~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
ダブルゼットは終わりの終わり、おわり名古屋の金のしゃちほこよ。
インコさんは相変わらずしょーもないことを。つまり、最高裁の刑事局長がこの6月17日、全国の地方裁判所に「裁判員勧誘の広報活動を強めろ」と指示していたの。そのことがようやく8月29日になってメディアに伝わったってわけ。
湯水のようにお金を使い、制度の広告宣伝に女優まで使ってメディアを動員していた最高裁が、今度は国民に直接呼びかけもせず、地裁に指示したことさえメディアに知らせなかった。2か月以上の密行の暴露。
どうしたもこうしたもない。恥ずかしくて堂々と言えないからさ。いや、正確に言えば恥ずかしいなんてもんでもない。ここで大げさにプレスリリースしてごらん。またまた「反裁判員勢力」から激しく叩かれるし、当の国民からもいい加減にしろと批判される。言うに言えず、語るに語れずという自縛状態に追い込まれているのさ。
まぁまぁ、落ち着いて聞いてくれ。6月17日付けの刑事局長の通達だ。
「通達」とはつまり部下に対する命令。「裁判員制度を安定的に運用し、着実に根付かせていくためには、裁判所が引き続き国民の理解と支持を得ることが必要。裁判所からの情報発信や地域住民の意識・動向の把握など息の長い取り組みを」とある。
そうさ。最高裁語は国民には理解できない。最高裁は裁判所部内でしか通用しない言葉つまり隠語と符丁で連絡しているのだ。
つまりこういうことだ。「裁判員制度はもう不安定なんてもんじゃない、明日も知れない立ち枯れ状態というか根腐れ状態、ダウン寸前のフラフラになってしまった」と、まずここから始まる。「こうなってしまった以上は、『いつか来た道恥さらし』なんて能書き並べていないで、引き続き(=つまり、またぞろ)サクラでもヤラセでもいいからやりまくれ」と言い進む。
タウンミーティングのやらせで「最高裁のサクラは2月に咲いた」といわれたんでしたっけ。今度は何月に咲かせるんすかね。
こうも言っている。「裁判所発の宣伝文書を飽かずたくさん作れ。こういう時期だ、金に糸目はつけない。そう金目ということだ」「町内会や商店会にもちゃんと顔を出せ。意識と動向の把握なんて探偵のようなことできない? なに言ってるんだアホウめが。合議の時だって裁判員の意識と動向を把握せよってあれほど言ってるじゃないか、同じことだ」
まだ続く。「最高裁長官どの、刑事局長どの、私はもう疲れました、制度も私ももう息もたえだえですって? 何という恐ろしいことを言う。どんなにそうであっても口にしてはいけない台詞ってものがある。今は戦時なんだぞ。なんつったっけほらわが宰相のひきつった顔、あれを思い起こせ」。これで説明注釈、終わり。
ホントもホント、疑っていたら『キミはなんにも富士のしらゆき』なんて言われるぞ。いいかい、通達には「裁判員広報実施要領」といういかにも役所風の指示がくっついてるんだ。
まあ、そう言わず聞き耳を立ててくれ。次のような要領でなんと「出前講義」をやれと言ってるんだ。
ア ホームページで「出前講義」への参加者を募集する。
イ 教育委員会や商工会議所、地元企業などの団体に「出前講義」を売り込む。
ウ 裁判員裁判の中で裁判員たちに「出前講義」への参加を呼びかける。
えっ。裁判官たちに「出前講義」へ行けと命じただけじゃなくて、裁判員裁判の中で裁判員たちに「出前講義」に同席してくれと頼めと命じたんですか。
そうさ。裁判官たちは、公判の準備や公判審理の責任を負うだけでなく、その営業活動も進んでやらなければならないことになった。
そう言えば、裁判員裁判が終わってから1か月くらいしたら、事件を担当した裁判官は裁判員に連絡して「PTSDにかかっていませんか」などと聞けなんていうしょうもない方針が最高裁が出していたけれど、あれはどうなったんでしょうね。
もし、それもやらされこれもやらされるとしたら、現場の裁判官の肉体的・精神的疲労はもう極限のはずだ。これからはその対策も考えなければならなくなる。
つまり、その対応の責任を負わされる別の裁判官たち、そしてその裁判官たちの苦労を支える別の…、そして…。
裁判員の方に話を戻そう。裁判員になるのをいやがる人はもう「この上」がないくらい多くなっている。この国の宰相がお好きな言葉「この国の津々浦々」「この国の隅々」には景気浮揚のかけらも見えないけれど、この国のどこの役所や公共施設や学校にも裁判員制度の宣伝広告ポスターがよく見えるところにしっかり張られている。
そのおかけで裁判員制度を知り、そしてそのおかげで裁判員制度がいやになった国民がもうごまんといますけどね。
その彼らを相手にしなければならないのだ。教育委員会や商工会議所や地元企業などに「出前講義」を売り込むことがいったい何の対策になるのか。このアホらしさには評する言葉もないね。
そういえば、以前、インコさんも参加したあの集会。「裁判員制度を考える会」なんてあいまいな名前だったから、制度推進の集会と思われて参加者が数えるほどしか集まらなかったってことがあったわね。後から「はっきり反対集会って打ち出せばよかった」って主催した町内会長がぼやいていたわね。
何事も最高裁のお先棒担ぎをする東京地裁は早くも8月から「出前講義」の宣伝を始めている。裁判員の勤め先などに出かけて行くと言うのだが、どれだけの裁判員経験者やその勤め先が喜んで裁判官を招待してくれるか。
これもちゃらちゃら最高裁について行きたがる大阪地裁も裁判官の訪問先をホームページで募集し始めてますよ。「裁判員制度出張説明会」と称し、「費用等は一切いただきません」と書き、「裁判員制度のポイント解説」と「裁判員制度の現在の状況に関する説明」と「裁判員制度に関する座談会と質疑応答」を1時間程度でやるというんですって。チラシには「まいど! 裁判所です」ってある。
しょーもな。その時間でどれだけの「説得効果」を望めると思っているのかということも気になるけど、それ以上に気になることを言えば、経営者の素直な感覚としては、違法残業が裁判官に摘発されないかとか、退職肩たたきが裁判官にばれないかとか、裁判官のご来臨となれば余計な心配の方が先に立つだろうよ。
まったく。それに年々、あっと驚くような駆け足で裁判員候補者の出頭率が減っていますし。
もう候補者名簿に掲載された候補者の4分の3は出頭しない状態になっている。それこそ秋の日のつるべ落としの風情だ。何年も前からその傾向をインコは指摘してきたが、竹崎前最高裁長官は公の場ではその傾向を決して問題視せず、制度は基本的に順調などとうそぶいていた。
でも、今年4月新任の寺田長官は、とどまる気配を見せない出頭率減少の傾向を前に、なりふり構わず対策を立てることに方針変更をしたのね。
そこでかけた号令が制度実施前にもやった「出前講義」の再施行だった。なんとも言いようのないトホホの世界だ。ま、断末魔の風景とはこういうものだということを肝に銘じてよく見ておこうじゃないか。
投稿:2014年9月6日