~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
いささか旧聞に属しますが、11月24日、日韓(韓日)弁護士協議会主催のシンポジウムが「刑事司法への国民参加」をテーマに、沖縄・恩納村で開かれました。
韓国では2008年から「国民参与制」という国民参加裁判が実施されています。バネリストの韓国の弁護士は、「世論に左右されないことがこの制度の成否を決める鍵になる」などと指摘し、「証拠調べは着実に行われるようになったが、評決に拘束力を認めなければ結局は職業裁判の隠れ蓑になるだけだ」とも話しました、また日本の弁護士は、「裁判員制度下、反省の態度や示談成立を言っても耳を傾けてくれないケースが増えている」などと指摘したとのこと(『琉球新報』11月25日)。
うーん。どうもようわからん。日本と韓国の国民参加裁判を比較して何を明らかにしようというのだ。世論に左右されてはいかんとか、好ましくない裁判が増えているとか言い合っていることからすると、新しい制度には問題が多いとおっしゃっているようにも思える。それにしては微温的というか、奥歯に物が挟まっているというか…。
ここで、インコの脳みそは鋭く活性化したよ。とは言ってもいつもは眠っているような頭なので、ようやく目が覚めたってとこかなぁ…。韓国の国民参与制は日本の裁判員制度施行の1年4か月前に実施された。インコの頭の片隅に、「隣の国でも市民参加が始まった。次は日本だ」と、わが新制度の宣伝材料の1つに使われたような記憶が残っている。覚えている方もいらっしゃるでしょ(いないか)。
でも、どうやら韓国の参与裁判にも問題がたくさんあるようですねぇ。インコ、韓国在住の知人じゃなかった知鳥の鸚鵡に連絡を取って話を聞いてみた。以下は、そのお話の一部です。この際、ソン スンホンとかイ ミンホとかそれにチャン グンソクもいいと思うけど、韓流新型裁判の近況もちょっと勉強しましたよ。万国の鳥に国境はなくていつでも団結できるとは言え、この世界にも多少はなまりがあるのよ。韓国系鳥語と日本系鳥語のちゃんぽん会話で、意思疎通は少し鳥肉買った、なんちゃってね。不正確なところがあればそのせいです。許して下さい。
国民参与制(参与員制)を簡単に説明すると…。
07年6月公布で08年1月施行。参与員はその地方法院(地方裁判所)の管轄区域に住む20歳以上の大韓民国国民の中から無作為に選ばれる。裁判所が決めた期日に正当な事由なく出席しないと過料が科せられる。呼び出された参与員候補者には約5000円、参与員には約1万円の日当が出る。ここまでは日本とほとんど同じ。当初は殺人や強盗強姦など重大犯罪だけが対象だったけれど、12年7月から全刑事事件が対象になった。
参与員の人数は、法定刑が死刑や無期懲役・禁錮にあたる事件の場合は9人、それ以外は7人、被告人側が公訴事実を認めていたら5人。5人以内の予備参与員を置くことが認められている。公訴事実を被告人が認めているかどうかで数が変わる方式は日本にはない。
参与員の評決が多数決によるのは日本と同じだが、違うのは有罪と無罪の評決数が公表されること。そして、参与員の判断は裁判所に対する勧告の効力しか持たないこと。ただし、裁判所が評決の内容と違う判決をする場合には、参与員の評決結果を被告人に知らせ、参与員の評決によらない理由を言わなければいけない。参与員の判断を尊重するが、あくまでも裁判は裁判官の権限で行うという原則はまげないという訳。
日本との大きな違いは、被告人には参与員裁判を受けるか受けないかの選択権があること。なお、被告人が参与員裁判を選んでも、被害者が拒否した性犯罪事件や参与員の生命・身体に危害の可能性がある事件は参与員裁判にならない。また、「参与員裁判で行うのが適切ではないと認められる場合」には、裁判所が職権で参与員裁判を拒否(排除)できる。適切・不適切の基準をはっきりさせていないこともあって、実際にはこれが非常に多く使われている。参与員裁判を避ける通常裁判ルートが幅広く作られているのですね。
結局どうなっているかというと…。
参与制裁判は今やほとんど行われていない。08年から11年までの4年間で参与員裁判を受けた被告人は合計僅か574人。日本の裁判員裁判では、対象事件が全件の3%という重大事犯に限ったのに、実施事件の数は09年に始まってもう6000件を超えている。韓国では全刑事事件を対象に広げた昨年でも、1万8600件の事件総数の中で参与員裁判の申し出があったのはたった490件余。しかもその半数近くがその後に申し出の撤回や裁判所の排除決定のために通常裁判に移ってしまい、参与員裁判が実際に開かれたのは250件余、全体の1.3%。今や消え入りそうな気配。
日本の戦前の陪審制も、被告人がその方式をとるかとらないかを決めることができたため、ほとんどの被告人が陪審制を選択しなくなり、数年で事実上消滅してしまった。ナチスではないけれど「その経験に学んだ」日本の政府・最高裁は、裁判員制度の制定にあたって、絶対に選択制を取り入れないことにした。ここは日韓(韓日)の国民参加の差を考える大事なポイント。
韓国が参与員の評決に法的拘束力を与えていないのは、韓国憲法が「すべての国民は憲法と法律が定めた法官によって法律による裁判を受ける権利を持つ」と定めている(第27条1項)からだ。参与員の判断に拘束力を持たせれば、裁判官の権利を侵害するだけでなく、国民の裁判を受ける権利をも侵害してしまい、どう見ても違憲の可能性が高い。この判断はとても健全。なぜかというと、日本の憲法にもほぼ同じ趣旨のことが書かれているのに、この国の最高裁や法務省は、理屈をねじ曲げて裁判員制度は合憲だと強弁しているから。竹崎博允クン、谷垣禎一クン、素直に韓国最高裁長官のお縄を受けなさい。
性犯罪への国民参加は、被害者の保護と被告人の防御権保護をめぐって韓国でも問題になっている。性犯罪の被告人が参与員裁判での審理を望んだ場合、被害者との利害調整をどうしたらよいのか。日本では公開裁判を認めるかどうかということが重視されるが、韓国には、話を聞いてもらえる参与員裁判の方が被告人の権利保障になるという見方がある。
部下に対する強姦致傷の容疑で起訴された被告人が防御権を保障してほしいと参与裁判を望んだ事件(2012年12月)では、検察は、被害者は事件後急性ストレス障害を患っていて、参与員の前で証言させられないとして、裁判所権限で排除してほしいと要請、結局、裁判所は参与裁判にしないことを決定した。実際、08年から11年の性犯罪の参与員裁判排除率は24.9%と全事件平均の18.4%より明らかに高い。
女性団体関係者は、「一般国民の多くは被害者が性犯罪を誘発したという偏見を持っていて、強く否認する被告人に同調する。これまで反性暴力運動を通じ法曹界の通念を変える努力をしてきたのに、参与裁判は事態を逆行させた」と批判し、一方裁判所内部には性犯罪も参与員裁判で裁くべきだという主張が強いらしい。
「感性裁判」「世論裁判」の批判は韓国でもつきまとうが、全事件を対象にしたことでその問題に一気に火がついた。とりわけ地方では、「理屈はそうでも私たちの村の人間でないのでかばいにくいとか、理屈に合わないが村人は厳しく咎められない」というような意見が出やすいという。
昨年の大統領選挙で朴槿恵候補を誹謗中傷したとされた対立候補文在寅氏の選挙参謀に対する全州と釜山の参与員裁判を見る。文在寅氏の支持率が86%と圧倒的でだった全州の地方裁判所で10月に開かれた参与裁判では、参与員7人が全員一致で無罪判決を出し、裁判長は評決と見解が違うと表明して判決の言い渡しを延期した。同じような事件で釜山地方裁判所の参与員は全員一致で有罪を答申している。
結果、地域の政治傾向によって有罪無罪が分かれる「感性裁判」との批判が巻き起こったという。参与裁判は純粋な刑事事件だけにせよとの世論が強くなった。最高検察庁の関係者は、株価操作や企業犯罪などいわゆるホワイトカラー犯罪も難しいとし、参与員に問題を理解させる判事や検事の負担が過重になっているとも指摘している。
インコの感想を少し
この参与制の背景を探ると裁判を受ける国民の権利という考え方にたどり着く。1980年代の韓国には民主化を求める熾烈な運動があった。この制度にはその実りという側面がきっとあるだろう。それはさらにルーツをたどれば米国の陪審制にたどり着く思想だ。米国や韓国の被告人に陪審(参与員)裁判を受けるか受けないかを決める権利(選択権)があるのは陪審制が被告人のための制度であるという理屈から導かれる反面の結論だ(権利は捨てられるが義務は捨てられない)。「裁判員制度は被告人のための制度ではない」と言う日本の裁判員制度とはそこが根本的に違う。
米国のように陪審制が憲法で認められている国でない限り、国民参加は憲法で根拠づけることはできないという姿勢が韓国にはある。必然的に参与員の答申は参考意見としか言えないことになる。この点でも憲法に忠実な態度をとろうとする国か、憲法をないがしろにしたがる国かの違いが出てくると思う。
大事なのは、その韓国でも国民参加の裁判が進展しないこと。国民が司法に参加する目的は何かということを明確にさせ、その思想が国民に強く支持されない限り、結局消極的な反応が出てきてしまう。支配者英国からの独立のためだとはっきりさせた米国のように立場を明確にしない限り、国民参加という究極の政治手段にはどうしても無理がある。最初に紹介した日韓(韓日)弁護士協議会のパネリストたちの発言も、制度のたそがれを描写し合うものという意味ではなるほどと思わせるものがある。
制度のたそがれとともに、2013年も終わろうとしています。
来年もインコへのご支援よろしく! 来年こそは制度廃止を!!
投稿:2013年12月30日
奇っ怪極まる被告国の主張に対して、織田・佐久間タッグチームはどう切り返したか。今度は難しくないよ。原告準備書面(2)の内容は次のとおり。
1 原告の準備書面(2)の構成説明
32頁におよぶ大部な書面。まず被告答弁書中の「被告の主張」の部分に対する総括的な認否。次いで原告としての主張を全面展開するところが本論。認否の部分は紹介を省かせていただく。本論の概要を順を追ってご紹介すると次のとおり。
ア 裁判員法を制定しなければならない事情は何もなかった。
イ 裁判員として呼び出すのは憲法第18条後段が禁じる「苦役」に該当する。
ウ 裁判員として呼び出すのは憲法第22条が保障する「職業選択の自由」を侵害する。
エ 裁判員として呼び出すのは憲法第13条が保障する「個人の尊重」を侵害する。
オ 国会の立法行為の不法と原告の精神的打撃の間には相当因果関係がある。
カ 被告の平成25年10月25日付け準備書面の主張に反論する。
キ 原告の主張をむすぶ。
2 原告主張の具体的解説
口頭弁論傍聴記でご紹介したように、織田弁護士は法廷で準備書面の要旨を説明された。その要旨にそって解説することにする。
① 裁判員法、またその中の裁判員強制に関する規定には立法事実即ちその法律を必要とする社会的、経済的事実もない。そのことは裁判員制度を廃止しても国家も国民も全く困るものではないことからも明らかである。裁判員法は病気でもないものに劇薬を与えるようなものである。
「立法事実」については、傍聴記のところに説明を書いたので詳しく知りたい向きはそこを見てね。立法というものは、その法律を必要とする理由事情があるからするもの。必要もないのに法律を作ったというのが原告の言いたいこと。この法律を作らないとみんなが困ることっていったい何だったのかと問い詰めている。
この部分は何度でもさえずっちゃうけど、裁判員制度なんてなくても誰も困らない。困らないどころかあって迷惑、税金の無駄使い。
② 裁判員法の国民強制規定は国民に苦役を強いるもの以外の何ものでもない。最高裁平成23年11月16日大法廷判決は上告趣意とされていないものを敢えて上告趣意とし憲法裁判所的に判決しているものであり、国民を欺罔する違憲の判決であって何ら判例としての価値を有するものではない。
裁判員法は国民に苦役を強いるもの。憲法第18条後段には「何人も、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」と書かれている。「犯罪に因る処罰の場合を除いては」とわざわざ断り書きが付いているということは、そのほかには例外がありませんということ。苦役の禁止は徹底厳守の基本原則とされている。
最高裁が制度発足2年後に出した大法廷判決で「苦役の禁止に違反しない」と言っていると被告は引用する。しかし、この判決はその事件の弁護人が上告趣意(読んで字のごとく、訴える理由)にしないとわざわざ明言していた苦役禁止違反について、勝手に弁護人がその主張をしていることにして言い渡したもので、判例としての価値がない、というのが織田弁護士の主張。
この最高裁判決は一審の裁判員裁判で有罪判決を言い渡された被告人の弁護人が上告していた事件。刑事事件の被告人にとっては、裁判員にとって苦役かどうかということは直接自分の問題ではないから、刑事上告審ではもともと論争になる性質の主張ではない。だから弁護人は、苦役禁止の主張は上告趣意にしないと明言していたという。
ところが、最高裁が何が何でも裁判員にとって苦役ではないと言いたかったのは、制度発足後も国民の異論反論が相次ぎ出頭率がどんどん下がっていく情勢に恐怖して、何でもいいから大法廷を開いて裁判員呼び出しは憲法の苦役禁止に抵触しないと言い切ってしまいたかったから。最高裁のあわてぶりがこんなところにも垣間見える。織田弁護士はそこを鋭く突いた。
③ 裁判員法の国民強制規定は職業選択の自由を侵すものである。被告はこの職業選択の自由の意味を履き違えている。
「職業選択の自由」でいう「職業」の意味について、被告は、「人が自己の生計を維持するためにする継続的活動」ではないから、裁判員の職務は「職業」とは言えないなどと主張している。だが、「生計を維持するため」とか「継続的活動」などの考え方をここに持ち込むことはもともと許されない。裁判員の職務は、本来裁判官が行うものとされている裁判という職務のことだから、裁判員は非常勤特別職国家公務員なのだ。そのことは被告も認めている。1週間で辞めるつもりで任官しても、給料を1円も生活に使わない予定で任官しても裁判官の職務は職業になる。
国民がその職務に従事したくない時に、強制するのは職業選択の自由に抵触すると言うのは当たり前のことだ。「職業? それは生活のために時間をかけてやる仕事のことを言うのだよ」という最高裁に聞いてみたい。1週間で辞めるつもりなら、給料なんて全然頼りにしない大金持ちなら、そういう裁判官は「職業裁判官」じゃないことになるのか。
④ 同じくその強制規定は国民の幸福追求権という国民として最も大切な権利を何の根拠もなく侵すものである。
憲法13条は次のように言う。「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に関する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」。
裁判員法は、憲法が国民に保障する個人の尊厳を不必要に害するものだ。「幸福追求に関する権利」などといううっとりするような言葉が憲法に書いてある。これをどこかの廃線の駅のように名前だけにさせてしまってはいけない。
⑤ 国会の立法行為の違法性と責任は他の公務員についての場合と比較して特段に差等を設けるべきものではない。最高裁の判例も変遷し次第に広くその責任を認める方向になっている。仮に明白性の原則が要求されるとしても、国会議員は裁判員法の人権侵害に気付くべきであったし、また容易に気付き得た。国会の立法の不法行為責任は免れない。この立法に賛成した議員の有志は施行直前にこの法律の問題性に気が付き、超党派で「裁判員制度を問い直す議員連盟」を発足させている。
国会議員の立法行為については、一般の公務員の違法行為より特に強い違法性を伴う場合でなければ責任は問われないなどということはない。水準は同じだ。最高裁の判例を見ても、昭和60年11月21日の判決から平成17年9月14日の判決への変化を見ても、国会の責任をより広く認める方向に変わる流れがある。そういう判例論議から離れても、裁判員制度の問題性や裁判員法の人権侵害性は、国会議員であれば誰でもすぐに気がつくものだった。それが織田弁護士の主張。
織田弁護士は、法の施行直前に発足した「裁判員制度を問い直す議員連盟」に触れた。そう言えば、制度の実施を翌年に控えたに2008年の夏には、共産党・社民党が相次いで実施の延期を求め、民主党の小澤一郎氏や鳩山由起夫氏などの要人も「政権をとったら制度を根底から考え直す」と言い、秋から年末にかけて自民党や公明党の中からも、実施への異論が出ていた。
また、立法当時の野沢太三法務大臣が、「私の妻も裁判員をやりたくないと言っている」と国会で述べたこと、制度実施直前に法務大臣だった鳩山邦夫氏も、後に「自分も実は裁判員制度には反対だった」と述懐したこともこの際触れておく。
⑥ 今回の原告の受けた被害は裁判官や検察官の違法行為によるものではなく、罰則の脅しをかけて裁判員に国民を強制するという違憲の立法行為に起因するものである。
「裁判官や検察官の違法行為によるものではない」というのは、裁判官の言動や検察官の言動がが原因となって原告がダメージを受けたとは考えないということ。裁判官や検察官の違法行為によるということになると、制度そのものの問題ではなくなり、この事件の中で裁判官や検察官がどのような言い方ややり方をしたかということが焦点になる。
どのような手法をとるべきだったとか、そのようなやり方はとるべきでなかったとか、制度があることを前提とした方法論の問題に論議が向かってしまうと、裁判員法や裁判員制度の根本の問題がすっとんでしまう。 そういう議論をするためにこの裁判を起こしたのではないというのが織田弁護士の主張だ。
原告はあくまでも罰則を脅しに使ってまで国民を裁判所に動員するこの立法の違法に焦点を絞っている。
⑦ 被告の平成25年10月25日付準備書面による主張は、国会審議において国民を裁判員に強制する憲法問題については殆どといってよいほど議論されなかったことを会議録から証明していることを認めるものである。
議論しているのは「負担の軽減をどうするか」だけだ。国民に裁判の審理や評議に参加することを義務づけねばならない社会状況についてはまったく論じていない。実際、国会では、司法をめぐる現状をどう評価するのかとか、国民参加を必要とする事情は何かとか、陪審制とは違う国民参加の必要性とは何かなどの基本問題については何一つ検討もせず、すべては裁判員の参加を前提とした結論ありきの論議に終始した。
これで議論が本当に十分だったと思っているのなら、この国の政府にとって「国会論議というものは茶番です」と言っているようなもの。
⑧ 国民に強制をかけなければ国民が裁判員として集まらないことは明らかだが、問題は強制しなければ国民が集まらないような違憲の制度を作ることがそもそもおかしい。本裁判は国民を救うか裁判員制度を維持するか二者択一をせまる裁判である。
強制しなければ集められないとなると徴兵制と同じではないか。なぜそのような強引な手法をとるのか。とらなければならない事情が生まれているのか。 裁判員になって病気になるか、裁判員を断って非国民になるか。とんでもないことを国民に要求するこの国の政治はいったいどこに向かおうとしているのだろうか。
投稿:2013年12月24日
救援連絡センターが月1回発行する『救援』
12月10日発行の第536号からインコの新連載「裁判員制度はいらない情報」が始まりました。
第1回目は「候補者名簿記載と『調査票』の真実」です。
ぜひ、『救援』も読んでください。
『救援』お申し込みはこちらから↓
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル5F
救援連絡センター
電話03-3591-1301 FAX03-3591-3583
E-Mail:Kyuen2013@gmail.com
定価300円 年間購読料1部 開封4500円 密封5000円
郵便振替 00100-3-10540
投稿:2013年12月19日
1 全体の構成
20頁におよぶ、しかし内容のまったくない書面。はっきり言ってしょうもないことしか書いてない。
乙部竜夫以下15人が名前を連ね、はんこは加藤恵盛のところだけ「加藤」という印が押されていて、後の14人のところには全部「東海林」という印が押されている。「加藤」は加藤恵盛の、「東海林」は東海林秀一の印だろう。加藤も東海林も福島地方法務局の職員。はんこ押しは地方法務局の仕事と内規で決まっているのか。この人たちのやることはわからない(以上、敬称略)。
第1は「認否の補足説明について」、これが1頁。第2は「被告の主張」、これが大半を占めて15頁半。第3は「原告準備書面における求釈明に対する回答」、これが1頁。で、表紙などを入れて都合20頁。以下、それぞれについて紹介する。
と見得は切ったものの、裁判用語は素人にはなんともわかりにくい。出だしの第1が特にややこしい。鳥頭のインコにはなおさらのこと。
そこで鸚鵡大学法学部にゃんこ先生に説明していただくことにした(鸚大は法科大学院を認めていません。悪しからず)。
2 うろたえる最高裁、またのタイトルを、第1「認否の補足説明について
(1) 認否を補足するって
にゃんこ先生によれば、ここは、うろたえる最高裁や政府の姿勢がいちばんよく出ている部分とのこと。
「かかる立法の重大な過失により、原告は深刻な精神的損害を受けた」という原告の訴状の主張に対し、被告は答弁書の中で「原告が『深刻な精神的損害を受けた』との点は不知、その余は否認ないし争う」と反論していた。この答弁を補足するという。
(2) 前はなんて言ってたんだっけ
被告が以前主張していた部分(太字、下線のところ)は要するに何を言っていたのか。まずはそこからと先生に聞いてみた。
この部分を丁寧に言うと次のようになるでしょう。
「Aさんが『深刻な精神的損害を受けた』と主張していた点については、最高裁は損害の一つひとつを直接見聞きしていないので『わからない』=『不知』(裁判用語)というほかない。それ以外の『Aさんは立法の過失のためにこのような打撃を受けたのだ』という主張は認めず争う」と。別の言い方では「因果関係を争う」などというのです。そう言っていたんですよ。
えっ、これもわかりにくい? 困ったなぁ。つまり、それが裁判は素人には難しいってことに通じるんですね。
ルールを知らないインコがフットボールの試合を見たときに似ているなぁ。まぁ裁判が素人には難しいという話は別の機会に。
インコの頭でフツーに整理すると、最高裁は、Aさんが「裁判員を務めたためにストレス障害になった」と言ってたことについて、初めはそんなはずがないと争っていた。同じように裁判員をやった人がみんなストレス障害になっていた訳じゃないし、あなたはもともと虚弱体質の人だったんじゃないのとか、そういうこと言いたかったんだね、きっと。
そんな権力思想でよく「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」なんてぬけぬけと言ったもんだ。
と怒り心頭のインコに対し、「インコのお山裁判員制度対策本部」(イン裁本部)から「いやいや、落ち着いて向こうさんの言い分を説明してもらいなさい」と「落ち着け命令」が来た。
(3) で、それをどう変更すると
「因果関係についても『否認ないし争う』としたのは、その前提となる『かかる立法の重大な過失』との点を『否認ないし争う』からである。『原告が裁判員の職務を担当、遂行したことにより精神的損害を受けた』との因果関係まで積極的に『否認ないし争う』とする趣旨ではなく、その点は『不知』とするものである」。
因果関係を争うと言ったのは、「立法に重大な過失がある」というAさんの主張に限って争うということで、裁判員をやったから精神的損害を受けたという因果関係までを積極的に争いはしない。それはあくまで「不知」だと言ってる。
でも、以前は「因果関係を争う」って言っていたんだから、これは苦しい弁明。それに裁判用語では、「不知」は事実を争う時の用語で、因果関係など理屈を争う時には普通そのとおりに「争う」と言います。
では、どうしてそんな苦しい修正をしてきたんですか、最高裁は。
前回の法廷で因果関係を争うと明確に言い切ったので、マスコミはいっせいにAさんの主張を正面から争う最高裁と報道しましたね。これはまずいということになったのでしょう。その印象を少しでも和らげたいと考えたのだと思います。
確かにマスコミはいっせいに「国側は全面的に争う姿勢」と報道しました。なるほど。でもその根性は小汚いじゃないですか。
何も変わりません。被告から「不知」と主張されると、原告は裁判員を務めたために深刻な精神的損害を受けたことを証明しなければなりません。言葉の使い方だけのこと。
ちょっとした目くらましのつまらん話です。
(冷静に)インコはこのことを激しい怒りをもってイン裁本部に報告します。
3 何もしない時この国は「十分にした」という、またのタイトルを、第2「被告の主張」
(1) 一言で言ってしまうと 。
15頁もある今回の書面のコアの部分。国は、前回の答弁書の中で裁判員法の立法理由などをあれこれ書いてきたのだが、Aさんからそれは裁判員法の成立の経過も裁判員法の立法の趣旨の合理性も憲法適合性もまともに説明していないと言われ、それを受けて裁判所から詳しく書くように指示されて国が出してきた部分だ。
(2) まず、「裁判員法案の国会における審議過程」なる文章が
国会に提出されるまでに、内閣に設置された司法制度改革審議会が2年間も調査・審議を尽くし、司法制度改革推進本部が2年にわたり検討を尽くして閣議決定の上国会に提出した法案だ。衆議院では平成16年(2004年)3月16日の本会議の趣旨説明と質疑以来、4月23日までの間に法務委員会で計10日の質疑と1日の公聴会が行われている。参議院では4月28日の本会議の趣旨説明と質疑以来、5月21日までの間に法務委員会で計4日の質疑と1日の公聴会が行われた。
うーん、なんと審議はたったこれだけなんだ。本会議と法務委員会の質疑を合わせて合計14日。しかも両院とも法務委員会には他の法案も係っていたから、裁判員法に専念していたのでもない。
マスコミは特定秘密保護法の審議が拙速だと批判しているけど(それもまったくそのとおりだけど)、特定秘密保護法の国会審議は両院合わせて合計68時間、裁判員法はそれさえ大きく下回る。こういう説明をする国は少しは恥ずかしいと思わないのかな。だから指定代理人も印を押すのをためらったんじゃないのかな(笑) 。
(3) 「裁判員法の立法趣旨の合理性について国会審議は十分だった」と
審議の内容経過を見ると、広く国民の参加を求めるという裁判員法の立法趣旨の合理性等について審議が十分に尽くされていることが明らかだ。 今世紀のわが国社会の国民は自らのうちに公共意識を醸成し、公共的事柄に対する能動的姿勢を強めていくことが求められている(←誰が求めているの?)。
司法の分野も同じ。司法が機能を果たすには国民の支持と理解が不可欠。司法の国民的基盤を確立する方策として、一般の国民が裁判に参加し、裁判内容に国民の健全な常識をより反映させることで国民の司法に対する理解・支持が深まるという認識に立って、裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続きに関与することが司法に対する国民の理解の増進と信頼の向上に資することを立法趣旨として立案された(←誰がそんなこと言っているの?)。
立法趣旨の合理性等について審議が十分に尽くされているというのは次のとおり。法務大臣は裁判員法の立法趣旨について様々な場面でこの説明をしており、裁判員法の立法趣旨は国会審議の中で明示された上、質疑応答が行われていた。具体的な審議の過程でも、法務大臣や司法制度改革推進本部事務局長は「大事な大事な(ママ)法案と考えている」「プロと一緒に判断していただくことによって司法に対する理解がきちっと(ママ)できてくる」「事実認定や量刑判断の幅の中に国民の意見が投影される」「いろいろな人生観で結論が変わることもあり得る」などと具体的な答弁をしており(←どこが具体的?)、真摯かつ丁寧な答弁による多くの議論が繰り返されている(←どこが丁寧でどこで多くの議論が繰り返されているのか?)。
(4) そして、「裁判員法の憲法適合性についても審議は十分だった」と
ここがこの裁判の大争点(のはず)。いくらか難しい法律論も出てくるが、がんばって読んでみた。
まず衆院。裁判員の義務づけは、「広く多数の公平な国民参加を得るための必要最小限の義務だから決して(ママ)憲法に違反しない」という(その程度のことで憲法18条後段の苦役禁止の法理に違反しない理屈になると思うほうがおかしいだろ)。
法務大臣は「一定の場合には辞退を認め、連日的開廷を確保し、旅費日当を支給するなどの手当をし、辞退事由を定める政令も検討している」と答えている。また司法制度改革推進本部事務局長は「幅広い国民からの選任や負担の公平化を図らないと希望者だけが裁判員になってその資質や性向が偏ることが懸念される。実際上は裁判員になることを強く拒んでいる人に無理矢理裁判員を務めさせることにはならない。質問票の返送によって出頭義務が免除され得ると考えている」と答えている(←免除されるのに出てきた奴が悪いって言いたいのか? それにもう、ごく一部の希望者、つまり「資質や性向が偏っている」人たちに集中してきている!)。
そして参院。苦役の禁止に抵触しないという推進本部事務局長の答弁を被告はそのまま引用している。ナマで紹介しよう。「ただいま御指摘の憲法の条文があること、我々も十分認識しておりますけれども、この憲法の条文につきまして、これ、じゃ、すべてこれに反するものが駄目かということでございますが、そこの解釈は、行うものの必要性と、それからそれを行うについて必要最小限のという、そういう制度の歯止めですね、こういうものを設けているということから、最終的にはそういうものであれば、それはこの憲法18条、これに該当するものではないというふうに考えているわけでございます」(←奥歯に物が挟まったような言い方で、必要なら禁止される苦役の強制にあたらないというめちゃくちゃな理屈!) 。
そして、参考人の長谷部恭男東大教授の「制度は正しい。思想信条としてやりたくないのなら辞退させよ」という意見、土屋美明共同通信論説委員の「気持ちの負担の重い仕事を国民にあえて引き受けさせることに意味がある」という意見、伊藤和子弁護士の「制裁よりも参加しやすい基盤整備を先に」などの意見など様々な意見が寄せられた」(←制度推進派ばっかり並べてどこが「様々な意見」か? この弁護士、自由法曹団っていう法律家団体のメンバーなんだって。自由民主党の顧問弁護士かしら)。
以上を踏まえて言う。平成17年最判などによれば、裁判員法の制定行為が国賠法1条1項を適用する上で違法になるかどうかは、端的に、同法の立法内容が憲法上保障されている国民の権利を違法に侵害することが「明白である場合」等の例外的な場合に該当するか否かによって決せられる(←裁判員制度はその「明白である場合」でしょ)。
4 逃げる最高裁、またのタイトルを、第3「原告準備書面における求釈明に対する回答」
原告は前回の期日までに、被告国に対して、4点の求釈明(説明要求)をしていた。これに対する被告の釈明(説明)は次のとおり。
(1) 裁判員の義務づけに関し、国会においていつ、いかなる憲法上の審議が行われたというのか(第1、2点)
2項で述べたとおりで、付け加えることはない(←つまり、これで審議は十分だったと?)。
(2) 裁判員の参加は参政権と同様のものだとし、辞退も可能だったと指摘した最高裁の平成23年の判例を引いたが、そうすると被告は、自己の意思で裁判員になった原告の受傷は「自業自得」だというのか(第3点)。
最高裁の判例を引用したのは「苦役」にあたらないという最高裁の一般的な結論を引いて主張したものに過ぎない(←全然説明になってない! だから何なの?)。
(3) 合憲の根拠の1つとして、正当な理由のない不出頭にも刑事罰は科していないというが、では刑事罰を科したら違憲になるというのか(第4点)。
仮定の質問には答える必要がない(←つまり、その程度の誠実さしか持ち合わせていないということ!)。
さてさて、この奇っ怪極まる被告国の主張に対して、織田弁護士・佐久間弁護士はどう切り返すか。次の報告をご期待下さい。
投稿:2013年12月17日
福島地裁郡山支部で強盗殺人事件の裁判員を務めた後、「急性ストレス障害(ASD)」と診断されたAさんが慰謝料などを求めた国家賠償請求訴訟の第2回口頭弁論。
今回は、裁判終了後の記者レク報告です。
裁判終了後、記者は待ちかねたように織田弁護士と佐久間弁護士を囲む。当然です。だって、原告の主張は織田弁護士の要約の読み上げでわかったけど、被告側は何を主張したのかまったくわからなかったから。裁判長から「裁判員法を制定しなければいけない理由や事情はなかったという原告の主張にどう反論するのか」と聞かれた被告は「十分しているつもりだから裁判を終わりにして」と言った。裁判官に「違うでしょ」と言われて、次回までに主張を準備することになった。次回の裁判は3月4日。わかったのはそれだけ。
けれど、裁判所は待合室やロビーはもちろん敷地内の駐車場でも、織田弁護士が説明をすることは許さないと。
それにしても記者さんが、誰も国の代理人たちに「あんた、さっき何言うてたん」と聞かないのもヘンと言えばヘン。聞いたって木で鼻をくくったような返事しか返ってこないことがわかっているからでしょうね。記者さんたちはみんな原告の弁護士たちを囲んでしまいました。
場所探しのすえ、裁判所横の道路をはさんだ駐車場で織田弁護士の記者レクが始まりました。
朔太郎の詩のように烈風吹きすさぶ中、どの記者も熱心にメモ。インコのマネージャーも寒さに震えながら遠くからきれぎれの言葉をメモ。不十分なところはごめんなさいとのこと。織田弁護士が先ほどの裁判についてされた説明の要点は次のとおり。
□ 最高裁の平成23年秋の合憲判決は途方もなくひどい。そこには騙しというかごまかしがある。最高裁は、「国民に苦役を強いるから違憲」という主張について、弁護人がそのことは上告の理由にはしないと明言していたのに、あたかもその主張をしていたように装って「憲法の禁じる苦役ではない」と断定したもの。裁判所としてどんなことがあってもしてはいけないことを最高裁自身がやった。これは「最高裁判例」などと言えるしろものではない。
□ 今日の裁判で、裁判長は「立法事実は何か」と被告に尋ねた。立法事実とは変な日本語だが、立法に関わる人の間で使われる専門用語。その法律を制定する具体的な社会的必要性がどこにあるのかを説明する時に使う。
□ 裁判長は「原告は立法事実はなかったと言っている」と言い、どう答えるのかと被告に迫った。被告代理人は「立法事実については十分主張したつもり」と答えた。でも裁判長は「立法の趣旨や目的の説明があっただけで、立法事実の説明は特になかったのでは」と言った。実際を言うと、国会ではそんな議論は何一つ行われていない。
□ 裁判長は、「日本の刑事裁判に問題があるということで、この法律ができたんでしょう」というような言い方もした。でも、そんなことは裁判員法も最高裁も言っていない。逆に、日本の裁判は正統に行われてきたと言っている。
□ 国側は、次回、立法事実について何か言ってくるのだろう。当然反論する。司法制度改革審議会の委員だった井上正仁氏は、「今の裁判はよくできている。常識がないというがそんなことはない。あまりにもプロ過ぎるので、素人を入れたらいいんじゃないか」というようなことを言っていた。つまり立法事実などないと言っていたに等しい。
□ 外国にもあるのだから日本にも国民参加があってよいのではという程度の理由で登場し、陪審派との妥協の産物として井上さんや佐藤幸治さんが強調してできた。必要性があってできたものではない。
□ この裁判は、最高裁の騙しの手口に切り込むものになっている。今日の裁判ではそのことが明らかになった。また、国は第1回口頭弁論期日には、原告が裁判員を務めたために急性ストレス障害になったという原告の主張を争うと言っていたが、今回は因果関係は積極的には争わないと言ってきた。
□ 国側の今日の主張は、「国会では審議を尽くした」というそれだけだった。これ以上、下手なことを言ってボロを出す前に早く弁論を打ち切らせたい、となって被告代理人は早く結審をと求めたのだ。
□ 裁判長は、平成17年の最高裁判決に基づいて判決すると言った。被告代理人は、「国会議員が十分審議を尽くしたのだから、国会議員には過失がない」と主張することで、言い分が通るのではないかと考えている。
□ 国が結審を求めてきたのには驚いたが、もしかしたらという気持ちはあった。反対に第1回期日に、請求の認諾、つまり訴えを認めるというのもあるかもしれないと思っていた。今日、国は、原告本人の調べもしないうちに結審することを裁判所に求めた。到底認められない。何としても本人尋問を実現したい。
*次回口頭弁論は、来年3月4日午後2時から、福島地裁です。Aさんと弁護団支援の傍聴をよろしくお願いいたします。
投稿:2013年12月14日
福島地裁郡山支部で強盗殺人事件の裁判員を務めた後、「急性ストレス障害(ASD)」と診断されたAさんが慰謝料などを求めた国家賠償請求訴訟の第2回口頭弁論が12月10日、福島地裁で行われました。
9月の第1回口頭弁論に引き続き、この第2回口頭弁論についても、私、インコのマネージャーが傍聴・記者会見参加をしましたので、全4回(その1=口頭弁論傍聴記、その2=記者レクの状況、その3=被告準備書面、その4=原告準備書面)にわたって報告させていただきます。
今日はその1 口頭弁論傍聴記です。
14時、福島地裁に到着。玄関には「裁判所」と書かれた腕章をつけた3人が待機している。寒いのにコートも着ずにご苦労なことです。ロビーは閑散としており、職員3~4人と傍聴希望者と思われる数人の人がいるだけ。
14時10分、この時点での傍聴希望者は10人。それでも一列に並ばされる。「最後尾」と書かれたプラカードを持った職員に「マスコミは来ていますか」と尋ねると、「まだ来てません」という返事。別の職員が人数を数えて、10人しかいないことを確かめた上で、傍聴整理券の交付(いやいや、この時点で座席は余ることが分かっているはずなのに)。さらに別の職員と、その整理券と傍聴券をその場で引き換え(いやはや、もうこうなったら儀式ですね)。
その後、職員から傍聴に当たっての注意事項の説明がある。
□録音・録画の禁止。
□入廷後、退廷した場合の再入場は認めない。
□35分になったら法廷に案内するので、それまでにトイレ等済ませておくように。
□座席は34席なのでまだ余裕があるが、遅れて来た人には法廷前入り口で傍聴券を先着順に配付するので、もし遅れてくる知り合いがいればそのように連絡のこと。
□傍聴券ウラの注意事項をよく読んでおくように。
14時30分、原告代理人の織田信夫弁護士、佐久間敬子弁護士、そして原告のお連れ合いのAさん到着。でも、Aさんご本人に姿が見えない。どうされたのかとちょっと心配。
14時35分、裁判所職員に引率されてぞろぞろと206号法廷へと入った。その後、「記者」の腕章をつけた人たちがバラバラと入ってくる。
結局、マスコミは13社、一般傍聴人は13人(もしかしたら後、1~2人増えていたかも)でした。
織田弁護士と佐久間弁護士が入廷。その後、6人の被告代理人が入廷。事務官、書記官、3人の司法修習生、そして裁判官3人が入廷してきた。
1 主張の陳述
裁判は原告と被告が準備したそれぞれの主張の陳述から始まった。
□ まず、被告の主張に関する裁判所とのやりとり。
・裁判長
10 月25日付けの第1準備書面を陳述しますね。
・被告代理人
はい、陳述します。
・裁判長
認否の補足のほか、裁判員法案の審議過程などを述べたものですね。
・被告代理人
そうです。
(何とこれで終わり。書面は20頁もあるのに! 「認否の補足」って何のこと。「裁判員法案の審議過程」って何が書いてあるんだ。被告が何を主張したのかほとんどわからない。傍聴席にいても何が議論されているのかわからないんじゃ、傍聴にはならない。この被告準備書面については次の報告で詳しく説明します。乞うご期待)
□ 続いて、原告の主張に関する裁判所とのやりとり。
・裁判長
さて原告です。11月12日付けの準備書面(2)を陳述しますね。
・織田弁護士
はい、陳述します。準備書面の内容の要点をここで述べたいのですが…。
・裁判長
被告はよろしいですね。では、どうぞ。
・織田弁護士
要点を述べます。
(織田さんはさすがに被告とは違う。用意してきた準備正面の要点を述べる。書面は32頁におよぶ大部なもの。要点を明確にして裁判所や傍聴人に理解してほしいという気持ちが溢れている。要点は次のとおり。太字はインコがつけました)
原告準備書面(2)要約
① 裁判員法、またその中の裁判員強制に関する規定には立法事実即ちその法律を必要とする社会的、経済的事実もない。そのことは裁判員制度を廃止しても国家も国民も全く困るものではないことからも明らかである。裁判員法は病気でもないものに劇薬を与えるようなものである。
② 裁判員法の国民強制規定は国民に苦役を強いるもの以外の何ものでもない。最高裁平成23年11月16日大法廷判決は上告趣意とされていないものを敢えて上告趣意とし憲法裁判所的に判決しているものであり、国民を欺罔する違憲の判決であって何ら判例としての価値を有するものではない。
③ 裁判員法の国民強制規定は職業選択の自由を侵すものである。被告はこの職業選択の自由の意味を履き違えている。
④ 同じくその強制規定は国民の幸福追求権という国民として最も大切な権利を何の根拠もなく侵すものである。
⑤ 国会の立法行為の違法性と責任は他の公務員についての場合と比較して特段に差等を設けるべきものではない。最高裁の判例も変遷し次第に広くその責任を認める方向になっている。仮に明白性の原則が要求されるとしても、国会議員は裁判員法の人権侵害に気付くべきであったし、また容易に気付き得た。国会の立法の不法行為責任は免れない。この立法に賛成した議員の有志は施行直前にこの法律の問題性に気が付き、超党派で「裁判員制度を問い直す議員連盟」を発足させている。
⑥ 今回の原告の受けた被害は裁判官や検察官の違法行為によるものではなく、罰則の脅しをかけて裁判員に国民を強制するという違憲の立法行為に起因するものである。
⑦ 被告の平成25年10月25日付準備書面による主張は、国会審議において国民を裁判員に強制する憲法問題については殆どといってよいほど議論されなかったことを会議録から証明していることを認めるものである。
⑧ 国民に強制をかけなければ国民が裁判員として集まらないことは明らかだが、問題は強制しなければ国民が集まらないような違憲の制度を作ることがそもそもおかしい。本裁判は国民を救うか裁判員制度を維持するか二者択一をせまる裁判である。
(この原告準備書面についても、あらためて詳しい内容を報告させていただきますので、お待ち下さい)
2 証拠の確認
さて、主張の陳述の手続きが終わると、双方が提出した証拠の確認に入った。
□ 被告が提出した証拠は、国会の審議経過を示す会議録。
(これだけの重大な立法にしては会議録は大した量じゃない。大きめのファイルに収まってしまう程度のもの。なんだかなぁ~。国会のいい加減さはこんなところにも出てるよね)
□ 対する原告提出の証拠は、裁判員制度の制定に関連する様々な文献など13点。
(裁判員制度の制定に関する問題点を明らかにする専門家の文献など)
3 被告への質問
主張と証拠の手続きが終わったところで、裁判所は被告に尋ねた。
・裁判長
原告の「立法事実の欠如」の主張に対し、被告はどう対処する考えですか。
(「立法事実」というのは、わかりにくい言葉だけど、法律を作らなければならない理由や事情のことを言うらしい。織田さんたちは、裁判員法を制定しなければいけない理由・事情はなかったと主張している。この主張に被告はどう答えるのかという裁判所の質問)
・ 被告代理人
被告の主張はすでに明らかにしており、特に反論の必要はないと考えております。速やかに結審していただきたい。
(えっ。裁判は始まったばかりなのに、もう終わりにしてほしいって言うの?! 裁判長は被告代理人の応答に一瞬天井を仰ぎ、困ったなという表情を示した。これはおもしろくなってきましたね)
・裁判長
被告が主張したとおっしゃっているのは、答弁書中の「立法理由、立法過程」の記述のことでしょう。原告が言っているのは、そういうことではなくて、立法を必要とする社会的事実がないのに立法したではないかということなのですよ。その主張に対して反論をしないのかと聞いているのですが。
・被告代理人
自明のことと考えていました。しかし、裁判所がそうおっしゃるのであれば、主張を検討します。
(自明っていうのは、言わなくてもわかっているっていう時に使う言葉でしょ。私、思わず吹き出しました。これはおもしろくなってきましたね)
・裁判長
平成17年の最高裁判決が言う違法性の判断をする上で、立法事実の存否は重要な間接事実になると裁判所は考えています。裁判員法の立法時には刑事裁判の在り方への批判があってこの法律ができたはずです。当時の刑事裁判への批判についてもこの裁判の中で議論させてもらわないと、憲法適合性の適切な判断ができなくなると考えているのですが。
(えっ?えっ?えっ? 何のこと、何のこと。「立法事実の存否」問題は大事だと思うけど、裁判員法を制定した時に、「刑事裁判の在り方への批判があるのでこの立法が必要だ」なんて最高裁も法務省も全然言ってなかったでしょ。裁判所は、国に「この国の裁判はえん罪や間違った裁判が多いので国民の裁判参加で状況を変えようとしたと言わせたいのかしら。まさかね。この国の裁判は正統性がある立派なものなのだけれど、国民がよく理解できていなくて国民の支持も十分でないために困った状態が生まれている。それを直すのにどうしても裁判員法の制定が必要だと言わせたいのだとしても大議論になるのは必至。こういうやりとりが出てくるから裁判は「生き物」なんですね。そう、「平成17年の最高裁判決」っていうのは、国会が定めた法律の間違いを根拠にして国の責任を追及できるのは、よほどの事情がある場合に限られるって言った最高裁大法廷の判決のことですね)
・被告代理人
裁判所の問題意識を前提に考えます。
・裁判長
被告として反論の準備をすると理解してよいでしょうか。
・被告代理人
結構です。
(ここで織田さんは黙って引き下がりはしませんでしたね)
・織田弁護士
裁判長の発言について一言。裁判員法の制定時に「刑事裁判の在り方への批判があった」というようなご指摘がありましたが、政府の説明の中にはそのような指摘は一切ありませんでした。むしろ刑事裁判には問題がなかったと言っていたのです。裁判所はどういう方向で被告の主張を求めようとしているのでしょうか。
・裁判長
いやいや、何か前提をもって尋ねたのではありません。 誤解を招かないように今の私の言い方は撤回します(あいまいに笑って)。
4 次回期日
審理が終わる。
・裁判長
では、反論は来年1月14日までにして下さい。また、原告はそれに反論があれば出して下さい。次回期日は来年の3月4日午後2時にします。本日はこれで終わります。
(審理時間約20分)
裁判終了後、Aさんに、Hさん(原告)がどうして来られなかったのかお尋ねしたところ、娘さんが出産されてそのお世話で来られなかったとのこと。安心しました。
写真は、マスコミ取材を受け、最高裁判所の前で、裁判員制度必ず廃止の決意のガッツポーズをするインコ 撮影@マネージャー
投稿:2013年12月12日
またまた、お会いしましたね。掛け値なしにうれしいインコ、鳥の目にもダダ漏れ涙。ハウツー本で貫徹のつもりでいたところに、映画愛好家協会裁判員制度問題協議会(映裁協)から、殴り込み、もとい丁重なるご要請がございました。「ハウツー本需要人口より映画愛好者人口の方が多い。裁判物映画がいったい何本あると思っているのか」と。はいはいはいはい。何か言わなきゃ申し訳が立ちませぬ。インコ、評判映画をご披露して責めをふさがせていただきます。これはほんのお口直しのハウツー本千秋楽。よろしくおたの申します。
巻き添えに遇った名俳優・名女優・名映画会社の皆々様には、この狼藉、万死に値しますわいなぁ。かくなるうえは、腹をかっさばいてお詫び申し上げたいところでございまするが、羽毛がじゃまして思うように腹切れませぬ。
□「四十九日の裁判」
母が亡くなりそれぞれに傷を負いながらも、再生への道を歩み始める家族の姿を描き出す。新旧の演技派俳優が豪華共演を果たした裁判員批判ドラマが胸を打つ。
熱田良平が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、イモが熱田家を訪問する。裁判員を務めた亡き妻から四十九日も続いた裁判員裁判の間に書き留めた日記を預かっていたが、やはりご遺族に届けねばと思って持参したと言う。そんな記録の存在に良平は目を白黒させる。評議の秘密は墓場まで持って行けと言う最高裁の厳命に妻は背いたのか。そこへ夫が起こした交通事故で責任を問われ、刑事裁判が始まるという娘の百合子が東京から戻って来て……。
▲
「四十九日のレシピ」
母が亡くなりそれぞれに傷を負いながらも、四十九日までの日々を過ごす間に再生への道を歩み始める家族の姿を描き出す。新旧の演技派俳優が豪華共演を果たした繊細な人間ドラマが心に響く。
熱田良平(石橋蓮司)が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、派手な身なりのイモ(二階堂ふみ)が熱田家を訪問する。突然現われ、亡き妻から四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっていると言い彼女の存在に良平は目を白黒させる。そこへ夫(原田泰造)の不倫で、離婚届を突き付けてきた娘の百合子(永作博美)が東京から戻ってきて…
□「裁かないで」
ベストセラー詩集「裁かないで」「十戒」を基につづる感動の物語。90歳を迎えて裁判員反対を訴える詩を書くようになった主人公の山あり谷ありの半生や、彼女を取り巻く家族にまつわるドラマを優しく見つめる。悪を悪と断じながら温かく優しく語る詩人の言葉に勇気をもらう。
理髪店を営んでいた夫が戦時中に米兵を傷つけた罪でBC級戦犯として死刑にされたトヨ。以来ひっそりと生活していたが、理不尽な父の死にすべてを信じられなくなりふらふらしている一人息子の健一のことがいつも気がかりだった。その健一が殺人事件の裁判員に呼び出され、僅かの日当に惹かれて10日間も裁判所に通った。嫁の静子は黙って健一を支えたが、トヨは終始暗い顔で彼に接していた。そんなある日、元気のないトヨにいきなり健一が言った。「オレ、ひと殺しちゃったよ……。
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「くじけないで」
柴田トヨのベストセラー詩集「くじけないで」「百歳」を基につづる感動の物語。90歳を迎えて以降に詩を書くようになった主人公の山あり谷ありの半生や、彼女を取り巻く家族にまつわるドラマを優しく見つめる。心が浄化されるような温かくて優しい詩人の言葉に勇気をもらう。
夫に先立たれたトヨ(八千草薫)は一人で生活していたが、小説家を目指して就職もせずにふらふらしている一人息子の健一(武田鉄矢)のことがいつも気がかりだった。嫁の静子(伊藤蘭)は黙って健一を支え、トヨにも精いっぱい尽くしていた。ある日、白内障の手術を受けて元気のないトヨに、いきなり健一が詩を書くように勧める。
□「THE ICEMAN 氷の処刑裁判官」
心優しき家庭人という裏の顔と、冷酷な裁判官という表の顔をもった実在の鉄血裁判官利茶括(りちゃ・くくり)を描いたクライムドラマ。2010年代、東京で妻と2人の子に囲まれ幸せに暮らす彼は、官舎内でも評判の良き夫、父親だった。しかし、一旦法壇に登ると家族には想像もつかない言葉を弁護人にも検察官にも吐きかけ、一部からは地獄の裁判官とか殺し屋裁判官とかの異名もとっていた。彼が死刑判決を言い渡した件数はこれで何件などと数え上げる人々が少なくなかった。だが、その彼が裁判員たちに向ける視線の優しさはこれも評判だった。氷のような法廷での表情と裁判員たちと笑い興じながらアイスクリームを頬張る風を結びつけて、彼は「アイスマン」の異名をとった。表と裏の2つの顔を使い分ける様を、「変人役」に長じた津川雅彦の怪演で見せる。
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「THE ICEMAN 氷の処刑人」
心優しき家庭人という表の顔と、冷酷な殺人者という裏の顔をもった実在の暗殺者リチャード・ククリンスキーを描いたクライムドラマ。1960年代、米ニュージャージーで妻と2人の子に囲まれ幸せに暮らすククリンスキーは、近所でも評判の良き夫、父親だった。しかし、その裏では家族さえも知らない一流の殺し屋として約20年間で100人以上を殺害していた。死亡日時を判定されないよう、殺した相手の遺体を冷凍保存することから「アイスマン」の異名をとったククリンスキーが、表と裏の2つの顔を使い分ける様を、「テイク・シェルター」「マン・オブ・スティール」のマイケル・シャノンの怪演で見せる。
□「そして真犯人が現れる」
犯人の取り違えという出来事に遭遇した家族を通して、愛や絆、家族といったテーマを感動的に描くドラマ。順調で幸せな人生を送ってきたものの、運命的な裁判員体験をきっかけに苦悩し成長する主人公。妻は忌まわしい過去は忘れよと言う。予期しない展開に家族が何を思い、選択するのか注目。
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多。順風満帆な人生を歩んできたが、裁判員として有罪判決の言渡しに関わった事件で、別の男が真犯人と名乗り出たことが判明する。やはり無罪にすべきだったのか、あのときの判断としてはあれで仕方がなかったのか。葛藤の中で家族が苦悩し……。
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「そして父になる」
子どもの取り違えという出来事に遭遇した2組の家族を通して、愛や絆、家族といったテーマを感動的に描くドラマ。順調で幸せな人生を送ってきたものの、運命的な出来事をきっかけに苦悩し成長する主人公を、大河ドラマ「龍馬伝」や『ガリレオ』シリーズの福山雅治が演じる。予期しない巡り合わせに家族が何を思い、選択するのか注目。
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。
□ 「悪の制度」
豪華スターが共演した心理サスペンス。報酬の魅力に惹かれて裁判員裁判の弁護活動に手を出した弁護士たちが、危険な仕組みにハマり堕(お)ちて行く姿を描き出す。セレブリティーたちを破滅へと追い込む謎の黒幕の存在はもとより、予想だにしないラストに驚がくする。
東京都心で弁護士をしている通称・裁判陰男は、恋人ひな子との2度目の結婚も決まって人生最後の絶頂期にあった。彼は財界の大立て者・米倉涼男と手を組み、裏社会の安倍仲麻呂も交えて新裁判員ビジネスに着手する。その仕事は巨額の利益を生むはずが……。
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「悪の法則」
豪華スターが共演した心理サスペンス。欲望に駆られて裏社会のビジネスに手を出した弁護士とその仲間たちが、危険なわなにハマり否応なく堕(お)ちて行く姿を描き出す。セレブリティーたちを破滅へと追い込む謎の黒幕の存在はもとより、予想だにしないラストに驚がくする。
メキシコ国境付近の町で弁護士をしている通称カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、恋人ローラ(ペネロペ・クルス)との結婚も決まり人生の絶頂期にあった。彼は実業家のライナー(ハビエル・バルデム)と手を組み、裏社会のブローカー、ウェストリー(ブラッド・ピット)も交えて新ビジネスに着手する。その仕事は巨額の利益を生むはずが…。
□「MAYAKASITA マヤカシータ」
元大物裁判官とと現役やくざの対立を描くクライムコメディー。公安調査庁の保護プログラムのもとで生きる元最高裁長官が、裁判員裁判で殺人者と断罪されえん罪だと訴える殺し屋グループから生命を狙われて壮絶な戦いを繰り広げる。
長官を退官して神楽坂の公邸から湘南の田舎町に引っ越してきた丈崎一家。主人の広光は裁判員制度を推進したことで多くの国民から恨みを買っているため、国の保護を受けながら各地を転々として暮らしている。そんなある日、広光に恨みを持つ元被告人の鈍が彼の居場所を特定し、殺し屋軍団を送り込むが……。
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「MALAVITA マラヴィータ」
元大物マフィア一家と現役マフィアとの対立を描くクライムコメディー。FBIの証人保護プログラムのもとで偽名を使い、世界を転々とする元大物マフィアファミリーがマフィアの雇った殺し屋グループとの壮絶な戦いを繰り広げる。
フランスのノルマンディー地方の田舎町に引っ越してきたアメリカ人のブレイク一家。主人のフレッド・ブレイク(ロバート・デ・ニーロ)は元マフィアで、FBIの証人保護プログラムを適用されているため、一家は世界中を転々としながら暮らしている。そんなある日、フレッドに恨みを持つマフィアのドンが彼らの居場所を特定し、殺し屋軍団を送り込むが…。
□「家具屋の娘たち」
日本司法最悪の制度といわれる裁判員裁判を題材に、制度推進のスター役を買って出た家具屋の娘たちの犯した罪、そして、罰とは何かを描き出す。主人公は仲間行恵、長谷川街子、上戸怪の3人娘。2013年11月に介護疲れで他界した俳優の石坂浩次が、作画完成前に声を収録するプレスコ方式で生前に収録を済ませており、3人娘を見つけ育てる翁役として声優出演を果たした。娘たちはなぜ裁判員制度のスター役を選んだのか……。
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「かぐや姫」
日本最古の物語といわれる「竹取物語」を題材に、「罪を犯したために、この地に下ろされた」とされてるかぐや姫の犯した罪、そして、罰とは何かを描き出す。主人公のかぐや姫役の声優は新進女優の朝倉あき。2012年6月に他界した俳優の地井武男が、作画完成前に声を収録するプレスコ方式で生前に収録を済ませており、かぐや姫を見つけ育てる翁役として声優出演を果たした。姫はなぜ地球を選んだのか…。
□「司法転覆資金」
サスペンス。裁判員制度を立ち上げた秘密組織M機関をめぐる陰謀と戦いに巻き込まれていく男の姿を活写する。豪華な顔ぶれが結集。彼らが見せる演技合戦はもちろん、壮大で緻密な展開のストーリーも見もの。
司法改革の柱・裁判員制度を画策した秘密組織M機関。それをネタにした謀略を展開してきた佐藤幸治は、松尾浩也という青年から彼が所属する日本国際文化信仰会なる財団の人間に会うよう迫られる。だが、財団のビルに足を踏み入れた瞬間、井上正仁が率いる防衛省秘密組織の一団に襲撃される。松尾の助けを借りて逃げ出した佐藤は、そのまま竹崎博充という男に引き合わされ、50億円の報酬と引き換えに某投資ファンドが管理する10兆円もの資産を持つM機関の奪取を持ち掛けられる。
▲
「人類資金」
サスペンス。いまだ、その存在が議論されている旧日本軍の秘密資金、M資金をめぐる陰謀と戦いに巻き込まれていく男の姿を活写する。豪華な顔ぶれが結集。彼らが見せる演技合戦はもちろん、壮大で緻密な展開のストーリーも見もの。
終戦後、ひそかに回収されたというM資金と呼ばれる旧日本軍の秘密資金。それをネタにした詐欺を行い続けてきた真舟(佐藤浩市)は、石(森山未來)という青年から彼が所属する日本国際文化振興会なる財団の人間に会うよう迫られる。だが、財団のビルに足を踏み入れた瞬間、高遠(観月ありさ)が率いる防衛省秘密組織の一団に襲撃される。石の助けを借りて逃げ出した真舟は、そのまま本庄(岸部一徳)という男に引き合わされ、50億円の報酬と引き換えに某投資ファンドが管理する10兆円ものM資金の奪取を持ち掛けられる。
投稿:2013年12月8日
多くの方から
・ 原稿を郵便で送りたい
・ インコに餌代を送ってあげたいんだけど…
という問い合わせがありました。
よく考えたら、一部100円という「ストレス障害国賠訴訟」のパンフも依頼のあった人には無償で送付しているありさま…。
みかねたインコ支援者のみなさまのご尽力で、このたび、事務所&郵便口座を開設することができました。
郵便物などはこちらへ↓
〒102-0085
東京都千代田区六番町15-2 鳳翔ビル3階
裁判員制度はいらないインコ事務局
ただし次のものは受け取ることができません。
現金書留、着払い、代引荷物
本人確認が必要なもの、配達証明など
生もの、チルド・冷凍食品
カンパはこちらから↓お願いいたします。
ゆうちょ口座番号 01760-4-127012
郵便ATM 店番 179 当座預金 口座番号 0127012
名義:裁判員制度はいらないインコの大運動
投稿:2013年12月7日
「法と心理学会」の一古参会員
私は法と心理学会の創立当初の時期からの会員です。「心理学者は何のために分析に精を出すのか」を興味深く読みました。学会の機関誌「法と心理」第13巻第1号には、この論考のほかに、「有罪・無罪判断と批判的思考態度との関連」というタイトルの論文が掲載されています。関西学院大学大学院文学研究科応用心理学研究センターの社会心理学の博士研究員や文学部の社会心理学の教授が執筆したものとのことです。考えさせられました。ご紹介しながら私の感想を申し上げます。
一般市民の多くは制度に消極的であることがいくつかの調査結果に出ているとし、2005年の調査で70%が裁判に参加することに否定的であり、施行が近づくにつれこの傾向はさらに強まったとしています。そして消極の理由は、「被告人の運命を決めるのは責任が重い」が75%、「素人には不安」が64%、「判断が難しそう」が46%などと高位に並んだと報告し、研究者が一般市民を対象に実施した裁判員制度に関する意識調査では「制度そのものに対する消極」がトップを占め、教育を受けた年数が短いほど自身の能力・資質に関する不安が高くなることもわかったと報告しています。
論者は、陪審制のもとで行われている「陪審員はどのような意識で裁判や評議に関わっているか」という研究を下敷きに分析をしているようです。裁判員の個人特性が評決の判断に及ぼす影響に焦点をあてたいが、わが国にはデータがほとんどないので意思決定の実験を踏まえた分析を行ったと説明しています。
論者は、妥当な判断を下すことに関連する個人要因として、「批判的思考態度」を取り上げます。それは証拠の分析、問題解決、意思決定などの高次の論理的思考で、自身の推論の過程を意識的に吟味し、「信念」で結論を固めてしまわない柔軟な姿勢を言うものらしい。市民1500人を相手に批判的思考態度を測定したところ、高学歴の人ほど得点が高かったという別の学者の報告をも踏まえ、論者は批判的思考態度が刑事裁判の妥当な判断に大きく関連すると推論し、また、情報の取り入れ方の個人差として、ストーリーを追うものと証人や被告人などの人自体によるものとがあり、前者の方が適切な評議を導くのに効果的だという陪審評議研究を引いています。
この分析を前提として、論者は批判的思考態度が高い人は公判で得られる情報をストーリーで自身のものにする一方、批判的思考態度が低い人は公判で得られる情報を人を見て判断する傾向が強いという仮説を立て、大学生144名を対象とする公判シナリオを使った実験でその仮説を検証します。
覚せい剤密輸の事案で、怪しげな人たちの怪しげな行動が続くが、しかし確かな証拠が乏しいという事件のシナリオを読ませて有罪・無罪の判断を求めたところ、有罪が67名、無罪が77名だった。詳しい説明は省略するがおおむね仮説が支持され、無罪とした人の方が有罪とした人よりも批判的思考態度が高い傾向があり、バイアスのかかった情報に流されずに妥当な判断を行うには、論理的な思考への自覚や客観性を重視する態度が重要だということになりました。
論者はまた、論理的思考や心理学的知識に加えて法的知識も欠かせない要素だと指摘し、裁判官が法律に関する説示を丁寧に行い最低限必要な知識を裁判員に伝えた上で評議を開始するような工夫が求められるとしています。
さらに、批判的思考態度の得点が低く有罪判断をした人の判断理由には「おかしい」「不自然」といった主観的な表現が多く、それが妥当な判断を妨げているとした上で、しかし最高裁は「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」というような「司法への主観の持ち込み」を認めているとし、客観的判断と主観的判断の相互関係について制度設計に関わる法曹界と心理学などの関係分野の専門家が議論を深める必要を指摘しています。
論者のまとめは「有罪・無罪の判断に影響を及ぼす個人要因として批判的思考態度に注目し、批判的思考態度と有罪・無罪判断の組み合わせによって判断理由の特徴が異なることを示した。法曹にとっても一般市民にとってもこのような特徴を知ることは有意義であろう」というものです。そして今後の展望として、裁判官と裁判員の評議により評決が下される裁判員制度の特徴を考えると、裁判官と裁判員の関係性(影響)を検討してゆく必要が大きいとも指摘しています。
私の不十分なご紹介はこれで終わりです。裁判員制度についてよく理解できていませんし、その良し悪しもはっきり言えない私ですが、読後感をひとことで言うと、心理学者の皆さんはどうして裁判員制度の表層部で考えるのだろうということです。
論者は、「一般市民が抱く不安を低減し、制度が受け入れられる土壌づくりを進める必要がある」と言います。一般市民はなぜ裁判員制度に不安を持ち厳しい評価をするのかという点に、専門家としての関心をどうして向けないのでしょうか。心理学という学問は、ものごとの本質を考えることよりも、ある方針が示されるとその方針の実現のためにどうするかを考える科学なのだと言ってしまえば身も蓋もありませんが、こういう論文を読んでいるとついそんな感想をいだいてしまいます。
論者の指摘を私なりに整理すると、「裁判員裁判では批判的思考態度が求められる。それが低いと有罪に流れる危険がある」というものです。それはきっとそうなのでしょう。しかし、実際の裁判員たちは無作為に選ばれた市民によって構成されていますから、批判的思考態度の高い人も低い人も社会的分布の実情に比例して参加することになります。それが裁判員制度の本質的特徴の筈です。制度を作った法務省や最高裁などがそれでよいと言っていることを論者はどう考えるのか、そこに焦点をあてないのが私には不思議で仕方がありません。
法律知識を相応に持ち批判的思考態度が高いと思われる一定の職業の人々について裁判員法は裁判員になることを禁じる一方、「私の感覚」での参加を推奨していることからすると、この制度のもとでは批判的思考態度なるものは、重視されていないか相対的に軽視してよい要素とされていると見た方がよいでしょう。
心理学者の皆さんには、裁判員制度の現実に即し、そして何よりも検討することに意味のある議論をしてもらいたいものだと思います。
投稿:2013年12月5日
東京・板橋区の主婦が昨年11月に自宅で刺殺された事件の裁判員裁判。11月29日、東京地裁は強盗殺人罪に問われた被告人の男性(23歳)に求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
公判廷で被告人は「盗むつもりで侵入したが、殺すつもりはなかった」と殺意を否認。しかし、判決は、被害者の傷の深さなどから確定的な殺意(未必でない殺意)があったと判断した。被告人は、主婦を脅してキャッシュカードの暗証番号を聞き出した上、持っていたナイフで殺害、奪ったキャッシュカードで、口座から26万円ほどを引き出したという。
判決はまた、被告人が昨年9月から11月にかけて、区内でほかにも強盗傷害や空き巣などの犯行におよんでいると認定。「空き巣を繰り返し、強盗殺人におよんだ。殺害に計画性はないが、動機に酌むべき事情はない」と。
この裁判は、裁判員の心理的な負担を減らすためとして、裁判長が裁判員の選任手続きの段階で、遺体などの写真が証拠に出てくることを候補者たちに説明したことで注目された。
判決後の共同記者会見では、裁判員を務めた女性会社員は、「急性ストレス障害を発症した裁判員経験者がいることから辞退も考えた」と明かした上、「裁判官から『写真は最小限に限り、見せ方も工夫している』と言われ、安心して臨むことができた」と話した(『読売新聞』11月30日)。
つまりこの裁判は、福島地裁郡山支部の外傷性ストレス障害国賠提訴にビックリ仰天、慌てふためいた最高裁が、東京地裁の裁判官たちに裁判員の精神的負担を軽減する方策を考えさせ、彼らが編み出した負担軽減策を全国に知らせ、実際の裁判員裁判をその方式でやらせてみた東京での第1回の法廷ということね。
それにしても何から何までうさんくさい話やねぇ~。
その1。大善裁判長の唯々諾々ぶりはいったい何? ここには裁判の独立などかけらもない。東京地裁の裁判官には、この裁判は自らの誇りをかけて取りしきる自分たちの裁判だという意識が爪の先ほどもないということがよくわかる。もっともそんな誇りがあるなら、素人が同席して同じ仕事をすると言われた時点、裁判員裁判が導入される前に反対しているでしょうけどね。
その2。共同記者会見でマスコミはどれだけ真実を追求したのか。何人が会見に出て、何人がしゃべったのかもはっきりしない。ストレス国賠であれほどあわてた最高裁の緊急対応について、現場にどういう変化が生まれているかを報道するのはマスコミの義務だろう。記者会見に応じた裁判員や補充裁判員がほとんどいなかったとしたら、そのことに関心を寄せ報道するのもあなたたちの責任ではないか。これじゃあインコのツイッターにはマスコミじゃなくて「マスゴミ」だとよく入ってくるけど、そうと言われても反論できないよね。
その3。そしてこの裁判員だ。一旦は辞退も考えたのにやることにしたのは、「裁判官から『写真は最小限に限り、見せ方も工夫している』と言われたから安心して」と話したという。「最小限」とは、また「見せ方を工夫する」とはどういうことか。どうしてそれで安心できたのか。普通の市民はその程度の言葉ではとても安心などできない。この程度の説明で安心できる人というのは、もともとそのような場面の写真を見てみたかったというような特殊なお方なのではなかろうか。
その4。最大の問題はこんな手直しを画策した裁判は本当の刑事裁判かということ。20枚の写真を5枚に絞ったのなら、捨てた15枚の写真はいったい何だったのか。警察は税金をムダにして無用の写真をたくさん撮ったことになるの? カラー写真をモノクロにして工夫したとすれば、わざわざ金をかけて裁判員の印象を薄める努力をするというのはどういうことかという問題が出てくるはず。これで良いわけがない。
結局、刑事裁判を「判断者が衝撃をあまり受けず負担をさほど感じないで」関わるものにし、刑事判決を「判断者が衝撃をあまり受けず負担をさほど感じないで」言い渡すものにするのは刑事裁判の自滅以外のなにものでもない。
投稿:2013年12月3日
ストレス国賠訴訟の第2回口頭弁論期日が近づきました。12月10日です。みなさま、覚えていて下さいましたよね。今回はどんな裁判になるのでしょう、裁判に先立って前回の法廷の模様を簡単に整理しておきました(きちんと確認したい方々は、「ストレス障害国賠訴訟はじまる その2-口頭弁論やりとり」をご覧下さい。)。
裁判員をつとめて死刑判決言渡しに関わる結果となり、外傷性ストレス障害に罹った郡山市在住のAさんが国を相手取って国家賠償請求の裁判を起こしました。訴訟代理人は仙台市に事務所を持つ織田信夫さんと佐久間敬子さんです。
当日は、まず織田さんが次のような内容の訴状を陳述しました。超簡単にまとめてしまいましたが、本当ははるかに詳細です。
現場のカラー写真をたくさん見せられ、被害者の断末魔のうめき声まで聞かせられ、Aさんは心の平静を奪われた。裁判の初日の昼食時から吐き、夜は眠れなくなった。フラッシュバック。判決後にますます状態は悪くなり、裁判所に電話してもまともな医療アドバイスもしてくれなかった。自身の判断で受診した地元の心療内科で「急性ストレス障害」と診断された。このような結果になったのは、裁判員法に基づく強制が原因だ。裁判官でもない自分にこのような判断をさせる制度を決めたことに最大の問題がある。裁判員法は憲法18条が禁じる「苦役」そのもの。最高裁が裁判員制度は憲法が禁じる「苦役」にあたらないという判決を出しているが、ケースが違う判決の判断を引用するのはおかしい。裁判員を国民に強制するのは、職業選択の自由を規定した憲法22条にも違反する。裁判員法案は両院合わせてわずか12日しか審議されなかった。とりわけ憲法問題にはほとんど触れなかった。それは国会議員の明確で重大な過失だ。このような立法の過失で私が被った損害を強いて金銭に見積もれば、180万円を下回らない。弁護士費用と合わせ200万円を責任の証しとして私に支払うことを求める。
これが訴状。初めて読まれる方にお尋ねします。
国は何と答えたと思われますか。「どうもすみませんでした」って言ったでしょだって?。
とんでもない。答弁書を見ると、それこそ人をバカにしているって言うか、はらわた煮えくりかえりよ。
Aさんが裁判員として受けたなんたらかんたらの苦痛だとかの事実は、ぜんぶぜーんぶ知ーらないっ。国会の立法が違憲になって賠償の義務が生じるのは、よっぽどの例外的な場合だけ。裁判員法は、「国民の感覚が裁判内容に反映されたことで司法に対する国民の理解や支持が深まり、司法がより国民的な基盤を獲得できるようになる」という司法制度改革審議会のありがたーい提言を受けて、国会で十分審議された。最高裁も平成23年に言い渡した判決で、「裁判員の職務は参政権と同じような権限を国民に与えるもので、裁判員辞退も柔軟に認めている。ペナルティーも行政罰(過料)だけで刑罰は科さない。実力で裁判所に連行することもない」と言っていて、苦役でないことははっきりしている。
なんですって。Aさんの苦しみなんて考える気もないと? 立法が違憲になるのはよっぽどの場合しかないって? これがそのよっぽどの場合じゃなくて何なの。苦役ではないっていう最高裁の判決は、今回の事件の判断材料にはならないって織田さんが言ってたでしょう。それに答えなきゃ話にもならないだろ。最大の問題は、「国会で十分議論された」つていう話の真偽ですね。ホントのこと言うと審議期間が短いって盛んに言われている特定秘密保護法案の審議期間よりもずっと短かったんだよ。
織田さんは、次の説明をきちんとせよと国に要求しました。
1つ。国会で十分審議したと言うが、「十分審議」の内容を具体的に言え。
2つ。国民に義務づける合理的理由に関して国会がどう議論したのか明確に示せ。
3つ。裁判員法は辞退を認めていると言うが、ではストレス障害は自業自得なのか。
4つ。刑事罰や連行まではしないと言うが、ではそれらをしたら憲法違反になるのか。
・国に対して
-Aさんの説明要求に次回までに答えて下さい。
・Aさんに対して
-国会議員に過失があれば直ちに裁判員法は違憲になるのか、詳しい説明をして下さい。また、憲法18条(苦役の禁止)などに関する被告国の憲法論に対しても主張して下さい。
前回はそこまでだったのです。
第2回の口頭弁論期日は、この裁判所の要請に答え、自分たちとして補足して主張したいことなどを言う裁判期日ということになります。
国は何と答えるか。そしてAさんは何と攻めるか。
インコのマネージャーも正確無比の取材に向けてまなじりを決しています。インコも手羽先間違えた小手先の議論を徹底的に排し、何が議論されたのか、どこに問題があるのかをきちんと報告します。
12月10日午後3時、福島地方裁判所本庁舎。法廷に参加できる方はぜひご参加下さい。残念ながらできない方々はインコの報告を鳥肌立つ思いでお待ち下さい。今度も何回かに分けて徹底リアルレポートに徹します。ではでは。
投稿:2013年12月1日