~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
中国唐の時代、悠久の自然を前に、政治に翻弄された詩人たちが、人の命のはかなさ、頼りなさを詠んだ漢詩二題
21世紀の東の果て島国、鳥頭よりさらに軽い浅はかな制度が、政治に翻弄されて作られたことに怒ったインコが詠んだ漢詩二題
前不見古人
後不見来者
念天地之悠悠
獨愴然而涕下
前に古人を見ず、後に来者を見ず。天地の悠々たるを念い、独り愴然として涙下る。
過去の人に会うことは出来ない。この後に生まれ来る未来の人には会うこともかなわない。天地がこのように悠々と続いているのを思うと、人の一生の短さが胸に迫り、私は一人さめざめと涙を流す。
作者:陳子昴(中国初唐の詩人。武則天朝の酷刑や密告制度を多用する政治体制を批判して投獄された)
前不識法人
後不識私人
念鸚哥之悠悠
獨愴然而涕下
前に法人は識なし、後に私人は識なし。
鸚哥の悠々たるを念い、独り愴然として涙下る。
施行前、法の人は裁判員制度に見識がなかった。施行後、市民は裁判員制度には見識がないと言う。インコだけが悠々と前も後も廃止を言っているのを見ると、制度を推進してしまった悲しさが胸に迫り、私(最高裁長官)は独り、ただ涙を流すだけである。
作者:インコ(本音を語ることの出来ない長官になりかわり、インコが羽組みをして詠む)
千山鳥飛絶
萬徑人蹤滅
孤舟簑笠翁
獨釣寒江雪
千山 鳥飛ぶことを絶え 万径 人蹤滅す 弧舟 簔笠の翁 独り釣る寒江の雪
見渡す限りの山々は鳥の飛ぶ姿も見えず、雪の積もったどの小道にも人の足跡は見られない。簔笠をつけた老人が、雪の降る寒々とした川に小舟を浮かべ、独り釣り糸を垂れている。
作者:柳宗元(中国中唐の詩人。政争に敗れ、永州司馬に左遷されたときに詠んだものとされる)
本庁人来絶
支部人語滅
孤立司法長
独立逆風晒
本庁 人来ることを絶え 支部 人語を滅す
孤立 司法の長 独り逆風に晒されて立つ
本庁に来る裁判員候補者の姿は絶え、支部でも裁判員の話し声は消えてしまった。孤立した最高裁長官は、制度を廃止しろという逆風に独り晒されて立っている。
作者:インコ(誰もいなくなってしまった裁判所の庭に、己の写真を胸に下げて立つ老人を認めて、ふと詠む)
投稿:2017年12月5日