トピックス

トップ > トピックス

新刊ご案内『裁判員制度はなぜ続く』

前著『裁判員制度廃止論』に続く渾身の163131ii
裁判員制度告発書(花伝社)。
制度最末期の現実が鋭く解剖されている。著者は、福島ストレス訴訟の原告で元裁判員の一審代理人。
その経験を踏まえて展開される2011年11月16日最高裁大法廷判決の徹底批判がコア。完膚なきまでに叩く。
最高裁のどこが最高なのか、そのお粗末さと愚劣さは判決のすべてに恥をさらして表出する。
最高裁は、法務省は、そして提灯を振りまくった日弁連・マスコミは、怒りの指摘に反論できるか。できなければ白旗を揚げて非を認めろ!
水に落ちたイヌは二度と浮かび上がらせてはならない。
今という時期、制度に疑問を持つ人、反対する人にも制度の「しまい方」を考えるために熟読を強くお勧めしたい。 byインコ

 

1631311ii

16313131ii

投稿:2016年8月26日

『朝日』はどこへいく 「不買8割」の危うい悪夢 !?

1-e1397901276348溜まってた新聞の山の中に、『日経』よりも10日ほど前に裁判員制度を論じた『朝日』の社説があるのを発見した。7月20日号だ。

001177

おっと今度は前振りなしの直球ですね。

1-e1397901276348新しい新聞が上に積まれていたので、『朝日』の紹介が『日経』より後になった。『朝日』をテーマにするのを後に回したわけではない。

焦る(はいはい、わかりました。)

1-e1397901276348日経』と差を付けたと言われるのは心外なので、今回も全文をご紹介する。タイトルをみてごらん。さすがは『朝日』だ。

hiyokoyoko1(なんかずいぶん構えてますね。)

                        »•l‚̂Ђ܂í‚è

1-e1397901276348タイトルがすべてを決めると言ってもよい。このタイトルは「暴力団の組幹部が裁判員を威圧した。だが動揺することなく裁判員制度の崇高な意義をもう一度確認して前へ進もう」ということだ。さぁ、また議論してみようじゃないか。

hiyoko2-1ボク、最初のところでちょっと引っかかります。

1-e1397901276348ぅ、また最初のところか。いいだろう、聞こうじゃないか。

hiyoko2-1「裁判員を威圧」とありますが、威圧したことは確定している事実でしょうか。

001177

裁判所から出てきた裁判員たちに2人の男が「よろしくね」なんて声をかけたっていうことでした。

1-e1397901276348裁判員たちは不安を感じたと言っている」という報道もある。だが、声をかけたとされる男たちが脅したと認めているという報道はみてないな。

hiyoko2-1対立するかもしれないこと、確定的な結論が出てないことについては慎重な態度をとるのがメディアに求められる基本的な姿勢ではないかと。

001177

少なくとも威圧に?をつけるとか、「」をつけるくらいの配慮はすべきでしょうね。

1-e1397901276348出だしのところでこの社説は失格だと言いたい訳だ。

hiyokosyoumen1そこまでは言いませんが、脇の甘い文章だと思います。

15005011おぉ~

1-e1397901276348ヒヨコ君に脇が甘いといわれては大『朝日』の面目は立たんな。いい加減さがこんなところにも表れているというのは確かだ。

001177

(ほほ、なんかこの子はこのところずいぶん成長してきたような。)

1-e1397901276348内容に入ろう。「声かけの後、参加を辞退する裁判員が相次ぎ、職業裁判官だけで審理をやり直すことになった。ゆゆしい事態である」ときた。ゆゆしいとはどういうことだ。

hiyoko2-1広辞苑によれば、ゆゆしいは由々しい。「神聖なので触れてはならない、忌まわしい、うとましい、気がかりである、恐ろしいほど優れている、容易でない、すばらしい、勇ましい」などと説明されています。

1-e1397901276348いろんな意味がある言葉だが、そうするといったいそのどれなんだ。話の筋から言って優れているとかすばらしいとか勇ましいということではなさそうだな。触れてはならないも忌まわしいもうとましいもちょっと違うだろう。

hiyoko2-1そうすると「気がかりである」ですかね。

1-e1397901276348んなところだな。だが、「市民参加命(いのち)」の『朝日』はどうしてこんなところで市民生活でほとんど使わない小難しい言葉を急に使うんだ。ヒヨコ君だって昨日の試験の結果はゆゆしいなんて言わんだろう。

001177

「気がかりな事態である」と言えばいいだけなのに、難しそうにひびく言葉を使って飾ってみたかったんでしょ。

1-e1397901276348小賢しい。で、何がゆゆしいのだ。声かけか、相次ぐ辞退か、それとも審理のやり直しか。

hiyoko2-1続いて「最初から裁判官裁判にしておけばよかったという声もあるがそれは違う」と言っているところからすると、ゆゆしいのは裁判官裁判に切り換えたことではないですか。

1-e1397901276348裁判員法は裁判員裁判の対象事件も例外的に裁判官だけでやることを認めている。だがそれは例外中の例外でめったなことでは裁判官裁判にしてはいけないはずだと社説は言っている。

hiyoko2-1ということは、この事件の公判は、声かけがあっても裁判員の辞退が相次いでも断固裁判員裁判で押し通すべきだったのに、小倉支部がころり裁判官裁判に変えてしまったのはけしからんと言っているんでしょうか。

1-e1397901276348はっきりしないが、そうではなく、裁判員裁判は本来はやはり裁判員裁判として進行させ、裁判員の安全には万全の対策を講じるべきだったという一般論を言ってるようだな。

001177

この事件の公判について言えば、こんな状態になってしまったら裁判員裁判を通すのはもうムリです。殺人未遂の裁判員裁判が開かれるので裁判所に来てくれという通知が小倉支部から来たら、誰だって「あの事件だ!」って気づきます。喜んで出て行く裁判員候補者はたまたま選ばれた組関係の人たちだけでしょう。

1-e1397901276348社説は、「『無理して裁判員裁判をやる必要はない』という方向に流れてしまっては私たち社会全体が理念を放棄し、無法に屈することになりかねない」と言っている。

001177

大風呂敷を広げましたね。「主権者として司法権の行使にかかわり、ふつうの感覚を裁判に反映させる」のが市民の司法参加の意義だとして、その理念を社会全体が放棄してしまっていいのか、それも暴力団の無法の前にひざまずいてしまっていいのかと来ました。

1-e1397901276348国民の85%がもうその理念を投げ捨てたいと言っているということを『朝日』の論説委員は完全に無視している。見て見ぬふりだ。

hiyokosyoumen1「無法に屈する」って言うけれど、国民の圧倒的多数が処罰の威嚇をものともせず、不出頭を断行していますよね。国はもう国民の無法に屈してるんと違いまっか。

1-e1397901276348突然の関西弁はやめなさい。ただし、私たちの社会全体がもう裁判員制度の理念なんとやらをしっかり放棄していて、この国の司法権力は国民の無法総反乱にあえなく屈しているというヒヨコ君の見方は極めて正確だ。

001181私もひと言。社説は「国民と直接結びつくことによって司法の基盤を強固にし、行政や立法をチェックする権能を高める」と言ってますが、裁判員制度にはそんな目的があったんでしたっけ。

1-e1397901276348それこそ、『朝日』のでっち上げだ。いや、革新政党や日弁連もそれと似たようなことをいっているから、ねつ造は彼ら全体の連帯責任だがね。

hiyoko2-1どこがねつ造ですか。

1-e1397901276348「国民と直接結びつくことによって司法の基盤を強固にする」というのは正しい。もっともそれは、国民を直接裁判に関わらせることでこの国の司法の正統性を多くの国民に知らしめれば、お国の司法は引き続き安泰盤石だと言っている。つまり司法の基盤を強固にするというのはひどく権力的な意味なのだ。

hiyoko2-1後半の「司法の基盤を強固にし、行政や立法をチェックする権能を高める」はどうですか。

1-e1397901276348これがとんでもない大うそ。裁判員制度の目的にはそんなことはまったく入っていない。考えてごらん。市民参加で行政や立法をチェックする権能を高めるなんてことを、行政や立法の中心にいる連中が考え出したりするはずがないだろう。政府や国会が自分たちの横暴を国民にチェックしてもらうためにこの制度を導入したなんてどこで議論し、どこにそんなこと書いてあるか言ってみろってことだよ。

001177

どこでも論じられていないことを『朝日』は制度の目的であるかのように言っているということですね。

1-e1397901276348そう、このねじれでたらめ路線が『朝日』の社是だ。その徹底ぶりは、もう最高裁さえ言わなくなった「おおむね順調」論をこの期に及んでも言い募っているところによく表れている。

001177

危機を正面から論じようという『日経』とはだいぶ姿勢が違いますね。

1-e1397901276348大違いだ。一番重要なことを言っておこう。もう一度前号『日経』評論は「制度終焉詔勅」の序章かの『日経』大島氏の論考を読み返してごらん。「制度否定派が『ほら見たことか』と持ち出しがちな数字だが、この『不都合な真実』こそ直視すべきだろう。それなくしては裁判員制度の課題は語れない」というくだりがあった。

hiyoko2-1ありました、ありました。大島さんは、「裁判員制度はいらないインコ」のブログを見てくれているのかなぁと思いました。

1-e1397901276348しかし、『朝日』の社説は、85%のノンにも触れず、出頭率たった23%にも触れていない。そして、裁判員制度に反対する意見や運動をそれこそ徹底的に無視し、その存在そのものにまったく触れない。世の中に否定意見や反対運動など何もないという風情だ。

hiyoko2-1前は少しは紹介していたと聞きましたが。

1-e1397901276348多少は紹介していた時期もあったが、制度に対する市民の反応が厳しくなるほど提灯記事が増え、異論排除に徹するようになった。

hiyoko2-1そういえば思い出しました。『朝日』は昨2015年1月5日に「信頼回復と再生のための行動計画」という立派な計画を発表しています。

001177

その「理念」の内容は次のとおりでした。

1.公正な姿勢で事実に向き合います
事実に基づく公正で正確な報道こそが最大の使命です。社外からの指摘に謙虚に耳を傾け続けます。事前・事後のチェック体制をしっかり構築し、間違いは直ちにただす姿勢を徹底します。
2.多様な言論を尊重します
読者とともにつくる新聞をめざします。多様な価値観や意見を紙面に反映するとともに、朝日新聞の記事や論説に対する異論・反論も幅広く掲載するフォーラム機能を強化します。今まで以上に複眼的な見方を意識した記事を増やします。
3.課題の解決策をともに探ります
よりよい明日をつくっていくために、社会の仕組みや生活に密着したテーマについて幅広く考える情報を提供します。問題点の指摘にとどまらず、みなさまと課題を共有し、多角的な視点でともに解決策を探るメディアへと進化させます。 

 001177この一つひとつの理念を裁判員制度にあてはめるとどういうことになるのかこの新聞社に尋ねたいですね。 

1-e1397901276348制度命(いのち)で提灯記事を書く新聞社が、「事実に基づく公正で正確な報道こそが最大の使命」だとか「多様な価値観や意見を紙面に反映させるとともに異論・反論も幅広く掲載する」など、聞いて呆れ読むのも恥ずかしくなる。

hiyokosyoumen1こういうのを「計画倒れ」とか「絵に描いた餅」とか言うのでしょう。「ののちゃん」が早朝から勉強して夏休みの宿題は7月中に終わらせるぞと立てた「夏休み勉強計画」みたいなもんかな。

001177

はいはい、「ののちゃん」は無謀な計画は最初から立てないでしょう。それよりも「朝日はどこへいく『不買8割』の危うい現実」なんていうエッセイがどこかの新聞に登場する前に我が姿を鏡に照らして脂汗でも流した方がよさそうですね。

hiyoko2-1ボクもそう思います。

1-e1397901276348今回は2人ともやたら冴えているな。お疲れ様と言ってあげよう。私がインコのお山を長期不在にするのは意外によいことかも知れん。

201600814それはちょっと問題が違うと思います。

 

 

投稿:2016年8月16日

『日経』評論は「制度終焉詔勅」の序章か

1-e1397901276348かろうじて電気は通じているものの、ネットどころか電話も通じないという辺鄙なところから飛翔帰還、と言いたいところだけど匍匐帰還。インコはこの空を飛べない。だから中島みゆき大好き。関係ないか。ま、言わせてよ、くそ暑い季節だから。悪いけれどそんな思い察してほしい。しまった今度は阿久悠になっちゃった。とにかく新聞が溜まってたんよ。

001178まね0(新聞が溜まってるを言うだけにこれだけの前振り…)

1-e1397901276348その新聞の山を整理していたら、面白い文章を見つけた。7月31日付け『日経新聞』の「内外時評」。筆者は論説副委員長の大島三緒氏。それほど長くない。都合のいいところだけ引いたのではと言われるのは心外なので、思い切って全文をご紹介しよう。タイトルがいいぜ。

裁判員制度はどこへいく 『不参加8割』の危うい現実

»•l‚̂Ђ܂í‚è 7年前の夏を思い出す。2009年8月3日。その日、東京地裁で全国初の裁判員裁判が始まった。
どこにでもいる普通の人たちがプロの裁判官とともに公判に臨み、人を裁くという重大な権力行使に直接たずさわる。同時に、権力をチェックする役割も果たす。そんな画期的な仕組みが動き出したのが、あの夏であった。

 幕開きの裁判はメディアの注目を浴び、熱気に包まれたものだ。法廷に普段着の男女6人が並ぶ光景は時代の変化を印象づけた。見知らぬ市民が論議を重ね、決断を下し、社会正義の実現に力を貸す。多くの人々が、そこに民主主義の新たな可能性を感じ取ったはずである。

 ところがいま、そうして始まった制度が危機に立たされている。裁判員候補者として呼び出されたのに選任手続きに出席しない人が増え、じつに8割近くが「不参加」という現実があるのだ。

 制度否定派が「ほら見たことか」と持ち出しがちな数字だが、この「不都合な真実」こそ直視すべきだろう。それなくしては、裁判員制度の課題は語れない。

 最高裁が公表しているデータをここですこし詳しく見ておこう。

 裁判員制度が始まってから今年5月末までに、候補者に選ばれた人は累計85万人余。うち7万人近くが裁判員・補充裁判員を務めた。「市民法廷」の広がりがわかる。

 しかし一方で、辞退者が増え続けている。年間13万人前後の候補者のうち、当初53%程度だった辞退率は現在は約85%に上昇した。本来なら辞退は特別の場合にしか認められないが、運用はかなり柔軟だといっていい。

 それでは、辞退しなかった人は必ず裁判所に行くのだろうか。残念ながら、これもそうなってはいない。辞退を申し出る機会は裁判所に行くまでに2回あるが、その手順も踏まずに無断欠席する人が相当数にのぼるのだ。

 今年1~5月の統計を見ると、出頭するはずだった約2万人のうち、35%ほどが裁判所に現れなかった。無断欠席は09年には約16%にとどまっていたから倍増である。

 結局、辞退や無断欠席を合わせると、いまや候補者の76%余が裁判員裁判に参加していない。無断欠席には罰則(10万円以下の過料)もあるが、そんな決まりはどこ吹く風といった雰囲気だ。このままでは、裁判員になる人は社会の特定の層に偏ってしまうかもしれない。

 ならばいっそ、裁判員候補者への締め付けを強めたらどうかという声も出よう。

 辞退の条件を徹底的に厳格化する。無断欠席には法律どおり罰則を適用する。そうすれば、人は裁判所にもっと出向いてくれるに違いない。が、制度をそんな堅苦しいものにしてしまっては本末転倒だ。憲法が禁じた「苦役」にあたるという声だって高まりかねない。ここがこの問題の厄介なところである。

 「だから、残念ながら特効薬はないんです」と最高裁事務総局の平木正洋刑事局長は言う。「まず、地道に制度の意義を説き続けること。それと、不参加の要因をきちんと分析する必要がある。審理期間の長期化がどう影響しているのか。非正規労働者の増加と関係はないか。そのあたりを探らないと」

 いささか迂遠(うえん)な話ではあるが、制度設計にたずさわってきた法曹の悩みはそれぞれに深い。國學院大学教授の四宮啓弁護士が強調するのは、裁判員の守秘義務が制度定着の大きな障害になっているという点だ。

 「現行法では、評議の経過などを語ることは原則禁止で一部の例外が認められているだけ。これを原則自由に転換し、禁止は例外的な事項だけにすべきです」と四宮弁護士は提言する。「守秘義務の重圧のせいで、『やってみてよかった』という声が多い裁判員体験が社会で共有されず、いつまでたっても制度の実像が見えてこない」

 守秘義務の見直しは裁判員制度発足時から指摘され続けているが、手つかずのまま7年がたった。辞退や無断欠席がここまで増えてきた以上、真剣に緩和を考えてはどだろう。この制度を社会の表舞台に引き出す効果は大きいはずである。

 最高裁によれば、辞退や無断欠席が増えても、いまのところ裁判員の職業別属性には偏りはみられないという。しかし、だからといって高をくくっていたら取り返しがつかなくなるかもしれない。

 手を打つなら、いまだ。あの夏の記憶が、あせきらないうちに–。

1-e1397901276348全国紙が裁判員制度の惨憺たる現実をこれだけ正確に書くのは珍しい。正直驚いたね。

hiyoko2-1正確ですか。

1-e1397901276348数字についてはどれも間違いない正確さだ。それにこのままじゃまずいという「危機感」にあふれているところも注目に値する。

001181裁判員制度のことになると、事実なんか棚に上げておべんちゃらを書き連ねるのがメディアの通弊ですものね。制度の破綻がようやくまじめに考えられるようになってきたということでしょうか。

1-e1397901276348裁判員裁判の現場があまりにもひどい状態になったので、見て見ぬふりをしていたら、マスコミも批判されると思うようになったのかも知れないな。「改心」が経済紙で始まったとすれば、何とも皮肉な話だが。

001177先頭で旗を振ってきた『朝日』なんてどうするんでしょうね。

1-e1397901276348A級戦犯の『朝日』だ、誰もついてこなくなっても「国民は裁く」なんて旗を掲げ続けるかも知れない。何十年も経ってから「『朝日』はどこで道を誤ったか」なんてよそ事のような特集組んだりするんだろう。さて、『日経』の文章で気になるところがあれば、話してみないか。

hiyoko2-1ボク、最初のところでちょっと引っかかります。

1-e1397901276348聞こうじゃないか。

hiyoko2-1「重大な権力行使に直接たずさわり、権力をチェックする役割も果たす」とあります。重大な権力行使に直接たずさわるのはそのとおりですが、権力をチェックする役割というのは本当に果たせているんでしょうか。

001181確かに。鮨を食べながらこの店の味はどうとか、この板さんの握りはどうとか評定はできるが、じゃあ板場に上がって、板さんと一緒に魚を捌き鮨を握れるのかということね。

20160517114無理さ。ここにこの制度の根本的なフィクションが潜んでいる。最高裁は「目的は鮨職人の苦労を客に知ってもらうことだ、横にいてくれれば素人感覚が役に立つこともある」と言っただけなのに、メディアや革新政党や日弁連などはこの制度で国民は鮨を本当に握れるという見方をとった。最高裁はこういう連中に対しては「飛んで火に入る夏の虫」と独り言を言ったかも知れん。

001177平木正洋刑事局長は出頭率向上の特効薬はないと言い、地道に制度の意義を説き続け、不参加の要因をきちんと分析し、非正規労働者の増加との関係なども探らないといけないと言ってるそうです。

1-e1397901276348正当な理由のない不出頭者には10万円以下の過料という処罰が科される。厳しい処罰条項が厳に存在する。7年間1人の不正不出頭もなかったとはさすがの平木クンも言うまい。その条項を発動できないところに制度の根本矛盾がある。そのことを横に置いて特効薬があるとかないとか言ってること自体、笑えるくらいおかしい話だ。

001177処罰条項を発動しないし発動できないことが「みんなで無視すれば恐くない」思想を日本中に蔓延させています。強硬策を打たないため安心して多くの人が無視をしていますが、そうされても強硬策を打ったら最後になることがわかっている最高裁としては何の手も打てないってこと。

hiyoko2-1泥棒がやたら増えているのに捕まえず、「泥棒がなくなる特効薬は何か」なんて言ってる警察がいれば確かに笑えます。

001181非正規労働者の増加との関係なども探る必要があると刑事局長は言ってるそうですが。

1-e1397901276348あはは、刑事局長からこの言葉を聞くとはという感じだな。自身の生活が大変になって、他人の犯罪をどうするかなんて考える時間の余裕も心の余裕もなくなっている。不況の荒波に庶民は翻弄されているということが、三宅坂にある奇巌城の奥の奥まで届くようになってきた。刑事局長室の壁には、不出頭の増加率と非正規労働者の増加率の推移表が貼ってあるだろう。その両者の間には高い相関関係があるなんて統計学的分析も始めているに違いない。

hiyoko2-1で、どうすればということになりますか。アベノミクスのウソを暴くのでしょうか。まさかですよね。

1-e1397901276348言うもおろかなり。そんなこと口が裂けても言えん。つまりどうにもこうにも出口のない話になる。局長のこの解説は制度の終焉をよく示す話なのだ。

hiyoko2-1「現行法では、評議の経過などを語ることは原則禁止で一部の例外が認められているだけ。これを原則自由に転換し、禁止は例外的な事項だけにすべきです」と四宮弁護士は提言しているとありますが。

1-e1397901276348この大島クンの文章は残念ながら完全に間違いだな。評議の経過を語ることは「原則禁止で一部解除」ではなく「全面禁止」。評議の経過を語れば解任の理由になるし10万円以下の過料に処す理由にもなる。あまりにイロハの話で、四宮クンが本当にそう言ったとすればこの男は何もわかっていないことになる。実際、何もわかっていないのかも知れんが。

001177制度推進派の四宮弁護士は、守秘義務の緩和を訴えています。

1-e1397901276348あほ言ってはいけない。「守秘義務のおかげでこの制度は7年も続いている」のだ。守秘義務がなくなったり大幅に緩和されたりしていたら、この制度はとっくに絶命している。

hiyoko2-1裁判所が主催する意見交換会などの場でも、「見えないレールが敷かれていた」「場の雰囲気に負けた」「空気を読めと言われた」「辞めたかったが何とかやり遂げた」「2度とやりたくない」「自分は裁判員に裁かれたくない」などの声が出ています。そういう話がはるかにリアルな説明付きで飛び出してくることになるのでは。

001181だいたい、守秘義務解除が本当に特効薬になるのなら、最高裁がとっくに処方しているはずです。その方針をとらないどころか、守秘義務は外せないと一貫して言っているのが最高裁です。本当のことを知られるのは困ると最高裁自身が考えていることがこれでもわかるような気がします。

HP201642221四宮クンがそのことにまったく触れないのは、何にも考えず守秘義務解除、守秘義務解除と念仏よろしく唱えているのか、守秘義務は絶対に緩和されないと見通して「みんな本当にやってよかったと思っている」とほらをつき続けているのかのどちらかだ。

hiyoko2-1また、大島さんは、「このままでは、裁判員になる人は社会の特定の層に偏ってしまうかも」と心配されています。

001177「我と来て 裁けや職の ない大人」ばかりになるとかですか。終わりの方でも、「最高裁によれば、いまのところ職業別属性に偏りはみられないけど、このまま高をくくっていたら取り返しが」というようなことを言われている。

1-e1397901276348確かに、データを見る限り、今のところ職業別属性に偏りはないようだ。しかし、8割5分の人がイヤだと言い、拒否をしている中で、それでも人を裁いてみたいと出ていく1割5分というのは、相当に偏った考えの人たちではないか。

001177某書記官によれば、今、出頭してくるのは、お上の呼出が嬉しい人と、お上の呼出に逆らえない人と、そして日当が目当ての人っていう話でしたね。

hiyoko2-1そんな中で、「この制度が社会の表舞台に引き出される」とどうなるのですかね。

1-e1397901276348制度が「日陰の存在」「裏社会のもの」になっているという評価はおもしろい。それは言い換えれば大きな声で話題にしてはいけないテーマ、タブーということだ。重大な刑事裁判の判決について、その判断は正しいかとか不適切ではないかという議論がこれまでは堂々とできた。それが裁判員の登場で、一転踏み込みにくい世界の話になった。なんてったって重大事件の判決は裁判員のご託宣になってしまったのだ。聞いてもいけない、しゃべってもいけない。それが「日陰の存在」で「裏社会のもの」っていう訳だ。

001177なんとも救いのない話になりました。大島さんには「社会正義の実現に力を貸す。多くの人々が、そこに民主主義の新たな可能性を感じ取ったはずである」という7年前のご自身の見方が正しかったかどうかというところに焦点をあててほしかったですね。

1-e1397901276348そのとおりだ。的確な「読み」をウリにする経済紙の論説責任者らしい好論考だったが、この制度がこれほど国民に嫌がられるのはなぜか、社会の表舞台に引き出されたらこの制度はいったいどうなるのかというところまで掘り下げてほしかった。睛(ひとみ)を書き込めば風雲生じて白竜は天に上っただろうに。ま、大島クンのこれからに期待しよう。

読書うさぎ(はい、ひとみが大きくても空を飛べないインコさん、お疲れ様でした。)

 

投稿:2016年8月14日