~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
読者から、「『長崎新聞』の名物コラム『水や空』に『裁判員の告白』という記事が掲載されていました。ご参考に」と連絡をいただきました。ご紹介いたします。
長崎県西海市でストーカー被害を訴えた女性の母と祖母が殺害された。被告人は28歳の男性。被害を訴えた女性とその父親は西海署に相談したが、警察は被告人の居住地の千葉県警習志野署に相談するように言った。実家に娘を連れ戻した父親はわざわざ千葉へ相談に行くことになった。被害届けを出すため習志野署まで向かい、その間に母親と祖母が殺害されたというもの。判決は求刑通り死刑でした。
『長崎新聞』 コラム 水や空 6月20日
裁判員の告白
「判決の日は裁判所に行くのが嫌だった。まるで自分が被告に『死ね』と言っているような気がした」「知人や家族には同じ経験をさせたくない」▲絞り出すような言葉が続いていた。長く重い1カ月間だったに違いない。被告の男に死刑判決を言い渡した西海2女性殺害事件の裁判で、裁判員を務めた男性が長崎新聞社の取材に応じ、公判中の苦悩や葛藤を語ってくれた▲身勝手極まりない動機で凄惨(せいさん)な事件を引き起こした被告の男は、公判の間ずっと「自分はやっていない」と、自分でこしらえた虚構の中に閉じこもっていた。自分は犯人ではない、と主張しているのだから、反省や後悔の言葉はひと言もなかった▲求刑は死刑。刑の減軽に結び付きそうな事由は見当たらない。それでも裁判員は「自分が人の人生を決めなければいけないのか」と自問しなければならなかった。「ニュースで聞いていただけなら、死刑は当然だと思っていただろうに」と考えながら▲裁判員制度はスタートから4年が過ぎた。「司法に市民感覚を反映させる」という狙い自体は間違いではないだろう▲だが、重大犯罪の裁判に限って、くじ引きで選んだ市民を参加させる現行の仕組みは、真にその目的にかなうものなのか。市民感覚の出番は他の場所にありはしないか。裁判員の告白を何度も読み返しながら、4年前から消えない疑問をあらためて思い起こした。(智)
裁判員制度を推進してきたマスメディアからも制度への疑問の声が上がってきています。
投稿:2013年8月17日