、数字に弱いインコは数学には案外強い。飲み屋の会計では失敗続きだが、開店前の行列式は常連。行く店の傾向で言えば偏微分。「微積はわずかにわかったつもり」の高校時代なんてね。えっ、この洒落わかんない? 漢字にしてごらん、いい感じにね。

何だかうきうきしてる感じだって? うきうきしてますよ、してまんがな。
1年3か月も前のインコの記事の数字に間違いがあるんじゃないかって、
し・て・き135244
されちゃったんさ。
1年3か月前の記事について最近になってですよ。

恥ずかしいことじゃないかって。そりゃ恥ずかしい。だけど、そこまで追及する読者って半端じゃないね。執念燃やして反証掲げたい人か、数字を見ると検算しないと気が済まないオタクか、インコのディープなファンか。どちらもどっちもインコにとっては可愛い可愛いお友だち。いい人たちばかりです。

早く話に入れと? はい、そうします。問題は昨年6月17日の「裁判員裁判はえん罪を確実に増やす」で起こった。ここに誤りがあったのですね。記事は誤記、インコは号泣。いや、しゃれてる時じゃない。

裁判員裁判はえん罪を減らすなどという人がいるが、裁判員裁判は確実にえん罪を増やすと訴えたインコの主張。去年6月4日の『朝日新聞』で、今村核さんという弁護士がなにやらの数字を持ち出して、「裁判員裁判は無罪が増えているからえん罪を防ぐ一定の効果がある」みたいなことを言ったので、インコはそれは違う、根拠になんか全然ならないと言った。

高裁がまとめた「裁判員裁判開始前3年間にプロの裁判官が出した判決」と「裁判員裁判開始後3年間に裁判員が参加して出した判決」の比較データを調べると、有罪になる事件の比率が明らかに高くなっている。インコは最高裁のデータを自分なりに整理し直してみた。今回もまずそれを示させていただきましょう。これは歴史に燦然と輝く正確無比のものです。

今村表2

この表は正しい。と言っても、突然見せられた向きにはわかりにくいかもしれない。今日初めてご覧になる方々のために、あらためて少し説明させていただきます。

事件数について裁判官時代と裁判員時代を比較すると、全裁判員事件の1割も占めない覚せい剤事件だけは2倍近くに増えているものの、それ以外の事件は半分以下に減り、覚せい剤事件を加えた事件総数でみても半分近くに減っています。刑事事件の発生情勢がこの間激変しているんですね。

そして、無罪率の話です。まず、事件総数でみましょう。裁判官時代の無罪件数(裁判員制度が導入されたら裁判員裁判の対象になる罪名の事件の件数)は44件、比率にして0.6%。それが裁判員時代に入って無罪件数は18件、比率にして0.5%。0.1ポイントの低下、比率で言えば6分の5に減ったことになる。百分率で言えば約83%。

これを以前の記事の中では「0.3%、半分に減った」と言っちゃったんですね。事実は「0.5%、8割ちょっとに減った」。確実に減っていますが、減り方の説明がオーバー。謹んで間違いをお詫びします。検算時にいっぱいやってたんじゃないかと深く反省しとります。

覚せい剤事件を除けば、裁判官時代の無罪総数は43件、比率にして0.6%。それが裁判員時代に入って無罪総数は10件、比率にして0.3%。こちらは正真正銘の半減です。

なお、もう少し比較の年月幅を広げて事前5年と事後5年を比べたら、その差はさらに広がると思います。最高裁が発表するかしないかはそれこそ見物ですがね。

この際、有罪率からも見ておきましょう。総数では有罪率は96.0%から97.0%に上がっています。覚せい剤事件は97.2%から94.6%に下がりましたが、覚せい剤事件を除くと96.0%から97.3%にまでさらに上がります。

犯罪別にももう一度まとめておきます。強盗致傷は94.2→97.2、殺人は97.4→97.7、現住建造物等放火は96.4→97.2、傷害致死は97.6→97.9、強制わいせつ致死傷と準強制わいせつ致死傷が97.2→99,5、強盗強姦が90.5→91.4、強盗致死(強盗殺人)が95.8→98.2だ。単位は%。

ついでに、最高裁が発表した昨年の裁判員裁判のデータも見ておきます。

総数では、有罪率は97.7%、強盗致傷は97.8%、殺人は98.1%、現住建造物等放火は98.3%、傷害致死は98.3%、強盗強姦が100%、強盗致死(強盗殺人)が97.3%、覚せい剤取締法違反が96.5%と、強盗致死以外はさらに有罪率が上がっています。強盗致死も裁判官時代が95.8%でしたので、上がっていることに変わりはありません。

また、この表には、強制わいせつ致死傷と準強制わいせつ致死傷の項目がないので性犯罪の項目ごとに見ると、(準)強姦致死傷は93.3%、(準)強制わいせつ致死傷は98.8%、集団(準)強姦致死傷は100%、(準)強姦も100%となっています。

今村さんへ。あなたは多少の分析さえもしていない(と思われる)。あなたが本気で裁判員裁判では無罪が増えているって思ってるとすれば不勉強の極、本当のことを知りながらそう言っているんだったらウソつきの極。どっちにしても極悪。135245

もう一度原文を見ようと思っている探求心旺盛な方々へ。ごめん、もう訂正しちゃったよ。今はこうなっている。

インコさんは「有罪率」で比較したけれど、無罪の総人数を終局人員の総人数で割った「無罪率」を考えてみて。さっきの表をもう一度見てご覧。裁判官時代は0.6%だった無罪率が裁判員時代には0.5%に下がっている。0.1ポイント減ね。

でも、ここまで読んでくれた紳士淑女の皆さんは、新装なった原文「裁判員裁判はえん罪を確実に増やす」をやっぱり見てくれるでしょうね。詳しい説明をぜひ読んで下さい。

結論をはっきりさせておきましょう。

□裁判員裁判になった結果、以前より全体として有罪率が高まり、無罪率が下がった。覚せい剤事件を除くとその傾向はさらに強くなる。

そして、この御方が言う「無罪が増えることは、えん罪を防ぐ一定の効果を持つ」という前提に立つと、次の結論が導かれます。

□裁判員制度はえん罪を増加させる要因を作っている。

ちょっとしたミスかもしれないけれど、ミスはミス。インコはきちんと謝りましたね。さ、今村さんとやらもこの辺で潔く謝った方がいいと思うよ。『論語』に見える有名な句「過ちては改むるに憚ること勿れ」をさっさと実行しなさいっていうことよ。

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投稿:2015年10月4日