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追撃!「候補者名簿記載通知」ー調査票ー

第3弾は、候補者名簿記載通知に同封されている悪名高い「調査票」です。~1

調査票は、A3横置き2つ折り4頁構成です。開けば左が4頁、右が1頁。裏側の左が2頁、右が3頁。1頁と2頁が調査票の書き方の説明で、3頁と4頁が調査票。真ん中で切り取って3頁と4頁の裏表を返送させる仕組みになっています。

ところで、この「調査票」は最高裁が勝手にはじめた個人情報把握のシステムだっていうことをご存じですか? 地裁の事務手続きの手助けだなんて強弁していますが、法的根拠もなく国民を「調査」するというのですから恐れ入谷の鬼子母神。しかも調査票の発送・集約・整理・報告のすべてをトッパン・フォームズだの共同印刷だのに丸投げしているのですからビックリ下谷の広徳寺。

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では、実際の「調査票」を見ながら、全ポイントを完全解説していきます。赤線と赤数字はインコが入れました。赤数字が説明文頭の数字と対応しています。

まず、①頁です。

宛名訂正

 

 ここにバーコードが入っています。「共通番号(マイナンバー)制度」の先取りですね。

 「抽選の結果に基づいて名簿に記載されました」とあるけど、いつどこでだれがどんな「抽選」をしたのか。どうやって選んだのか「お知らせ」したらどうですか?! それに「記載された」んじゃなくて、「記載した」んだよね! 取り澄ました「現代の赤紙」~3

 「現段階では名簿に記載されただけ」。今は来なくてよいっていうのは、しばらくしたら呼び出すぞってことですよね。動員予告で早々と待機モードに追い込む悪辣不穏の仕掛け。

 最高裁の名前で届いた通知に書いてある「裁判員候補者専用コールセンター」だから当然、裁判所の職員が対応するのだろうと思ったら大間違い。最高裁が委託した民間のオペレータが出てくる。個人情報が管理されて「徴兵」逃れがチェックされ、どこかに通報されるのがオチだろうね。

 「刑事訟廷裁判員係」だったり、「刑事訟廷事務室 裁判員係」だったり、「刑事訟廷事務室裁判員係」だったりと、ぐらぐらの制度にふさわしく、担当係もぐらぐらと定まりませぬ。

つぎに、②頁。

調査票2訂正

 

 「裁判員候補者の方の事情を早期に把握するため」とか言い訳しても、調査票は最高裁が勝手にはじめた個人情報把握システム以外のなにものでもない。個々の事情を考えるなら、呼び出さないのが一番。
「なぜ見ぬか 民の竈に立つ煙 余りし余裕 どこにかあらん」

7 建前としては「明らかに辞退が認められる場合」なんてほとんどない。だいたい、「場合等」ってなに? 「明らかに」という制限語と「等」という拡張語は結びつかない。「明らかに辞退が認められる場合」という規定が実際問題としてはもう崩壊していることがこんなところにも見えてくる。

 以前は「できる限りA4サイズ」なんて言ってなかったけれど。送り方までうるさく言うのはいかにもお役所風だ。

 何度も言うけど電話に出てくれるのは民間企業のオペレータです。一番他人に知られたくない悩み事をなんでも話してね!

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 「やめさせてほしい」といくら言われても返事はしないと言う。どんなにやりたくないと言ってもその訴えを認めてやるかどうかについて、最高裁は教えてくれないよん。「お前たちはハ・ダ・カ、俺たちの方針はヒ・ミ・ツ」

11 はあ~? 「はい、そうですか。それは安心」とだれが信用するか? 警察が嘘の調書を作り、検察が証拠を偽造し、役所が個人情報をだだ漏れさせている時代ですよ。それも今に始まったこっちゃないけどね。

12 2009年は、「東日本大震災の被害を受けられた皆さまへ」という文章があり、「心からお見舞い申し上げます。今後、実際の事件で裁判員に選ばれた際に改めてうかがいます」と言っていた。19-hけれど1年でそのお見舞いはなくなった。大震災も原発事故も過去の話というのが彼らの本音。もっとも最初から大震災の被害者のことなんて、てんで頭になかったのが最高裁。そうでなきゃ3月11日の大震災からたった2週間しか経っていない25日に、「3月28日から被災地でも裁判員裁判を再開せよ」なんて号令なんかかけられなかったよね。

ここから、③頁

調査票3訂正

 

13 返送期限【必着】だとさ。一般社会ではこちらの都合で相手方に面倒をかけるときには「お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」とか言うんだよ。

14 秘だってさ。「お前たちは秘密を守れ」と言っているのか、「最高裁は秘密を守ります」と言っているのか、どっちなんですかね?

15 当初は、ここに「提出されたデータは裁判の資料に使う」って書いてあったけど、少し前から「以下の事由にあてはまらなければ提出の必要なし」になったよ。辞退できる理由がある者などだけに提出を求め、辞退を求めない者をなるだけ増やそうとした。年々の不出頭増加に焦る最高裁の動揺ぶりがこんなところにも出ている。

16 年齢? ちゃんと把握済みだから証明はいらないよん。

17 「資料不要」? そんな資料もともとありゃせんがな。「去年、裁判員を務めたことを証明して」と裁判所に申請してごらん。必ず断られる。たくさんの国民が「もう裁判員をやった」とウソをついていることも覚えておきましょう!

18 1年間を通じて「重い病気やケガで裁判参加が困難」で、しかも簡易に診断書を手に入ることができなければ良いんです! 現在の症状の書き方は工夫のしどころ。できるだけリアルに書きましょう。「公判期日接近性強迫神経症」とか「裁判所移動性高血圧」とか…

19 ア~ツの職業の人は「なることができなせん」とあるけど、インコが分類すると、裁判員に「ならなくて良い人たち」と「なることができない人たち」になるね。
 ならなくて良い人たちは、国会議員、国務大臣、国の行政機関の幹部職員の中でも高級幹部、法務省の職員、裁判官及び元裁判官、検察官及び元検察官、裁判所の職員、都道府県知事及び市町村の長など。
 なることができない人たちは、弁護士及び元弁護士、弁理士、司法書士、大学・大学院の法律学の教授及び准教授、司法修習生など。
つまり、権力により近い人たちはならなくても良くて、法律知識を持っている人たちはなれないってこと。

ここから、④頁

調査票4

 

20 裁判員をやれない月を2つしか言わせない。1月「仕事上の事情」、2月「重要な用事・予定」で辞退希望なら3月は「出産予定」でも辞退希望は書けないんだよ。1月に出産して2月は育児だったら3月からは子どもを放っておけってさ。非情というか残酷というか…。

21 理由は「仕事上の事情」から「育児」までの6つ以外は認めない。やりたくないなんて書いても全然ダメ。普通のアンケート調査ならほとんどが最後にその他の項目があるのに、そんな項目は絶対に作らないとはさすが最高裁。

22 「具体的事情」って最高度の個人情報だけどね。それをきちんと書かないとその言い分を信用しないぞってか。ヒヒヒ


 

投稿:2014年12月30日