~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
裁判が終わった後、近くの福島県弁護士会の会館に場所を移して、記者会見が始まりました。Aさん、Aさんのご夫君、原告代理人の織田信夫弁護士及び佐久間敬子弁護士(お二人とも仙台弁護士会所属)が並ばれました。
提訴した国賠訴訟のサマリー、Aさんの意見書、日本国憲法の全文など関係資料が丁寧に用意されいて記者たちに配付されました。参加した記者は30人近く、部屋に入れない人が廊下で聞くという関心の強さ。インコも記者に負けじと必死で取材。
記者会見の場でのAさんの言葉は、みなさんの質問に答える形になっただけに、一層、深く聞く人の心を捉えるものになっていました。
読売新聞:名前を名乗って提訴まで決意された理由を聞かせてください。
Aさん:つらい思いをするのは、自分を最後にしてほしいという思いで裁判を起こしました。私の平穏な生活は、裁判員裁判で打ち壊されました。そのことを広く訴えたいのです。訴えを起こすこと自体、とても負担なことですが、深く考えて決断をしました。 苦しいことを苦しいと自ら話し、発信していきたいということです。
共同通信:陳述を一部読み上げられませんでしたが。
Aさん:………読めませんでした。読もうとするとそれだけで吐いてしまうのです。またここで、改めて過酷な体験をしなければならないと思うと………。読めるところだけ読みました。私はよくわからないまま酷く辛い体験をしてしまいました。とんでもないことをしてしまったと思っています。これが苦役でないとするのならば、一体何が苦役なのでしょうか。
フジテレビ:お名前を公表されたその理由を教えてください。
Aさん:私は、悪いことをした訳ではありません。判決を言い渡した後の記者会見の時も、自分が苦しかったことを分かってもらいたいと思って発言しました。国を訴えるとはと、驚かれているのでしょうか。私は、何も悪いことをしていないのですから、隠すことはないと思います。
フジテレビ:その思いは裁判官に伝わったと思われますか。
Aさん:私は、裁判官を信用していませんので、よくわかりません。
織田弁護士:裁判員制度を裁判所を進めている。その裁判所でやる賠償請求の裁判です。
Aさん:裁判所は信頼できないです。
朝日新聞:7月、東京地裁の裁判官たちが裁判員に事件の内容を紹介して、やりたくない人には辞退させるようにとの方針を提案したニュースがありますが。
織田弁護士:自由に辞退を認めたら、裁判員制度は存立し得ないことになるでしょう。
フジテレビ:裁判員裁判を体験して辛い思いをしたと。同じ裁判所に来て率直なところ、心に浮かんだことはどういうことでしたか。
Aさん:………あなただったらどう思われますか。
フジテレビ:経験していないので。
Aさん:そうでしょう。経験しないとこのつらさはわからないでしょう。
福島民友:検察官の裁判の進め方、立証の手段・方法に問題があるということではないと今日の法廷で言われたが。
織田弁護士:そのとおりです。個別のやり方の問題を批判しているのではなく、制度そのものを問題にしているのです。
福島テレビ:国の答弁の内容が法廷でははっきりしなかったので、紹介していただけますか。
織田弁護士:何点かの反論の柱がありますが、第1に主張していることは、裁判員法は国会で十分審議されたということでした。これは全く事実に反することで、全面的に反論していくつもりです。
福島民報:国は、裁判員制度が憲法18条の苦役に当たるという原告の主張に真っ向から反論しているようですが、これについてはどのようにお考えですか。
Aさん:裁判員は、どんなに苦しいことをやらされるものなのか、そのことはやらないとわからないと思います。被告人にどのような刑を言い渡すのかを決めるということは、本当につらいことです。あなたにはできますか。
(ここで会館使用時間が来て残った記者は個別取材で彼女を囲みました)
*次回口頭弁論は12月10日15時(午後3時)からです。多くの方に傍聴していただきたいと思います。
投稿:2013年10月9日