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工藤会の声かけに最高裁が声をかけた

001177裁判員裁判で被告人の知人らしい男が裁判員に声をかけた事件は、その後おさまらないどころか大きな問題に発展しているようです。

1-e1397901276348そうだろう。予測したとおりだ。今日は既報の続編と行くか。

0011776月23日の『読売』(夕刊)は「裁判員声かけ問題『万全を期したい』最高裁長官」のタイトルの記事を掲載しました。

hiyoko2-1同日『朝日』(夕刊)も「裁判員威迫事件に言及」のタイトルで、ほぼ同じ内容の報道をしています。

001177「裁判員声かけ問題」という問題や「裁判員威迫事件」という事件が最高裁によって明らかにされ、これだけでみんなに話が通じてしまうことになりました。

司法の要人たちの関心はHP201642221もちろんだが、国民一般の関心という面でも、「ストレス裁判員問題」以来の大事件だ。して、それらの記事の内容は?

001177毎年この時期に最高裁が全国の高裁長官と地家裁所長を集めて開く「長官所長会同」が、今年も6月23日と24日にわたって開かれたのです。

1-e1397901276348うむ。

001177そこで寺田逸郎最高裁長官は、冒頭の挨拶の中で福岡地裁小倉支部の裁判員声かけに言及し、「国民が過度の負担を感じることなく安心して裁判に参加できるよう、万全を期したい」と言ったということです。

1-e1397901276348裁判員裁判は地裁の刑事部がやっているだけだ。民事部は全然関係がない。家裁は少年部に少し関係があるが基本的に無関係。高裁は刑事部が地裁の裁判員裁判をチェックすることがあるだけで、民事部は無関係。その地裁・家裁・高裁の責任者を全員集合させた場で、現に地裁支部に係属している進行中の一刑事事件を取り上げて審理を論じた。聞いたことがない話だ。

001177ストレス裁判員の告発の時にも、たしか竹崎博允長官がこの会同で「裁判員に無用の負担をかけないようにせよ」と叫びましたよね。

hiyoko2-1あれも裁判員の負担を軽減せねばならないという話でした。

1-e1397901276348そのとおりだ。裁判員になりたくないという空気が全国民レベルに広がる中で、絶望感が地裁に蔓延し、何とかしなければという焦燥感が最高裁を覆っている。両事件の背景にある事情は同じだ。だが、「ストレス裁判員問題」の方は、死刑を言い渡した裁判に加わった裁判員が、裁判中から深刻な精神的打撃を受けていたことを判決の後に問題にしたものだった。

001178まね0今回の「裁判員声かけ問題」は、進行中の裁判員裁判に関するものです。進行中の事件ということは、この事件の審理を今後どのように進めるのかを地裁が自身の責任で決めねばならず、周りからあれこれ口出ししてはいけない段階です。

1-e1397901276348そうだ、最高裁が今回の声かけ事件をいかに重大問題と捉えているかがわかるが、異常も異常、異例も異例。寺田長官の発言は、裁判の独立を侵害する越権発言と言われても仕方がない。威令で押し切ろうという魂胆かもしれんが。

hiyoko2-1先輩、だじゃれですか。

1-e1397901276348いや、だじゃれではない、しゃれだ。うん。

hiyoko2-1日銀の支店長会議とは話が違うんですね。

1-e1397901276348そうさ、日銀には「金融の独立」なんていうルールはない。支店はすべて総裁や本店の指導に従うのが当たり前だ。

hiyoko2-1「安心して裁判に参加できるよう万全を期す」っていうことですが、具体的にはどうするんでしょうか。

001181万全を期す」っていうことは、言い換えれば安心して参加できるように絶対の対策を立てるっていうことでしょ。重い責任ですね。

hiyoko2-1顔を見られる以上、絶対に大丈夫ってあり得ないんじゃないでしょうか。

1-e1397901276348顔を見られない方法でなければ本当の安心はないだろうな。

hiyoko2-1遮蔽板を裁判員の前に立てるとか。

001178まね0そうすると裁判員も傍聴席や検察官や弁護人や被告人が見えなくなります。

hiyoko2-1半面鏡にしたらどうでしょうか。傍聴席からは見えず、裁判員からは見える。

1-e1397901276348裁判の公開というのは、裁判をしている裁判官を傍聴者がよく観察できることを含む。裁判官(員)の声だけが聞こえるとか、裁判官(員)だけが法廷の全容を把握できるというのでは、いくら傍聴が広く認められても公開原則が保障されたことにはならない。

hiyoko2-1つまり、裁判官(員)たちの顔とか声とか姿とか裁判中のありようのすべてを傍聴者が知り得ないと公開の原則に違反すると。

1-e1397901276348そうさ、当然のことだ。

hiyoko2-1ということは、裁判員たちは顔を覚えられないで裁判に参加する手はないということになりますね。「顔は覚えられてしまう裁判員の安全に万全を期す」って、基本的に矛盾のような気がしますが、実際にはどうするんですか。

001181裁判所の出入り口を一般の人と別に作るとか、駐車場の出入り口を一般の車両とは別にするかとか言われていますが。

1-e1397901276348何としてもつながりをつけようとすれば、人は「草の根を分けても」探し出そうとする。出入り口対策なんか「万全」にはほど遠い。

hiyokowarai1ボク、思いつきました。裁判官が暴力団のところに出かけていって裁判員に手を出さないで下さいって要請するんです。「出前抗議」って言います。

2016051714……。

HP201642221ま、こういう話は、「裁判員に手を出したら重罰に処す」ことに向かうしかないだろうな。

hiyokosyoumen1お礼参り重罰策ですね。現在の「2年以下の懲役、20万円以下の罰金」をもっと重くすることにする。

001176装甲車に囲まれながら楽しく夕餉を囲めと言われていような感じがします。

1-e1397901276348安全対策論の大きな問題点は、一般の国民が裁判員を信頼もしていなければ評価もしていないということを当局が考えていないことだ。

hiyoko2-1と言うと。

1-e1397901276348国民の多くは裁判員なんかやりたくないと思っているだけでなく、裁判員をやる者に対して、よほど暇なやつなのだろうとか、よく人を処罰する気持ちになれるもんだとか、欲求不満でもあるのかとか、つまりあまりまともには見ていない。やらなきゃいいことをやってる奴らくらいにしか思っていない。そこには信頼感とか尊敬の気持ちとかがない。

001181確かに裁判員に対して「ご苦労さん」だとか「ありがとう」なんていう感謝の言葉はあまり聞きませんね。

1-e1397901276348戦時には「兵隊さんよありがたう」って歌があった。『朝日』が「皇軍将士に感謝の歌」を募集して1938年に佳作に選んだ歌だった。考えてみれば制度推進の先頭に立つ新聞だ。裁判員応援歌の募集を始めるかも知れん。

001177少なくとも「出前抗議」よりは現実的でしょうね。厭戦気分の高まりを懸念してそんな歌ができたのでしょうが、厭裁判員気分がかつてなく高まっている今ですから。

hiyoko2-1そんな歌があったんですか。

2016051714(話のテンポがずれてる。)

1-e1397901276348国民から信頼されていない裁判員を守るのはお上しかない。となると、裁判員に手を出す者を重く処罰するしか手立てはないだろう。

hiyoko2-1裁判員に声をかける者を処罰せよなんて世論はちっとも盛り上がりませんよね。

001177そうすると、「国民が過度の負担を感じることなく安心して裁判に参加できる」対策なんて、はっきり言えばないということに落ち着きませんか。

1-e1397901276348そう、裁判員制度をやめれば「国民が過度の負担を感じることなく安心して」生活ができる。

001181危ない事件を裁判官裁判に戻す策が再登場しそうですね。裁判員法にそのような対処を認める規定があることはこの前紹介しましたが、それをこの際もっと拡大して適用しようということになるのでは。

hiyoko2-1でも、それをやると、重大刑事事件の審理に国民を関わらせるという「制度の基本目標」の一角を最高裁・政府自身が打ち壊すのかと言われるので、進退窮まっているとか。

ヒヨコ君20160418inko、よく覚えているな、そのとおりだ。蟻の一穴とも言われている。しかし、背に腹は代えられんということだろう。

hiyoko2-1ない袖は振れぬ、ですか。

2016051714(わかっていない…。)

001181いかに指定暴力団のメンバーたちといっても、無法者の一声ふた声に最高裁が飛び出してきて、裁判の進行中にあたふた言っているという図は、暴力団をかえって励ましませんかしら。

1-e1397901276348おかしな制度はどんなきっかけでも崩れ始めるという、これは後世、語り継がれる逸話になるだろう。

hiyoko2-1で、結局今回の事件は裁判員裁判としてやり直すんですか、それとも裁判官裁判に戻すんですか。

001181公判初日が5月10日。事件発生もその日。裁判所は13日に判決延期を弁護人に連絡したっきり、今後のことをまだ何も決めていませんね。事件発生からもう45日も経過しました。一地裁の一支部の事件が最高裁の検討事項になってしまい、その結論を小倉支部の裁判官たちはぼおーっと待ってるのでしょうか。

1-e1397901276348この辺りを突っ込んで追及するジャーナリストはいないのか。

hiyokowarai1どうでしょ、『朝日』の大久保真紀さんあたりは。

1505012(フフフ。ようやくテンポが追いついてきたかな。)

 

hiyokowarai1ボクのおまけ第2弾。『朝日』が「裁判員・裁判員制度を励ます歌」を募集する前に作ってみました。「裁判員制度よありがとう」。元歌と並べてどうぞ。

♪肩を並べて兄さんと   46488811    ♪肩を並べて素人が
今日も学校へいけるのは      今日も被告を裁くのは
兵隊さんのおかげです       
裁判制度のおかげです
お国のために           お国のために
お国のために戦った        お国のために裁いた
兵隊さんのおかげです       裁判員制度のおかげです
♪夕べ楽しい御飯どき    46488811    ♪夕べ楽しい御飯どき
家内そろって語るのも       殺人事件を語るのも
兵隊さんのおかげです       裁判員制度のおかげです
お国のために           PTSDになって
お国のために傷ついた       PTSDになって傷ついた
兵隊さんのおかげです       裁判員制度のおかげです
♪淋しいけれど母さまと  46488811    ♪腹立たしくも控訴した
今日も円かに眠るのも       被告が取り下げ確定したのも
兵隊さんのおかげです       裁判員制度のおかげです
お国のために           一審だけで
お国のために戦死した       一審だけで死刑になった
兵隊さんのおかげです       裁判員制度のおかげです
明日からシナの友だちと   46488811  ♪明日から傍聴の人影に
仲良く暮らしていけるのも     怯えて暮らしていくのも
兵隊さんのおかげです       裁判員制度のおかげです
お国のために           拒否できるのに
お国のために尽くされた      拒否できるのにしなかった
兵隊さんのおかげです       裁判員制度のおかげです
♪兵隊さんよありがとう   46488811   ♪裁判員制度よありがとう
兵隊さんよありがとう       裁判員制度よありがとう
sakasama105507*この問題については、6月25日付けで猪野亨弁護士も第2弾を書かれています。
最高裁が裁判員を守れと指令を出す 公用車での送迎 後がない裁判員制度

 

投稿:2016年6月29日

工藤会声かけ事件を徹底分析する

00631100お、親分。てえへんだてえへんだ。

1-e1397901276348何だ、八。落ち着け。何がてえへんなんだ。

00631100く、工藤会の肥おけで、違った声かけで裁判員制度はガラガラっていっちまうんじゃないかってんで、町中大騒ぎでっせ。

1-e1397901276348おまえ、いくらガラッ八だって今日の言葉遣いはちょっとヘン。いや、大きく変、つまりていへんだ。少しこんがらかったな。とにかくちゃんとインコのお山の品位を守って言いなさい。

00631100はい、はじめから言い直します。「せ、先輩。大変です、大変です。工藤会の声かけ事件で制度が終わりになってしまうのではないかと、世論は今沸騰しています」。これでどちらもどっちもようござんすか。

20160418inkoうん、ガラッ八にしては上出来だ。やっと銭形から現代に移ってきたな。それにしても、相手が博徒・侠客のたぐいだからって、てめえが一気に岡っ引きの世界に飛び込んじまうってぇこともあるめえ。いや、やっぱり調子がちょっとおかしいな。

00631100はい、先輩も大変です。後輩に引きずられないように注意して下さい。

001177何をごちゃごちゃ言い合ってるんですか。早く本論に入りましょうよ。

1-e1397901276348そうだそのとおりだ。ヒヨコ君、何があったのかを落ち着いて整理して言ってみなさい。

00631100先輩こそ落ち着いて聞いて下さいね。5月30日の全国紙夕刊が初報です。福岡地裁小倉支部で進んでいた殺人未遂の裁判員裁判。被告人は指定暴力団工藤会系の組幹部(40)。その知人らしい男複数が5月12日の公判終了後、裁判所を出たところで2人の裁判員に「よろしく」と声をかけた。裁判員たちはそのようなことがあったと小倉支部に申し立てた。これが最初の報道です。

HP201642221ちょっと待て。事件発生からマスコミに知られるまでに18日も経っているとな。そりゃニュースとは言えん。知られるまでの間にいったい何があったのか。

006311000公判事件は、昨年1月に被告人が自宅で知人の男性を日本刀で刺して殺害しようとしたとして、昨年11月に起訴されていたものでした。今年5月10日に裁判が始まり、被告人は殺意を否認、12日に審理が終結し、5月16日に判決を言い渡すことになっていた。後は評議を残すだけだったというのです。裁判所は13日に判決期日を取り消し、今後の方針を最高裁と相談して決めることにしました。

001181今後の方針を最高裁と相談するって発表したんですか?

006311000いや、それはボクの想像です。でも、「制度の根幹を揺るがす」事件ですから、地裁の裁判官たちが自分たちだけで方針を決めるなんてあり得んと思います。

1-e1397901276348裁判の独立という大原則があるのだが、そんなのはどこかにすっ飛んでしまっただろうとな。うむ、前例のない事件、正確に言えば表沙汰になった事件としては前例がない。地裁の裁判官は、ていへんだていへんだってんで最高裁に伺いを立てただろうよ。出前講義ていどのことでも、どうしたらいいんでしょなんて最高裁にいちいち伺いを立ててるていたらくだからね。

006311000声かけ事件の余震は続きます。いや、それからが本震と言った方がよいのかも知れません。工藤会は全国唯一の特定危険指定暴力団、暴力団中の暴力団です。翌31日の全国紙は、どうしてこの事件が裁判員裁判になっていたのかに踏み込んでいます。

1-e1397901276348裁判員法3条は、裁判員やその家族などに危害が加えられる恐れがある場合は、裁判官だけで審理することにしなければならない(「審理することにしてもよい」ではない)と定めるが、その条件はかなり厳格で簡単には認定できないことになっている。3条1項を紹介しておこう。

地方裁判所は、前条第一項各号に掲げる事件(=裁判員裁判対象事件のこと)について、被告人の言動、被告人がその構成員である団体の主張若しくは当該団体の他の構成員の言動又は現に裁判員候補者若しくは裁判員に対する加害若しくはその告知が行われたことその他の事情により、裁判員候補者、裁判員若しくは裁判員であった者若しくはその親族若しくはこれに準ずる者の生命、身体若しくは財産に危害が加えられるおそれ又はこれらの者の生活の平穏が著しく侵害されるおそれがあり、そのため裁判員候補者又は裁判員が畏怖し、裁判員候補者の出頭を確保することが困難な状況にあり又は裁判員の職務の遂行ができずこれに代わる裁判員の選任も困難であると認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、これを裁判官の合議体で取り扱う決定をしなければならない。

00631100うへーっ、わかりにくいー。

001177工藤会系組員たちの刑事事件が裁判員裁判から外された例は福岡地裁の本庁と小倉支部を合わせてこれまで5件ありました。しかし、今回の事例は「組織性が薄い」という理由で原則どおり裁判員裁判が行われることになったようですね。

00631100「組織性が薄い」ってどういうことなんでしょうね。それに、言うまでもないことですが、裁判員裁判にするかしないかは裁判員候補者を呼び出す前に決めることですよね。その段階で組織性が薄いとか濃いとか、そういうことがどうして裁判所にわかるんでしょうか。

1-e1397901276348公判開始前に裁判所が事件に関して心証をとるのは刑事訴訟の原則に反する。絶対にしてはいけないことだ。中身がわからない段階で仕分けを求める3条は、予断排除の原則との関係でももともとおかしな規定だった。

001177国民参加を不動の大原則にしたいという「原則貫徹論」と、例外を用意した方が制度は長持ちするという「現実妥協論」がせめぎ合い、なにやらかにやらとわかりにくい条件をてんこ盛りにして例外扱いを認めることにした。けれどやっぱり事件は起きてしまったというわけです。

006311000話はさらに発展します。その後、組員たちが裁判員たちにかけた具体的な言葉が報道されました。小倉支部に近いバス停付近などで、「あんたたち、裁判員の人やろ。顔覚えとるけんね」「(被告人は自分の)友だちやけん、よろしく」というような言葉をかけたというのです。

0063110006月9日、小倉支部は、最高裁と協議の上(これもボクの想像です)、元工藤会系組員と被告人の同級生(幼なじみという報道もある)の2人を福岡県警小倉北署に告発し、告発状が受理されました。5月13日に判決期日を取り消したっきり、改めて判決期日を決めるでもなく、裁判官裁判にすると決めるでもなく、1か月近く過ごして、この日やっとこの2人を告発したのでした。

001181でも、小倉支部はどうして告発状を書くことができたんでしょうか。声かけの事実をいつどこで確認したのか。また、声かけした2人はどうして特定できたのでしょう。元工藤会系組員と被告人の同級生の2人ということを裁判所はどうしてわかったのか、そこら辺のことはマスコミは何も報道しません。追跡もしていないのでしょうか。

1-e1397901276348それに関して言えば、告発については、裁判所と検察庁と県警が何度も集まってしっかり相談しているに違いない。裁判官「詳しい経過を教えて下さい」。県警「捜査した結果、2人というのは元工藤会系組員と被告人の同級生ということがわかりました。防犯カメラに写っとりましたし、リストもあります。いろいろ聞き込みもしましたんで」。検察官「検察も確認しています」。裁判官「なるほど、そういうことなんですね。ご苦労様でした」…。ま、そんな感じだろう。

001177告発状が提出されてすぐ受理されたそうですね。

1-e1397901276348それこそ出来レースっていうことさ。よほど意思疎通ができていないと、直ちに受理したりしない。

006311000それも最高裁の指導のもとにでしょうね。想像ですけど…。

1-e1397901276348もちろん、そうだろう。

006311000この間、事態はどんどん深刻化していました。5月30日には新たに2人の裁判員が辞任を申し出た。また、補充裁判員1人が新たに辞任を申し出て、この人たちも次々解任されています(『読売』6月9日によれば、裁判員4人の解任は6月7日付けだという)。

001177補充裁判員の辞任の時期がはっきりしていませんね。

006311000さてここで問題です。もともとは裁判員は6人で補充裁判員は2人です。まず、声かけされた2人の裁判員が辞めたいと言いました。それから裁判員2人と補充の1人が消えました。残ったのは何人でしょう、

1-e1397901276348自分で言え、自分で。

00631100い、裁判員2人と補充員1人ですね。補充員が昇格して正裁判員になっても6人には3人足りません。猿の毛が3本足りないのなら、まぁいいかですみますが、裁判員の3人が不足すると、まぁいいかでではすみません。

20160418inkoなんだか全体にうれしそうに言うな、今日のきみは。

006311000これがうれしくなくて何をうれしがりますか。裁判所は残った裁判員たちに「皆さんちょっと待っててね」とお願いして不足の裁判員たちを集め直すか、もはやこれまでとあきらめて裁判官裁判に変更するか決めなきゃなりませんね。

1-e1397901276348そうだ。まっ、今残っている3人だっていつ辞任の申し出をするかわからない。いや、今日あたり辞任届けを出しているかも知れん。

006311000「自分は最後までやります」っていう裁判員や補充裁判員がいたら、どうするんでしょうか、裁判所は。裁判官裁判に変えたくても変えられませんね。

20160201裁判員でも補充員でもやめたくてしょうがない状況だろうから、そんな心配は無用のような気がするが、今時の裁判員には確かに変わり者もいる。皮肉な話だが、裁判所は暴力団の怖さを必死に訴えて裁判員の士気を阻喪させる努力をしなければなるまい。最悪、そこまで偏執的に裁判に関わりたいと思う者は公正な裁判をしない恐れがある者として、首を切るしかないかも知れんな。

006311000さぁ、これからどうなるのかと興味津々で見ていたら、6月17日から18日にかけ、4段抜き見出しの報道が流れました。余震ではありません、しっかり本震です。裁判員に声をかけた男たちが裁判員法違反の疑いで逮捕されたと言うんです。

HP201642221そう来たか。とりあえず、裁判員法106条1項(裁判員等に対する請託罪)と107条1項(裁判員等に対する威迫罪)を紹介しておこう。

106条1項 法令の定める手続により行う場合を除き、裁判員又は補充裁判員に対し、その職務に関し、請託をした者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
107条1項 被告事件に関し、当該被告事件の審判に係る職務を行う裁判員若しくは補充裁判員若しくはこれらの職にあった者又はその親族に対し、面会、文書の送付、電話をかけることその他のいかなる方法をもってするかを問わず、威迫の行為をした者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

001177請託というのは依頼すること、威迫というのは言語・動作・態度を問わず気勢を示し相手を不安・困惑に陥れることですね。この男たちは、17日に逮捕されました。裁判員法違反の逮捕例はこれまでにありませんでしたから、列島に激震が走りましたね。不出頭の裁判員候補者が逮捕されたのかと思った方もけっこういたようです。

20160418inko「根岸の里のわび住まい、それにつけても制度は不人気」なんてね。裁判員裁判が救いようのないほど不人気なので、どんな報道でも裁判員裁判イヤの気分を高めるきっかけになってしまう。どんなへたくそな短歌でも最後に「それにつけても制度は不人気」をつければ歌として格好がつくことになった。

006311000後追い報道によれば、裁判員たちに声をかけたのは、実は結審の日ではなく第1回公判期日の10日で、2人のうち組員は「あんたら裁判員やろ」「顔は覚えとるけんね」「よろしくね」と言い、同級生は「もうある程度刑は決まっとるやろ」と言ったという話になりました(『読売』6月18日)。

001177逮捕報道で、マスコミは一斉に「裁判員たちの安全確保を」「再発防止策の策定を」の論調で走り始めました。

1-e1397901276348ばかばかしい限りだな。安全を確保し安心して裁判所にきてもらおうって言ったって、どうすれば安全・安心になるのか言ってみろってんだ。裁判は公開されているから席が空いていさえすれば誰でも傍聴席に座れる。飲食店のように「暴力団お断り」のステッカーを法廷の扉に貼ることはできない。そのため裁判員のご面相は完全に公開され、誰でもじろじろ見られることになっている。顔を見られるのを避ける決定的な方法は裁判員にならないことなのだ。

006311000被告人に重罰を課さないでほしいとか、無罪判決を出してほしいという思いを募らせるのは、暴力団員に限りませんよね。昨年、東京地裁では、危険運転致死罪などに問われた事件で、被告人と関係のない傍聴人が被告人に同情して裁判員に声をかけています。つまり、安全確保なんていくら考えたって大丈夫という策はないということじゃないですか。

1-e1397901276348そのとおりだ。

001177最高裁の意識調査の結果でも、47%の市民が逆恨みされ自分の安全が脅かされるのではないとかと不安を訴えています。

1-e1397901276348まだまだ激震が続くだろう。今回の組員や同級生に対する刑事責任追及の裁判が始まれば、これでは請託があったとは言えないとか、威迫にあたる具体的な行動はなかったなどという反論が出てくる可能性も十分ある。

0011772人の裁判員は男たちに声をかけられたことを裁判所に告げ口したのですから、この人たちは顔を覚えている組員や同級生などからその分なお恨まれている可能性もありますよね。

1-e1397901276348そうだ。また、そういういう具体的な懸念のほかにも考えねばならないことがある。裁判所が裁判員裁判をやり直すことにしたらどうなるか。これから小倉支部から呼び出しを受ける殺人未遂の事件の裁判員候補者は、この事件のやり直しのために自分を呼び出したのだろうとすぐに推測するから出頭率はひどい低さになるだろう。総スカンかも知れん。

006311000裁判官裁判として出直すとしたらどうなるでしょうか。

1-e1397901276348今後は暴力団関係の事件は裁判員裁判にしないというルールが事実上確定するだろう。

006311000それって裁判員制度の自壊ではないでしょうか。

1-e1397901276348完全に自壊だ。推進派はそのことを一番懸念している。6月8日の『読売』社説は、「制度の根幹が揺らぎかねない」のタイトルで、再発防止を徹底しなければ裁判員を敬遠する傾向がさらに強まってしまうと警鐘を鳴らし、6月18日の同紙は、「同様の事態が続けば裁判員制度は立ちゆかない」という最高検幹部の言葉を紹介している。最高裁はいよいよ最後の局面に追い込まれた。

001177裁判員裁判に関わる皆様方にインコさんからひと言お願いします。

1-e1397901276348まず、裁判官に対して言おう。裁判員や補充裁判員には裁判所と自宅の行き帰りに毎日付き添ってあげなさい。裁判官は3人しかいないって? ピストン輸送だ。その間待たせる皆さんには我が国の司法の正統性に関する本なんかを読んでいてもらう。そういう時間も国民教育の貴重な時間と考えて有効活用をするのだ。待てないと言う人たちはどうするのかって? 簡単だ。正当な理由のない待機拒否は処罰すればよい。

1-e1397901276348次に検察官に対して言う。警察を指導して自宅と裁判所の行き帰りを守って上げなさい。裁判官が付きそい、警察検察が運んであげれば裁判員の安全はとりあえず万全だ。パトカーがサイレンを鳴らして先導すると裁判員たちはけっこう喜ぶ。最近はそういう傾向の人たちが裁判員になりがちなのだ。パトカーへの試乗などの企画もオプションでつければなおよいだろう。

1-e1397901276348最後に弁護人や被告人に対して。被告人の関係者が裁判員に請託をしたり威迫したりすることのないようしつこく注意して下さい。被告人もご友人もひたすら裁判員たちのご面相を覚えておけばよいのです。声かけなんかするからやばいことになっちゃうんです。みんなでしっかり裁判員たちを睨む。こういう判決を書けと念力で要求する。そして、草の根分けてもおまえを捜し出すぞってメッセージを目力(めぢから)で送る。それだけで裁判員たちは十分感じます。何をされるかわからない恐怖。それでよいのです。

001181皆さん、そんな面倒なこととてもやってられないっておっしゃってますけど。

1-e1397901276348そうか、本当にそうか。それなら裁判員制度はやめにしよう、と言うだけよ。これこそが一番簡単で究極の市民安全対策なのだから。

006311000潮が引くようにこの制度からみんなが離れてゆく状態の中で、今回の声かけ事件はその勢いを一気に強めそうだということや、その辺りの危険を最高裁がいかに感じているかがわかってきました。やっぱり、ていへんだていへんだってことですね。

001177声かけから40日を過ぎたというのに、小倉支部はまだ今後の審理方針を発表していません。裁判所内部がよほど大論議になっていることを推測させます。この話については、またコメントをすることになりそうですね。皆さん、お・た・の・し・み・に。

 

006311000親分が言うにゃ、どんなへたくそな短歌でも最後に「それにつけても制度は不人気」をつければ歌として格好がつくことになるんなら、名歌の「下の句を 差し替えみれば いかがなる それにつけても制度は不人気」ってんで、百人一首夏の歌をおまけでっせ。

春過ぎて 夏来にけらし 白妙の それにつけても制度は不人気

夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを それにつけても制度は不人気

ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば それにつけても制度は不人気

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投稿:2016年6月21日

公正な裁判という名のもとで裁判の公正が害されかねない 

裁判員への声掛け問題

弁護士 猪野亨

下記は「弁護士 猪野亨のブログ」6月11 日の記事です。
猪野弁護士のご了解の下、転載しております。

 特定危険指定暴力団の組員による裁判員への声掛け問題は、地裁によって告発されるまでに至りました。
この問題は、起訴された組員を裁く裁判員裁判の裁判員に対し、審理終結後に、声を掛けたというものです。
裁判員に「よろしく」は裁判員への危害? 裁判員制度の制度設計こそ問題がある

その後の報道では、「顔を覚えとるけんね」ということも言われていたということで、確かに恐ろしいといえます。
その後、4人の裁判員が「辞任」しています(裁判長による解任)。

 暴力団組員であることを誇示しての接触であれば、裁判員ではなくても裁判官であっても問題は残りますが、ただ裁判員だったからこそ声を掛けたのでしょう。裁判官にそのような「声掛け」をしても通用しないのは分かり切っているからです。

 とはいえ、この「声掛け」も非常に微妙な問題を含みます。
裁判官の職務については独立が憲法上、規定されていますが、他方で、国民は主権者として裁判を批判する自由があります。特に刑事裁判であれば、無罪の者を罰してはならないということは当然の前提として、国家による弾圧的な事件も未だに続いているわけです(注:すべてが裁判員裁判の対象という趣旨ではありません)。
松川事件がその典型だったわけですが、このような中で、裁判員に接触してはならないなどした場合、裁判所前での抗議活動、ビラ配布すらできないことになりかねません。

 朝日新聞が報じたところでは、昨年9月にも傍聴していた男性が裁判員に声を掛けるという事件があったということでした。
裁判員に声かけ、東京でも 法廷外で「被告かわいそう」」(朝日新聞2016年6月11日)

 この時も東京地裁は告発を考えたそうですが、裁判員が事情聴取を受けることに難色を示し、見送ったということですが、これで刑罰を科せられるということになると非常に恐ろしいと言わざるを得ません。
公務員に対する嘆願、請願なども国民の権利ですし、批判する自由も当然の権利なのですが、これが一切、封印されるということです。
裁判所前で抗議のためにハンドマイクで裁判員に呼び掛けたら犯罪、ビラを配布して裁判員が受け取ったら犯罪、ということになりかねないわけです。

 しかも、これだけ裁判員による裁判の公正が害されるとするならば、逆に、批判を許さないということで本当にそれが公正なのですか、ということです。
裁判員裁判は、様々な歪みが露呈しています。
裁判員を守れ、では解決されるような問題ではありません。
マスコミの論調はこの問題を放置すればますます裁判員の引き受け手がいなくなるということを危惧しているようですが、それ自体は、その通りですが、現実には、このような事件がなかったとしても裁判員になることへの拒否状況に変化はなく、もはや手遅れです。
裁判員候補者の無断欠席が増加中 今に始まったことではない

 マスコミであれば、このような裁判員さまさまの問題提起ではなく、司法のあり方が問われているという観点から報じるべきです。
裁判員を守るために裁判の公正さが害される、問題はここにあります。463721

 

 

 

 

投稿:2016年6月14日

裁判員裁判の有罪判決を破棄し、高裁判決の無罪判決が確定

不十分な審理は裁判員への遠慮がなかったか

弁護士 猪野亨

下記は「弁護士 猪野亨のブログ」6月1 日の記事です。
猪野弁護士のご了解の下、転載しております。

長野県松本市で2014年4月に起きた事件ですが、祖母と弟を殺害したとして男性が殺人罪で起訴されました。

一審の長野地裁の裁判員裁判では懲役8年としましたが、2人に対する殺人ですから心神耗弱は認めています。
しかし、東京高裁は、「妄想の影響をうかがわせる事情が多数あるのに、適切に考慮しなかった」2016年5月11日、被告人の心神喪失を認め、無罪判決を下しました。
日経新聞の記事ですが、「一審の裁判員裁判では責任能力の有無が争われず、14年12月の一審判決は、精神障害によって心神耗弱だったとして限定的な責任能力を認めた。」(日経新聞2016年5月12日)となっています。
朝日新聞の記事では、「一審では被告が心神喪失状態であったことを弁護側が主張せず」(朝日新聞2016年5月11日)とあります。
むしろ、一審の弁護人が争わなかったということが解せないということになります。

 それはさておき裁判員裁判では、結論(判決)において心神喪失は認めなかったということになります。
しかし、東京高裁の結論は心神喪失を認め、無罪としたものです。
検察側も上告せず、2016年5月26日に無罪判決は確定しました。

 裁判員裁判において、例え弁護人が争わなかったとしても裁判所は本来、被告人に対する後見的な見地からも無罪の被告人を処罰してはならない職責を負っています。
それは三権分立という司法権が行政権を抑制するという根本的な原理から導かれます。公判前整理手続で争点化されていなかったとしても、実際の審理過程で心神喪失の疑いが出てくれば裁判所は公判を中断し、期日間整理に戻すことも必要です。しかし、それはなされていません。
その意味では不十分な審理のまま有罪判決が下され、それが高裁で破棄されたことになります。
この問題は職業裁判官のみであれば、途中で審理を中断したのではないかという見方もできるのではないかと思います。期日間整理をやり直すというのは、あまり例がないようです(ないわけではない)。それは、仮に実行するとなると、裁判員の都合にもよりますが、恐らく一定期間、空けることになりますから解任の上、選任し直しということになるからです。
そうなると裁判長としても決断しにくいということになるのではないでしょうか。
ある意味では裁判員制度に内在する問題とも言えます。
裁判員制度では控訴審の在り方に異議? 裁判員ってそこまで偉いんだろうか

 公判前整理手続が長期化していることも問題とされていますが、根本的にはそこで絞った争点に審理が拘束される、身動きが取れなくなるという問題に帰着しますが、それは何と言っても裁判員を確保するという都合から来たものということは忘れてはなりません。
審理の充実と裁判員の都合が天秤に掛けられた、そのような構図なのです。

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投稿:2016年6月4日

裁判員に「よろしく」は裁判員への危害? 

裁判員制度の制度設計こそ問題がある

弁護士 猪野亨

下記は「弁護士 猪野亨のブログ」5月31 日の記事です。
猪野弁護士のご了解の下、転載しております。

裁判員裁判に異例の事態が起きました。裁判員裁判が結審し、裁判を終えた裁判員が裁判所庁舎を出たところ、被告人(工藤組)の関係者から「(被告を)よろしく」と声を掛けられ、その結果、裁判所は判決期日を取り消したというものです。

参照
元裁判官「裁判員の安全確保が急務」…組幹部知人が「よろしく」と声かけ」(弁護士ドットコム)

 裁判員法では、裁判員に接触することを禁止していますが、裁判員を守るため、さらに裁判の公平を守るために禁止されています。
しかし、もともと、この規定には無理がありました。裁判員を守ると言ってみたところで、何から守るのでしょう。殺傷の対象になるというのでしょうか。
確かに、今回の「よろしく」は圧力には感じるでしょうが、生命身体の危険が及ぶことは考えにくいものです。
むしろ、これだけで結論が左右してしまうというのであれば、そもそも裁判員裁判には公平性に問題があると言わざるを得ません。

 裁判官裁判のときは、そのような圧力が加えられた事件といえば、オウム真理教による長野地裁松本支部で裁判所の官舎を狙ったサリン事件くらいです。
本来、大きな事件では、裁判官に対し、裁判所の外でもビラ配布などで訴えかける、批判するというのは普通に行われており、表現の自由として当然に保障されているものです。
裁判官といえども国家権力の行使の主体ですから、国民からの批判の対象になるのは当然なのです。
憲法上、裁判の公開が定められているのも主権者たる国民が裁判権の行使に対する批判の自由を確保するためです。
有名なところでは松川裁判です。1949年、国鉄労働組合などを弾圧するための謀略事件が起き、20名が起訴され、福島地裁では5人の死刑判決を含む全員が有罪、1963年に最高裁が無罪判決となりましたが、全国でこの松川裁判に対する批判が巻き起こりました。この全国に拡がった裁判批判こそ最高裁での高裁判決の破棄差し戻し(1959年)につながったものです。
裁判所に対する批判を認めることは極めて重要なことなのです。
ところが裁判員制度は、裁判員に対する批判を一切、許さないという制度設計になっています。
制度設計からして問題があるのです。
暴力団関係者だから、今回のような「よろしく」などという掛け声をやってのけたのでしょうが、本来的に批判はおろか接触すらも許さないというのは問題があります。
以前、地裁内の喫煙所で弁護人が裁判員に話し掛けたことすらも問題とされ、読売新聞の記者が裁判員に接触したことも読売新聞社をして謝罪をしたということもありました。
特にマスコミが接触すること自体も禁止することは報道の自由の観点からも非常に問題があります。

 身の安全と言ってみたところで暴力団関係事件、オウム真理教のような事件を対象から外せば済むというものでもありません(現行法上、このような場合には職権で対象から外すことができます。)。
かつて被告人の中には、裁判員に対して覚えていろと暴言を吐いた者もいました。
むしろ、暴力団関係者よりも怖さを感じます。異様に粘着質の被告人であれば、職業裁判官とて怖いでしょう。
マスコミは今回の件で、裁判員の安全についての主張を展開していますが、このような問題が起きれば、ますます裁判員離れに拍車が掛かります。
裁判員候補者の無断欠席が増加中 今に始まったことではない

もともと無理がある制度であるということを自覚してもらわなければ困ります。手直し程度のことでこの欠陥は何とかすることはできないということです。

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投稿:2016年6月4日