~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
「手口に学べ」論は不適切、恥ずかしい、歴史の誤解、失言、お粗末…。国内外の非難の嵐を前に、あえなく発言撤回に相成りましたが、この男の発言のどこがどうして問題なのか、本当に誤解を招いたのか、そのポイントはまるで共有されていません。小論はそこを小気味よく突く(笑)。
さすが元オリンピックのクレー射撃選手です。この男の言ったことは実は的を射ているの。「ヒトラー憲法」なんてないでしょうって? そんな無粋なことを言わないの。細かいことはどうでもよいのです。この男は大筋本当のことを言っているのですから。
ナチス体制はワイマール憲法下で血も流さずに生まれました。ヒトラーは民主主義を標榜し国民の支持をかき集めながらファシズムの階段を駆け上がったのです。それはやりようで俺たちにもできる。憲法改正なんて大騒ぎしなくても、授権法の確定までこぎ着けられる。ヒトラーを好例と捉え、しっかり学ぼうと言っています。「悪しき例」を引いた? そんなことは決してないのです。そう、民主主義もひとひねりすれば使えるんだよ、ほら俺の口元を見てみろって。
ヒトラーは国民主権も民主主義も踏みにじるなんて一言も言いませんでした。それどころか、主権者の国民が司法参加することも強調しました。ヒトラーの司法参加は、ユダヤ人とドイツ人の結婚や同棲や居住禁止区域にユダヤ人が住んでいることなどを当局に密告させ、国民自身を不法者・犯罪者の摘発と断罪の先頭に立たせ、わが国土を法治の国にし、そこに正義を実現することだったですが。と言えば賢明なあなたなら思い出すでしょ、私たちの裁判員制度のことを。
国民を犯罪の摘発と断罪に参画させるわが国の裁判員制度。この国を敵から守るのは自分だと思わせ、国民の心を内側から武装させちゃうのは、それこそ実質改憲ね。憲法9条をどうしようなんて言わなくても交戦権を心の中に定着させちゃうんだから。この男の言っていることを突き詰めると(本人が理解しているかどうかは帽子が邪魔になってよくわからないけど)、この国の改憲はこうやって静かに進めることが可能なんだって言ってるの。
ヒトラーにならおうと言うのは差別の極致。だけれどこの男の発言を人種差別の問題だけで捉えていると、今この国で進んでいることがよくわからなくなっちゃう。実際、彼に即刻撤回を迫ったマスコミ自身が裁判員制度を推進しているんだから。この矛盾にみんな気づかなくなっちゃうでしょ。特にA新聞なんかY新聞の10倍のスペースを使って彼を叩いているから、余計この男の本当の問題がわかりにくくなっちゃうね。
裁判員制度に国民をもっと組み込めば改憲が実現できる。そう言うに等しい彼の言葉は実に当たっているのです。 この男は単なるバカでもあほうでもないの。あそうね。あっ、そうだったのね。
投稿:2013年8月2日