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ストレス障害国賠訴訟はじまる その5 ―新聞報道の研究

ストレス国賠訴訟の初審理。「インコつつく」のコーナーでも少しつつきましたが、新聞メディアの報道ぶりは、社によって大きな差がありました。

 自社の記者がこの事件を最初から追っていたこともあるのでしょうか、『毎日』の全国版はかなり丁寧に報道しています。県内版には一切掲載せずに、全国版に全力集中しています。

 驚くのは『朝日』と『読売』の全国版が仲良くこの報道を完全にサボタージュしたこと。制度推進を社是とすると、こんな報道はまかりならぬことになるのでしょうか。ただ、両紙とも県内版では大きく取り扱っています。現場の記者と本社上層部の間にも大きな溝があることが窺われます。『日経』と『産経』の全国版や当地から離れている『東京新聞』がほうどうしていることと比べても、そのずれまくりに衝撃を受けます。

 広域紙『河北新報』や県紙『福島民報』『福島民友』はかなり丁寧に事件を追っています。

 ほとんどの紙面に共通するのが、女性が実名公表を決断して切々と訴える姿、そして国が女性との主張に真っ向から対決して争う姿勢です。裁判員になりたくないと思う市民がこれで一気に増えるでしょう。法廷を取材し記者会見に臨んだた報道関係者は誰しもそのように感じたと思われます。

 以下、各紙の見出しだけをピックアップしてご紹介。

毎日新聞全国版
 「裁判員の苦しみ 理解を」ストレス傷害訴訟 初弁論、女性陳述 実名公表し会見

朝日新聞県内版
 裁判員訴訟 国側は争う姿勢 口頭弁論 元裁判員「心身に傷」

読売新聞県内版
 裁判員制度「許されない」 元裁判員ストレス訴訟 死刑判決で「罪悪感」

日経新聞全国版
 「心身に大きな傷」 元裁判員

産経新聞全国版
 元裁判員「心身に傷」 ストレス障害訴訟で陳述

河北新報
 裁判員裁判ストレス傷害訴訟 国側、請求棄却求める 福島地裁初弁論 原告女性、違憲主張 女性が記者会見「つらさ 私が最後に」

福島民報
 郡山のストレス障害元裁判員訴訟 全国初 違憲判断問う 国側は全面的に争う姿勢 第1回口頭弁論 「苦しみ 私で最後に」

福島民友
 元裁判員「心身に傷」 ストレス障害訴訟第1回口頭弁論 声震わせ、意見陳述 福島地裁 国側は争う姿勢 「つらさ分かって」原告が会見

東京新聞
 元裁判員「苦しみ私で最後に」 ストレス障害訴訟で陳述

次回口頭弁論は12月10日午後3時から福島地裁で 傍聴に来てくださいね

*広域紙・県紙をお送りくださった福島のKさんにこの場を借りてお礼申し上げます。

かぼちゃ

 

 

 

投稿:2013年10月5日