~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
今回は傍聴券の配付なし。それでも「裁判所」という腕章をつけた職員がわらわらと。地裁側の緊張は変わらない。傍聴人は一般の人が9人、マスコミ関係者が11人。傍聴席は満席に近いか。被告席には8人が! 第1回7人、第2回6人。過去最高ということは結審圧力か、それとも暇なのか。今回の法廷、順をおって説明します。
・裁判長 被告は1月24日付けの第2準備書面を陳述しますね。
・被告代理人 陳述します。
・裁判長 これは、立法事実に関する被告の主張を明らかにしたものですね。
・被告代理人 (中腰で、ぼそっと)そのとおりです。
(これで終わり! 25頁もある被告主張の中身は? 被告主張はまたしてもわからない。この準備書面の内容は次回、説明します!)
・裁判長 さて原告です。原告は訴状訂正の申立書を提出していますね。これは請求原因を追加するものですか。
(「請求原因の追加」は原告の損害賠償請求の根拠として新しい理由を追加するということ)
・織田弁護士 そのとおりです。
・裁判長 平成23年11月16日の最高裁大法廷判決を国家賠償法上の違法事由として主張に付け加えるという趣旨ですね。
・織田弁護士 そのとおりです。
(この「請求原因の追加」については、閉廷後に織田弁護士がメディアのみなさんに主張の要約を配った。次のとおり。)
本来争訟の解決により立法府の専横から国民の基本的人権を守るべき責務を有する最高裁裁判官は、前記大法廷判決においてはその責務を果たすどころかその職権を濫用し、逆に裁判員制度の実施によって国民を強制的に裁判員の職務に従事させれば裁判員経験者に対し心的外傷を与えることがあり得ることを十分に承知の上で、裁判員制度の推進を図るという政治的目的を持って上告趣意を敢えて虚偽作出し、それに関する合憲判断を判例化することを企図した。これにより、事実上、下級裁判所に対し裁判員法の違憲判断を困難にして裁判員制度を運用させ、裁判員として職務を果たすことになった原告に対し心的外傷を与えたというものである。 よって、被告国は、この点からしても原告に対し国家賠償法第1条により、請求の趣旨記載の損害賠償義務がある。
(オオオオッ!!(ノ゚д゚)ノ! 最高裁の不法行為責任を地裁に認めよと迫るとは! この詳しい説明も次回に!)
・裁判長 わかりました。続いて原告は2月20日付準備書面(3)を陳述しますね。
・織田弁護士 陳述いたします。
・裁判長 これはさきほど陳述された被告の1月24日付け第2準備書面に対する反論ですね。
・織田弁護士 そのとおりです。この書面の内容もこの場で簡単に述べさせて下さい。
(織田弁護士は、用意したメモに基づいて述べた。さきほどの被告の主張の中身が織田弁護士の反論陳述で推測される形になった。法廷の後に配られたメモの全文を紹介)
1 被告が立法事実として主張するものは、裁判員法に根拠を有しない独自の目的なるものを持ち出しているに過ぎない。
2 司法の国民的基盤の強化が目的というなら、それを強化しなければならない状況があることを明確にすることが立法事実の主張と言える。被告はそれを全く明らかにしていない。却って、今の司法には問題がないと言っている。
3 欧米諸国では陪・参審制という国民の刑事司法参加の制度があるというが、それをわが国にも必要だというのであれば、欧米がそれを導入した歴史的背景等立法事実を明確にし、それと同じ立法事実が今の我が国にもあることを主張すべきである。武器保有を憲法に規定している先進国があれば、それを真似るべきだということになるのか。
4 我が国で過去に陪審制を採用していたことが何故に立法事実になるのか。却って、裁判所法3条3項に「陪審の制度を設けることを妨げない」と規定されていても、戦後60年余年間全くその制度設定の兆しも見えなかったのは、我が国には国民参加の必要性がなかったと言えるのではないか。
5 被告は平成23年11月16日大法廷判決を盛んに引用するが、それは上告趣意を虚偽作出した違法な判決であり、何ら判例としての価値のないものである。
6 職業選択の自由という場合の職業というのは、人間が社会的関係において営む仕事をいう。対価を伴うかどうかは必須ではない。被告の主張は間違っている。
7 裁判員法制定時には、徴用される国民の苦痛への配慮、その憲法問題としての認識は、全くなかった。被告としては長期的政策目的があれば国民の1人や2人の犠牲者が出てもそれは立法の裁量に委ねられていると考えているようであるが、それは憲法が掲げる国民の個人尊重の理念に反するものである。
・裁判長 わかりました。次に、被告の2月28日付け第3準備書面ですが、これは今陳述された最高裁裁判官の責任に関する原告の追加主張に対する被告の認否と反論になりますね。
・被告代理人 そのとおりです。
(今度は立ち上がった。声もちゃんと出せる! でもやっぱり内容はわからない。被告は国民にこの制度を理解してもらいたかったんじゃないのかね。そう、これも次回以下で。)
・裁判長 そして、原告からこの被告主張に対する求釈明が本日付けで出ていますね。
・織田弁護士 そのとおりです。被告の第3準備書面は期日の直前に出されましたので、原告はこれから準備の上反論しますが、被告主張の曖昧なところをこの段階でただしておきたいのです。
(求釈明の内容は、法廷の後に織田弁護士から配られた。その内容は次のとおり。)
被告第3準備書面については次回までに反論するが、つぎのとおり曖昧な点があるので、その点を釈明したい。
1 小清水弁護人(=最高裁の事件の弁護人、インコ注)は、「違憲のデパート」と言われるほど数多くの違憲の問題がある裁判員法について、憲法80条1項本文と裁判員法の論理矛盾の問題だけを取り合えるとわざわざ断り書きをし、検察官もそれに対応してその2点についてのみ答弁しているというのに、被告はそれ以外にも上告趣意があったのだと主張する趣旨か。
2 それとも、最高裁は、上告人が上告趣意をしていない点についても、憲法違反という文言が上告趣意書中に表れていれば、その中から自ら適宜憲法違反の上告趣意として構成して判断を示すことが許されているという趣旨なのか。その理由或いは参考判例や学説があるなら示されたい。
3 憲法18条後段違反との言葉がどのような文脈で用いられているかにかかわりなく、その言葉が上告趣意書中のどこか1か所にでも用いられていれば、それは上告趣意に含まれることになるというのが被告の主張の趣旨か。
(上告趣意に関する最高裁判決の矛盾を突こうとしているんだね。この説明も次回に!)
・裁判長 で、これに対して被告はどう応答されますか。
・被告代理人 釈明の必要を認めません。
(ゲッΣ(@◇@;))
・織田弁護士 ただいまの応答を調書に取っていただけますね。
(そんな話、あったっけなんて後になって言わせないために、その日の手続きを記録する裁判所の調書に記録してくれっていう訳。)
・裁判長 (被告に対し)調書に取ってよろしいですね。
(思いつきを言ったんじゃなくて、釈明しないというのは国として腹を決めた対応なのだなと確認。)
・被告代理人 結構です。
・織田弁護士 それでは原告としては、そのような被告の対応を前提に書面を提出することにします。
(これで原告と被告のそれぞれの主張に関する裁判所とのやりとりは終わり。ふーむ、今日の法廷までの間にいろんな書面づくりの作業と提出があったんだと実感する。)
・被告代理人 司法制度改革推進本部の裁判員制度・刑事検討会の議事録などを提出します。
・織田弁護士 原告の陳述書など甲第37号証から第50号証まで14点の証拠を提出します。
□ 第3ステージ:今後の訴訟進行の議論。や・ま・ば!
・裁判長 双方の主張はこれで一応出尽くしたと考えてよろしいでしょうか。
・織田弁護士 はい。
・被告代理人 はい。
(いよいよ・・・ドキドキ(((o(*゚◇゚*)o))))
・裁判長 人証についてはどうお考えでしょうか。
(書証の調べは終わったが、原告や被告関係者など「人」の調べはどうしたいと考えているのかという裁判所の質問。)
・織田弁護士 原告本人尋問をぜひ行ってほしいと考えております。
(キタ―――ヽ(゚◇゚)ノ―――ァッ!!)
・裁判長 原告のご意見について、被告はどうお考えになりますか。
・被告代理人 原告は陳述書をすでに複数出しています。被告はその内容を「不知」としていますが、原告の陳述書の内容を積極的に争うつもりはありません。陳述書があるのですからそれに加えて敢えて本人尋問をする必要はないと考えます。
(えっ、えっ、えっ。被告は原告が心の病に苦しんでいることについて、法廷にナマの話が出てくるのをよほど嫌がっているんだね。でも、原告の陳述書について被告が「不知」なんて言ったから原告は本人を調べてほしいって要求しているんでしょうが、何言ってるの。)
・裁判長 (左右の陪席裁判官の顔をちらりと見て)では、ここで5分ほど休廷します。お待ち下さい。
-休廷始まる-
(裁判官たちが法壇の後ろの扉からそろりと消えた。控えの部屋で合議を行うらしい。ふーむ、どうなるのか心配!o+゚||*´゚◇゚)。o○ドキドキ…。5分が経過し。裁判官たちが法廷にまたそろりと入ってきた。)
-休廷終わる-
・裁判長 法廷を再開します。裁判所としては原告本人の尋問をすることにします。
(やった! やっぱりやるんだと。ε- ( ̄◇ ̄A) フゥー)
・織田弁護士と佐久間弁護士 (黙礼)
・裁判長 主尋問の時間は原告の請求では30分ということになっていますね。
(あらかじめ織田弁護士たちは尋問時間の希望も出していたんだ!)
・織田弁護士 そのとおりです。
・裁判長 被告は反対尋問をしますか。
(えっ、えっ、えっ、そんな質問アリ? 被告代理人は尋問不要って言ったんだから、反対尋問はしないですねって聞けばいいじゃん。で、被告は反対尋問をしないって言うんだろうねぇ…。)
・被告代理人 えーとえーと、では念のため10分ほどお願いします。
(なんだそりゃ。なんだかんだ言いながら、やっぱり原告を問い詰めようという根性は捨ててないんだ、こいつら。地獄に行け!)
・裁判長 わかりました。
(わからん。被告に親切すぎる、国民に親切にしろよ。)
・裁判長 次回の原告本人尋問でこの事件の審理は終結するということでよろしいですか。
・織田弁護士 結構です。
・被告代理人 結構です。
・裁判長 では、次回口頭弁論期日は4月22日午後2時と指定します。今日はここまでにします。
(審理時間約25分)
読者の皆さまへ
次回以下、本日の法廷で双方が主張したことや反論したこと、そしてその意味などについてわかりやすく整理し、インコ渾身の報告をいたします。乞う、ご期待!
投稿:2014年4月7日