~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
11月14日の福岡、街頭宣伝、博多にわかときて、いよいよ集会報告ですか。僕、福岡へ連れて行ってもらえませんでしたので、楽しみにはしているんですけど。
ちょっと拗ねた物言いですこと。残念ながら、詳細な集会報告はやりません。
福岡の「市民のための刑事弁護を共に追求する会」も、「裁判員制度に反対する埼玉市民の会」と同じく、きちんとした報告集を出されるからです。ただ、ここで福岡の集会などに触れられた「追求する会」の前田ヒソカさんのブログ「白い狼のため息」と、講師を務められた猪野弁護士のブログをご紹介いたしましょう。
前田ヒソカさんのブログ「白い狼のため息」から
裁判員制度はいらないインコと博多にわかと「マスコミが伝えない裁判員制度の真相」
「弁護士 猪野亨のブログ」から
裁判員制度に反対する福岡の集会に参加してきました
わかりました。それでは、街頭宣伝での特別報告、そして猪野弁護士の講演に対する感想をご報告させて戴きます。
=街頭宣伝にて=
裁判員に呼び出されたら絶対に行かないけんと。
はい、罰則規定はありますが、これまで処罰された人はいません。でも病気になった人はいます。
ああ、そうやったとばい。えずか写真やなんや見たら素人はそうなるたい。病気にばなりよったら、誰が責任取ってくれるたい。
誰も責任取りません。病気になって国賠訴訟を起こした人がいます。国は裁判員を務めて病気になったことは認めました。
でも、国は、いつでも辞退できたし、辞めることもできたのに、それをしなかったあんたの責任と言って・・・
国は、なんば言うとうとね。国はそげんこつ言うとうとね。行くだけアホらしかと。ほんまに行かんでも何もなかとね。呼び出されても無視してよかと。
はい、大丈夫です。どうしてもご心配なら、病気になったり、何かあったら責任とって全部、補償すると約束してほしい、そのことを書面に書いて約束してくれるなら、裁判員をやっても良いと言えば。
そげんこつ国が約束する訳なかと。ほんなら行かんでも良かとなるね。あんたくさ、頭良かとね。安心して断るったい。
=講演で改めて感じたこと=
柔らかい語り口、優しい言葉遣い、でも、推進側やマスコミに対して手厳しい批判を展開された。この中で、特に印象に残ったのが、
本来、裁判員というのは、どういう立場かというと、国家から任命されて裁判に関わるのですから、国家権力を行使する立場です。ですから、裁判官と同様に批判の対象、国民、有権者がその権力行使に関して批判の対象としなければならないのです。
ところが、その批判を許さない。これは、権力行使に対する口封じ、権力批判を許さないということと同じことです。それを、裁判員を守るためと称して、一切の批判を許さない。
と仰った部分です。権力を行使した者への批判を許さない、匿名で権力を行使し、絶対批判されない存在として何をしても持ち上げられる、問題があれば、それはきちんと「説示」をしなかった裁判官の責任。一般市民にとってこの体験は心地良いことでしょうが、これの行き着く先を想像すると戦慄します。そして、「説示したのか」という批判は、裏返せば、「裁判官は、国民を教導しろ」ということになると思います。つまり、裁判官は、一般国民の教化を目的として、きちんと教え導けと・・・衣の下から鎧が見えたということですね。
また、裁判員に負担をかけないため、として、行われるべき証人尋問や証拠調べがなされなかったり、逆に調書で済むところを裁判員が退屈するからと証人として呼ぶなど、誰のための裁判かという指摘の中で、鑑定医のことに触れられました。
鑑定人が鑑定を行って鑑定報告書が出るんですけれども。裁判所が、鑑定報告書をそのまま文書で出されると、裁判員には分かりませんと。ですから、わざわざ、法廷へ鑑定人に来てもらって、鑑定人に対する尋問という形でやらせた。すごいですよ。約5時間。被告人質問も聞かせてということですから、鑑定人に対しては膨大な負担が掛かるんですね。「鑑定人は、裁判員裁判になったら、鑑定書を提出するだけでなく、出廷しての説明が必要となり、裁判所に通う回数も増えた」ということで、すごい負担が増えている。
でも、裁判所は、お客様の裁判員のためには、そうしたいんだということです。調書を朗読されると裁判員はわかりませんと。単調で眠くなるみたいですね(笑)。証人を呼んで、証人尋問のような形でやってくれないと理解し難いので、そうしてくれと。要するに、裁判員のために、みんな来なさいということなんです。訴訟関係者はね。
誰のための裁判か。裁判員のための社会科見学、裁判員のお勉強のためにやっていると言わざるを得ないような状況です。
鑑定医(だけではないですが)への加重負担という観点からの批判は、余りして来なかっただけに、改めて問題に気付かされました。
さらに、質疑応答の中で、元裁判員で制度推進の旗振り役をやっている人について、参加者から「ファシスト的なものが突出してきているのでは」という質問がありました。猪野さんも「『自分たちが』と、統治機構の中に組み込まれていくことを無批判にやっていくことはどういうことなのか、裁判員制度でも問われてしかるべき」、「国家機関の中に取り込まれる形で、自分たちみんなでやっていきましょう、みたいな機運が高められていったとき、果たしてどうなのか」、「今、戦争法案が出てきて、国家のために、どう動員していくかというところと、本当は重なってくるのかな」などと指摘されました。
確かに、市民の権力行使を批判させず、統治機構へ組み込んで、御国のためにみんなでやっていこう、となると、行き着くところは全体主義、ナチス国家のようなものになるのではないでしょうか。
それが制度の狙いでもあった訳ですけれども。
その他、裁判員制度について多様な角度から様々な問題を指摘された講演会でした。
解剖医と監察医の問題については、猪野弁護士のブログをご覧下さい。
全件検査? 検視、解剖体制はどうするのか 実現可能性を考えれば裁判員制度に関わっている場合ではない
投稿:2015年11月19日