~裁判員制度はいらないインコは裁判員制度の廃止を求めます~
久しぶりのハウツー本、今度はビジネス関係です。裁判員裁判という「人の不幸」を商売にする人たちがいます。利権のひとですなぁ。もうかりまっか、ぼちぼちでんなぁの世界です。さぁ、どうやって儲けるか。お代は見てのお帰り。どんどん入って、通路にも坐ってちょうだい。うしろが見えなくなるからね。
巻き添えに遇った名著・名著者・名出版社の皆々様には、月に10回土下座してお詫びつかまる。申し訳なくて、言葉もでません。
□「ストーリーで学ぶ裁判員思考入門―生活にすぐ活かせる10のフレームワーク」
クールビズ経営大学院 荒木又右衛門 大家門戸社 2013年9月21日
自分ならどうする? 今や身近になったマイ殺人とかマイ強盗殺人などを徹底的に理解して「裁判員の思考を生活に活かす方法」。さまざまな法廷を経験してきた現場の検察官が見聞きした裁判員の思考を取り上げながら、どこかの検察高官のご託宣のように、子どものしつけを解決する方法を指南! きっとよい子が育つぞう。
この本は関係ありません、ごめん
「ストーリーで学ぶ戦略思考入門―仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク」
グロービス経営大学院 荒木博行 ダイヤモンド社 2013年9月21日
自分ならどうする? 身近なストーリーから基本を徹底的に理解して「戦略的な思考を仕事に活かす方法」。さまざまな立場の現場のマネジャーが直面する仕事の悩ましいシーンを取り上げながら、経営戦略論を駆使することによって、リアルな仕事の難問を解決する方法を指南!
□「これだけ! 上から目線分析」
鈴木達矢 すばらしい舎 2013年5月22日
「日当」「説教」という言葉が選任期日に飛び交うことでわかるように、「日当もらって上から目線の説教」は、もはや「裁判員になりたい人たちの常識」と言えます。しかしいざ自分が裁判員になってみても、被告人を怒鳴りつけるだけだったり、ここぞと言う時に言葉が出てこなかったりする方がたくさんいらっしゃいます。 本書で発言タイミングや上から目線の手法を学び、質問や説教のレベルを一段あげて、裁判長に褒められるシナリオを手に入れてださい!
上に同じ
「これだけ! SWOT分析」」
伊藤達夫 すばる舎 (2013/5/22)
「強み」「弱み」という言葉が日常的に使われるようになっていることからもわかるように、「SWOT分析」は、もはや「ビジネスの常識」と言えます。しかしいざ自分がSWOT分析をやってみても、うまくいかなかったり、結果が活かせなかったりする方が非常にたくさんいらっしゃいます。 本書でSWOT分析や経営戦略の理解を深め、行動や施策のレベルを一段あげて、勝ち方のシナリオを手に入れてください!
□「1万円日当 片手間で裁判じゅうぶんな収入を稼ぐ方法、のウソ」
アタマ・切れ坊 あしたから辛社 2013年9月11日
「気がつけば、あなたも裁判員! 法律の知識はいらない。会社を辞めなくてもよい。主婦の方にも向いている…誰でも今日からできる手軽な方法です。◎覚せい剤取締法違反3日間 ◎強盗殺人5日間 ◎連続殺人75日」。本書は、そんな宣伝文句でその気になって裁判員を務めた方を取材し、実情を徹底調査したレポートです。登場人物のほとんどは、裁判員を務めたことを後悔しながらひっそりと暮らしていました。仕事を辞めなければならなくなった方や、PTSDで悩む人たちなどから聞いたのは「私たちはやっぱり裁判官をめざしていたわけなかったのだ」というくりごとでした。これは裁判員裁判の厳しい現実を教えてくれる貴重な教科書です。
上に同じ
「1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法」
クリス・ギレボー 飛鳥新社 2013年9月11日
気がつけばあなたも起業家! 貯金はいらない。会社を辞めなくても始められる。主婦の方にも向いている…誰でも今日からできる手軽な方法です。◎マイレージの利用法を教えるだけで年収750万円 ◎音楽教室のスケジューリングをするだけで年収3000万円 ◎カンタンなブライダルアクセサリーづくりで年収500万円。本書は、元手たった1万~数万円でビジネスを始め、年間500万円以上の収入をあげた人を徹底調査してできました。 しかも、登場人物のほとんどは、起業家をめざしていたわけではありません。 ちょっとしたアイデアから自分のビジネスをつくる世界一カンタンな起業の教科書です。
□「公判・評議が回る! できる裁判員の育て方」
鶏頭三歩 今日香出版社 2013年11月13日
裁判員候補者として呼び出しても拒否されたり、いい加減な人材を裁判員にしてしまったりで、裁判がスムーズにいかないと悩んでいる裁判官は多い。そんな問題を解決するために、各地の地裁で裁判員騙しの第一人者と勇名をはせた元判事がスーパー裁判員の見分け方・採り方の血みどろの工夫を指導する。
上に同じ
「お店・会社が回る! できるアルバイトの育て方」
鴨頭嘉人 明日香出版社 2013年11月13日
アルバイトを雇ってもやめてしまったり、いい加減な人材をとってしまったりで、生産性が上がらないと悩んでいる方は多い。そんな問題を解決するために元マクドナルドでの最優秀店長がスーパーアルバイトの採り方・育て方を教える。
□「拒否するって、ワクワクしない?」
アニー・ジェジェ・ゼツリンスカヤ オピニオン 2013年3月2日
この本からは、危険な香りがします。良質な「毒」のある本といってもいい。読み終わると、からだの力が抜けてくるかも。著者自身が「裁判員拒否者」。裁判員拒否者とは「裁判員など絶対にやらないと拒絶宣言をして自分の生き方を選ぶ人々」です。この国にはこのような考えの人たちがもうずいぶん増えていて、イケイケの弁護士や学者をみて、やれやれ、という批判精神を持っています。「日当に関して」の章のインコの格言、「拒否する自由な心は、強制動員でもらう日当よりいい」。いまの日本で、ほとんどの人が求めているのは、「なぜ裁判員制度なのか」という問いに対するまじめな回答です。その批判精神の持ち主が最も現代風の人たちかもしれません。奥の深い拒否者になるには、制度のおかしさをつかむことがとても大事。時間のある休日にゆっくりと紅茶でも飲みながら読むと、かなり説得されます。呼び出されて出頭しなくても処罰された人がいない、と考えると、なにかワクワクしてきませんか? 実際にここに書かれた拒否宣言を敢行するところまでいかなくても、拒否してもいいんだと知って生活するのと知らないのとでは、まったく違った気持ちになると思います。
上に同じ
「働かないって、ワクワクしない? 」
アニー・J・ゼリンスキー ヴォイス 2013年3月2日
この本からは、危険な香りがします。良質な「毒」のある本といってもいい。読み終わると、からだの力が抜けてくるかも。著者自身が「ダウン・シフター」。ダウン・シフターとは「生活水準を低下させてでも自分の満足できるライフスタイルを選ぶ人々」です。ヨーロッパには、こうした考え方は以前からあって、イケイケのアメリカ人をみて、やれやれ、という批判精神が昔からありました。「お金に関して」の章のイタリアの格言、「幸福な心は、ふくれた財布よりいい」。いまの日本で(世界でも)、ほとんどの人がほしい豊かさは「自由な時間」です。自由な時間持ちが豊かな人かもしれません。ダウン・シフターになるためには、その個人が啓発されていることが前提となる。時間のある休日にゆっくりと紅茶でも飲みながら読むと、かなり説得されます。別に宝くじが当たるのを待たなくても自由時間優先の生活を送れるかもしれない、と考えると、なにかワクワクしてきませんか? 実際にここに書かれたような生活をするかしないかより、こうした考え方を知っておいて生活するのと知らないのとでは、まったく違った生活の質が生まれると思います。
□「誤解されない話し方、炎上させない答えさせ方」
デマ口飽男 ディスカヴァー・レイジャッジシステム 2013年2月16日
「裁判員トレーニング」という言葉をご存じですか? ひとことで言うと、「裁判員対応の話し方訓練」です。裁判員トレーニングでいちばん大事とされているキモは、「誘導していると思わせない話し方」を身につける訓練です。そうとられないためには、普段とは違う話し方をしなければいけないのでしょうか? 残念ながら、その通りです。誘導と気取られないためには、世の中おもしろいことなんか何もないというようないつもの態度をとるのをぐっとこらえて、にじみ出る庶民性とでも言うか、いかにも親しみやすい風を装うのがポイントなのです。さりげなく「リーガルハイのあのシーンはね」なんて言ったりね。みんなが裁判官に懐いているイメージをちょっとした言葉で逆転させる「逆ピラミッド」の話し方に変えると、あなたに距離を置く裁判員が激減します。また裁判員トレーニングでは、裁判員のとんちんかんな質問が法廷で出たときにはうろたえず休廷をいれるなど、対応のノウハウについてレクチャーします。法廷や記者会見の場などで、被告人に投げかける不用意な言葉や記者の質問に対する思わぬ裁判批判の返答が、「裁判制度はいらないインコ」などに目を付けられ、つつかれる場合が少なくありません。本書の「炎上させない答えさせ方」のテクニックとノウハウは、裁判終了後も裁判員の精神的ケアに努めろと最高裁から指導されて陥りかかっているあなた自身の精神的崩壊を多少とも先送りするのにも役立つでしょう。なに、もう疲れてしまったって? あんたも国賠訴訟起こすかね。
上に同じ
「誤解されない話し方、炎上しない答え方」
山口明雄 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2013年2月16日
「メディアトレーニング」という言葉をご存じですか? ひとことで言うと、「マスコミ対応のための話し方訓練」です。メディアトレーニングでいちばん大事とされているキモは、「誤解されない話し方」を身につける訓練です。誤解されないためには、普段とは違う話し方をしなければいけないのでしょうか? 残念ながら、その通りです。誤解を招かないためには、ものごとが起こった順番ではなく、重要なことから話すのが、最善の話し方なのです。普段の時系列序順の話し方を重要度序順=「逆ピラミッド」の話し方に変えると、誤解は激減します。メディアトレーニングのキモは、逆ピラミッドの話し方訓練なのです。またメディアトレーニングでは、記者の厳しい質問に答えながら自分の主張をしっかりと展開する、答え方のノウハウについてレクチャーします。記者会見や取材などで、記者の質問に対する不用意な返答や、引っかけられて口にした言葉が、問題発言や失言として報道される場合が少なくありません。本書の「炎上しない答え方」のテクニックとノウハウは、ソーシャルメディアでの炎上防止においても大いに活用できるでしょう。
□「『裁判員制度』は私をこの国の主権者にしない」
本当勇造 ゴビンダ・マイナビ 2013年4月23日
裁判員の呼び出しに悩み、すがるように読み始め、見始めた制度案内のパンフレットやマンガやテレビ番組などの数々…。法務省赤れんがまつりにも行き、推進落語を聞き、サイバンインコまでお目にかかりました。お金も暇も使いました。おかげで世の中を見る目はなんでも犯罪基準になり、裁判員制度の通にはなりましたが、人間関係がどこかおかしくなっているんじゃないかと周りに言われてしまい…。 かつて最高裁は、制度のキャッチフレーズとして「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」という言葉を大宣伝しましたが、筆者は、その言葉を額面どおりに受け止めてしまい、制度の問題点を直視しなかった典型だと言えます。裁判や司法に関心を寄せることは悪いことではありませんが、どのような角度から関心を持つかが問題でしょう。そこを間違えるととんでもない方向に暴走するということを、筆者自身が身をもって体験しました。そのようなあやまちをおかす人を一人でも減らしたく、この本では、「裁判員制度を考える本当の視点とは何か」ということを大切にして、現代を生きる市民らしい生き方の手助けになればと思います。 社会のできごとに関心を寄せるという気持ちや考えは素晴らしいものですが、裁判員制度との本当の付き合い方に、本書を読んで気づいていただきたいです。
上に同じ
「『自己啓発』は私を啓発しない」
齊藤正明 マイナビ 2013年4月23日
上司との人間関係に悩み、すがるように購入してしまった150万円の教材、そこから始まった自己啓発セミナーに通う日々……。気がつけば数年間でセミナーや教材に600万円以上のお金を使い、上司以外との人間関係もおかしくなってしまい…。 今、「自身の能力を磨くことが大事! 」とよく言われていますが、筆者は、その言葉を額面どおりに受け止めて人生をよりおかしくしてしまった典型だと言えます。自分の成長のために、勉強することはとても素晴らしいことです。一方で、自分磨きもやりすぎると、かえって仕事や人生をおかしくしてしまう危険性があることを、筆者自身が身をもって体験しました。そのようなあやまちをおかす人を一人でも減らしたく、この本では、自分を磨くことの功罪に触れ、より自分らしく活躍できる手助けになればと思います。 自分を磨きたいという気持ちや考えは素晴らしいものですが、「自己啓発」との付き合い方に、本書を読んで気づいていただきたいです。
□「よくわかる 挫折しない 裁判員誘導の入門書」
極刑ソフトウエア (編集) 極刑BP社 2013年8月2日
一般的な裁判員誘導の入門書は、刑事裁判の一般常識の解説から始めて、いくつかの誘導例を掲げてみる、というスタイルを採用しています。でも、この方法では反発されてしまうことが多いのです。その理由は、「見えないレールが敷かれていた」と気づかれてしまうから。本書は、そうした入門書とは一線を画した本です。裁判員の心理や心の動きを豊富なイラストで解説しながら気づかれにくく誘導する方法を教えています。「親近感を持たせる話題」を提供し、反発させることなく確実に誘導できるようになる1冊です。
上に同じ
「よくわかる 挫折しない iPhone開発の入門書」
日経ソフトウエア (編集) 日経BP社 2013年8月2日
一般的なiPhoneアプリ開発の入門書は、プログラミングの文法の初歩的な解説から始めて、いくつかのサンプルアプリを作ってみる、というスタイルを採用しています。でも、この方法では挫折してしまうことが多いのです。その理由は、「なぜそのように作るか」の説明が一切無いから。本書は、そうした入門書とは一線を画した本です。iPhoneアプリの仕組みや構造を豊富なイラストで解説しながらアプリを作っていきます。「なぜ」がわかり、しっかりと「理解」しながら進めるため、挫折することなく確実に技術を身につけられる1冊です。
□「よくわかる 出頭しない 裁判員拒否の入門書」
インコソフトウエア (編集) インコBP社 2013年11月12日
一般的な裁判員制度の入門書は、刑事裁判の一般常識の解説から始めて、どれだけ制度が憲法違反か、というスタイルを採用しています。でも、この書き方では理解されないことが多いのです。その理由は、「みんなの知りたいこと」はそういうことではないから。本書は、そうした入門書とは一線を画した本です。無断欠席で処罰された人はいないということや、それでも不出頭に不安を覚える人たちのために豊富なイラストで解説しながら安全に拒否する方法を教えています。みんなが拒否することで制度が廃止できるようになる1冊です。
投稿:2013年11月28日
「専門用語をやさしく解説するとはどういうことか」という投稿をいただいて、思い出したのは、横浜地裁の09年9月29 日から始まった裁判で、検察官が「嫉妬」を「やきもち」に、「量刑」は「どれくらいの刑が適当か」と言い換えたこと。いや、言い換えはこの裁判だけじゃないんですけれど、裁判員裁判が本格的に始まった時期だったので、三歩あるけば忘れる鳥頭のインコでも衝撃を受けて覚えているんです。
「量刑」は、普段の生活で使う言葉じゃないけど、「量刑」と言われてもピンとこない人を量刑に関わらせることに無理があろうというもの。ところがいくつかの裁判で裁判員から、「裁判官が量刑について丁寧に説明してくれたのでよくわかった」というような感想が出ていました。ほんとかよと思いますけど、「この事件のケースは懲役5~7年が妥当ですよ」と裁判長に説明されて、「じゃあ、懲役6年で」とか言った裁判員がそんな感想を漏らすんだろうな。
裁判員には難しい言葉はわかるまいと考えて「嫉妬」を「やきもち」と言い換えもしました。これって裁判員をバカにしているよね。それとも本当に「嫉妬」の意味もわからない人たちが裁いていたのかなぁ。それだったら、そちらの方がよほど怖いけど…
横浜地検の検事さんを見習って言い換えてみました。
一見、華やかだがそこは焼き餅が渦巻く世界だった(おじさんおばさんたちが餅を焼く日本昔話?)
Aの出世に激しく焼き餅し、憎悪をつのらせた(意味不明)
エンヴィ、それは焼き餅、君の香り、僕を惑わす… (あぁ~愛しの君は五平餅団子、その蠱惑的な醤油の香り…)
これ以外でも、インコが爆笑したのは「キャバクラ」を「女の子が相手をしてくれる店」と言い換えたことでしたね。ご苦労なことです。
司法アクセス学会をネットで検索したところ、顧問に佐藤幸治氏の名前発見。佐藤氏は裁判員制度や法科大学院制度の導入を決めた司法制度改革審議会の会長だった人で、京都大学を定年退官された後、私大の法科大学院教授にもなった人です。
ところで、投稿をいただいてすぐにインコのマネージャーは弁護士会館へ走って行きチラシを入手してきました。このチラシには、素人には理解できない「ことば」をいじくり回して素人にわかるようにしてやろうという有り難い趣旨のお言葉が書かれているのでしょうが、せめて行頭禁則文字の処理くらいはしてほしかったなぁ。
投稿:2013年11月26日
田舎の一弁護士
久しぶりに東京で裁判があり、弁護士会館に寄ったら、「司法アクセス学会」の案内というチラシが置いてあった。学術大会のテーマは「司法アクセスと『ことば』」。副題として「『ことば』の障壁を考える」とあった。
「司法アクセス学会」という学会があるのをはじめて知った。「司法アクセス」とは何のことか、「司法」と「アクセス」が並んで何かを始めるのか。司法がアクセスとやらに何かをしかけるのか、アクセスが司法に何かをしかけるのか。
「『ことば』の障壁を考える」という案内文は次のとおりだ。「近年の法的ニーズの研究は、人々が抱える問題の多面性を明らかにし、それらの早期解決を目指している。その一方、財政的制約の中で、ニーズのすべてに弁護士による従来型の代理援助で対応することには限界があるとして、裁判外の手続きや本人訴訟への支援の充実のもとで問題解決を支援していこうとする動きがある。こうした状況の中で、人々がその抱える問題の内容と対策を正確に理解し、司法的にも『納得』という点からも妥当な解決を得ていくためには、司法における『ことば』の障壁が解決される必要がある」。
何度も読み返したが、頭をかかえてしまった。「ことばの障壁を乗り越えようとする人たちの文章」とはとても思えなかったからだ。
さて、シンポジウムのテーマは、「裁判における『ことば』の障壁を探る」だ。「裁判における『ことば』」と言えば、裁判員裁判で専門用語をどうするかという問題が一時盛んに論議されたのを思い起こす。コーディネーターは高崎経済大学の大河原眞美教授とある。どんな方なんだろう。会員控え室のパソコンで調べてみた。「法と言語学会」の会長で「司法アクセス学会」の理事。日弁連の「裁判員制度実施本部法廷用語日常化に関するプロジェクトチーム」の外部学識委員もしている学者らしい。
この案内文も大河原先生が目を通してできたものなのだろうか。私の関心は先生たちの裁判員制度へのアプローチの仕方に向かった。ネットによれば、この先生は「裁判員時代の法廷用語」という本の執筆プロジェクトチームの一人にもなっており、「やさしく読み解く裁判員のための法廷用語ハンドブック」という本の執筆者にも名前を連ねている。
事務所の若い弁護士が裁判員裁判の弁護人をやって苦労している。勉強しろと言うつもりで弁護士会の地下の本屋で買うことにした。2冊で3200円。帰りの電車の中で「やさしく読み解くハンドブック」を開いてみた。読んで驚いた。どこがやさしいのか。
「未必の故意」の説明は次のとおりだ。「未必の故意の場合、相手が確実に死ぬとはわかっていなくても、もし死ぬなら死んでもかまわないと思っているわけですから、その人の行為には故意があるとして処罰の対象となります。ただし、同じ「故意」でも、確定的故意がある場合と未必の故意の場合とでは非難される程度が異なりますので、未必の故意の場合のほうが確定的故意がある場合よりも、処罰は軽くなるでしょう。」
「未必の故意」と言われて「密室の恋」と勘違いしたという作家の話を昔聞いたことがある。一般の人にはとうていピンと来ない専門用語だろう。人は普通の人であり、法律家ではない。たいていの犯罪はもやもやした気持ちの中でやるものである。無罪放免続出にならないように、しっかり処罰できるようにと当局が理屈を作った。これはそういう取締り当局用語なのだと説明する方がわかりやすいだろう。
「ハンドブック」には、「伝聞法則」とはだれかが法廷の外で話したことは証拠にできないという規則を言うとあり、「弾劾証拠」とはある証拠が必ずしも信用できないことを示すための証拠だとある。これがどうして「専門用語をやさしく読み解いた」ことになるのか。
私の結論は、法律専門用語の言葉そのものを平易に解説する本をいくら読んだり説明したりしても、結局市民たちは、裁判官たちの論議を追いかけるのがせいぜいで、一緒に考えて行くことなどとうていできないということである。そして、どうして普通の市民がこのような専門用語を知らなければいけないのかという根本的な疑問に突き当たる。
事務所に戻った私は、「司法アクセス」って何のことかわかるかと事務員に聞いた。彼女はにっこり笑って頭を横に振った。
投稿:2013年11月25日
謎のベストセラー本!『よくわかる!裁判制度Q&A』後編です。
Q 交通費や昼食代などは支給されますか?
A 日当、交通費、宿泊料は必要に応じて支払われます。裁判員候補者には1日あたり8000円以内、裁判員及び補充裁判員に選ばれると1日あたり1万円以内
インコ:「我と来て 裁けや職の ない大人」ですか。交通費は普通電車で行ったんじゃ間に合わないので特急で行ったが特急料金は自腹でしたという話もありました。そもそもですが、日当や交通費、宿泊料は税金です。高い給与をもらっている裁判官がいるのになぜ素人に金を払ってまでやらせるのか。裁判官がこれまでと違って素人に助けてもらわなければ裁判ができないというならば、以前と同じ俸給をもらうのはおかしいでしょ。それにしても学食に現れておかめそばを食べている裁判長は評議の場でも庶民性をアピール?
Q 裁判員は何日ぐらい裁判に参加するのですか?
A 裁判員裁判の多くは4日前後で終わっています。ポイントを絞ったスピーディな裁判が行われるように、事件の争点や証拠を整理し、審理計画を明確にするための手続(公判前整理手続)が行われます。
インコ:去年の『Q&A』は3、4日程度(平成23年12月現在)だった。それを4日程度に変えて、何日現在を入れるのも止めた。長期裁判があるってこと。それでも4日前後で終わるんだったら参加しようと思うのを期待しているんだ。裁判が早く終わると裁判員はラクになるかも知れないけど、長い裁判も仕方がない場合もあるんじゃないの。「ポイントを絞る」とか「スピーディな裁判」とかで、参加させやすくするためだったら、それは違うでしょ! 嫌がる人たちを引きつけるのに「すぐ終わるから」なんて言ったら、どんな事件だって軒並み短くなっていく。刑事裁判で一番重要なことが裁判員の参加のしやすさなのか? それに、早く終わるようにプロだけで公判前整理手続という実質裁判が密室で行われている。要するに下ごしらえも何もかもプロがやってしまって、素人が参加するのは最後の味見の部分だけ。裁判員はプロと対等じゃございません。裁判員は裁判劇に参加するだけのお客さん。
Q 法律の知識がなくても大丈夫ですか?
A 大丈夫です。日常生活で行っている判断をしてください。有罪か無罪かの判断の前提として法律知識が必要な場合は、裁判官が分かりやすく説明する。
インコ:裁判に法律の知識が必要ないなら、裁判官はなんのために難しい司法試験の勉強をしたんですか? 実は、ここで裁判官が言っているように「裁判官がきちんと説明」っていうのがミソ。裁判官は丁寧に説明して分かった気にさせて思うとおりの判決に賛成させる。
Q 議論を尽くしても、全員の意見が一致しなかったらどうなるのですか?
A 多数決で結論を出します。この場合、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合にどのような刑にするかについて裁判員は裁判官と同じ重みを持つ。
インコ:陪審制の裁判は全員一致が原則。12人の陪審員の1人でも有罪に疑問だと言えば評決は不能。1人でも疑問を持つってことは「疑わしきは罰せず」ってこと。ところが、裁判員裁判では多数決で決めてしまう。無罪を主張した4人の意見を吹っ飛ばして有罪にし、5人が賛成すれば死刑判決もOk。それにしても、心ならずも有罪判決を言い渡す仲間に組み込まれ、心ならずも重罰を言い渡す立場に追い込まれるつらさを考えてください。これが憲法の禁止する苦役と言わずしてなんというんでしょうか。 さて、マンガの裁判官は「もう少し議論を」なんて言っていますが、実際には分刻みで決められたスケジュールがあるので、時間がくれば議論が足りなかろうがなんだろうが強行採決です。 多数決方式の背景には、裁判官が結論を出すという考え方が強くあります。マンガの裁判員たちだって裁判官が結論を出すと思っている。言うことを聞かない裁判員がいても大丈夫。3人の裁判官が2人の素人を味方につければよい。いくら言っても聞かない裁判員なら「不公平な裁判をするおそれがある」ってことで解任だってできる。あっそういえば、Q&Aには「解任」に対するコーナーがありませんね。実際には13件に1人の割合で解任されているんですけどね。理由は公表されないので不明。触れられたくないことには徹底して無視ですね。
Q 見聞きした事実について、話をしてもよいのですか?
A 法廷で見聞きしたことや裁判員を務めた感想は、話をしてもかまいません。漏らしてはいけない秘密は、評議の秘密と、裁判員としての職務を行うに際して知った秘密。評議の秘密は議論の過程、どのような意見があり、その意見を支持した数や反対した数、評決の多数決の人数など。
インコ:この後には「なぜ守秘義務があるのか」という質問もあります。人は珍しい経験をすれば人に喋りたくなるのは当たり前。ところが、夫婦の間でも喋るな、墓場まで持って行けです。Q&Aには「義務に違反した場合、刑罰が科せられることがあります」とさらっと書いているけど、具体的には書かない。裁判員法は「秘密を漏らせば6月以下の懲役」なんて決めている。
「裁判員 うっかり喋って 被告人」
ひどいのは基準のわかりにくさです。「参加した経験」は話をしてもいいけど、「過程や意見の賛否など評議の秘密は漏らすな」って? わからなきゃ何から何まで黙ってろってことです。知りたくもないことを知れと強制し、知ったことは喋るなって強制する。これは根本的に人を愚弄する制度です。
最後のマンガ と裏表紙
裁判員を経験した人は、「いい勉強になったな」とか「めったにできる経験じゃないですしねぇ」などと言って本当に喜んでいるんだろうか。つらい体験で急性ストレス障害になり、ついに国賠訴訟にまでなったのはご存じのとおり。大半の人たちは早く裁判のことなぞ忘れたいとおもうだけだろう。
はっきり言えることは、最高裁はこのように嬉しそうな感想を漏らす人たちを「好ましい裁判員」「好ましい国民」と考えているということ。人を処罰することは確かに「めったにできない経験」。でも、それが勉強になるとはどういうことか。何の勉強になるのか。隣人を処罰することに喜びを感じる国民を作り出す恐ろしさ。
断言できることは、この国に住む人々のほとんどが最高裁のご教訓を拒絶しているという事実!
私の視点、私の感覚、私の言葉で拒否します
投稿:2013年11月23日
毎年20万部以上増刷されながら、一般書店では絶対お目にかかれない謎のベストセラー本! それが『よくわかる!裁判制度Q&A』である。去年との大きな違いは本の帯に見える部分の色がピンクから青に変わったこと。毎年色が変わっているようだが、これもクジで決めているのだろうか…?
それにしても中身はほとんど変わらないとはある意味、すごいね。反対の声が多かろうと出頭率が激減していようと、はたまた裁判で遺体などの写真を証拠として提示する時には、裁判員の選任手続きの段階で候補者に説明することになったこともまったく触れてはいません。
まあこれに触れちゃうと、「呼び出さないのが一番の配慮でしょ」となって制度廃止しろとなっちゃうからね。何食わぬ顔で裁判員候補者に「裁判員の心得」を教え込もうって訳。でもその手は桑名の焼き蛤。
さて、この『Q&A』ですが、制作は「TREND-PRO」、作画は「ヤマダリツコ」となっています。TREND-PROのサイトを見ると、マンガ制作実績のところに官公庁や地方自治体、有名企業がずらずらずらーと並んでいます。コースも有名漫画家とか連載漫画家とか作者によってお値段いろいろのようですが、最高裁が依頼したのは「プロ漫画家コース」
基本制作費用(8ページ)は240,000円~560,000円 オプションとしてカラー原稿+10,000円/ページ、表紙デザイン+50,000円~となっています。ちなみに『Q&A』はオールカラー63ページです。
作画のヤマダリツコさんも検索してみました。ヤマダリツコのペイント画集というのがヒットしたのでクリック。音楽関係に詳しい人なのかなとか思いながら見ていると、あれっ「阿修羅王」とか「寒山さんと拾得さん」とか「鍾馗さん」の絵は琴線に触れる。インコ結構好きだなぁ~(笑)。『Q&A』は作者自身が楽しんで描いてないんじゃないかなと思うんだけど、本当は楽しい絵の人なのかも…。話がそれていますね。
それでは、インコが30問答の代表的なものをつつきます。イラストが入って重たいので2回に分けました。
Q どのような事件を扱うのですか?
A 対象事件は一定の重大な犯罪。具体的には①人を殺した、②強盗が人にケガをさせ、あるいは死亡させた、③人にけがをさせて、その結果、死亡させた、④酩酊して自動車を運転して人をひき殺した、⑤人が住んでいる家に放火した、⑥身代金目的で人を誘拐した、⑦子どもに食事を与えず、放置して、死亡させた、⑧金儲けのため覚せい剤を密輸した
インコ:夫婦の会話にもあるように、「素人なんだから簡単な事件」ではなく、なぜこのような重大犯罪を裁かせるのかという説明は一切なし。まずは、なんでそんな重大事件を素人が裁くの?っていう基本的な疑問に答えてよ。
Q 裁判員等に選ばれる確率はどれくらいですか?
A だいたい8,700人に1人程度です。平成24年に裁判員等に選ばれた人は、裁判員は8,633人、補充裁判員は2,906人。
インコ:昨年の『Q&A』では8,500人に1人程度となっていた。対象事件数が減っているからね。でもね、裁判員等(つまり裁判員と補充裁判員のこと)に選ばれる確率が知りたいんじゃないよ。みんなが知りたいのは、裁判所に呼び出される確率だよ。通知をもらった人は、今度はいつ呼出状が来るかドキドキしてるんだから、こんな数字聞いたって何の慰めにもなりゃしない。それにしてもここでは何が言いたいのか。「みんな嫌がったり怖がったりしているけど、大丈夫。選ばれるのは交通事故で死ぬ確率より低いよ」ってことかな。で、ひきつった顔で「ラッキー」と言われてもね。
Q 裁判員を辞退することはできないのですか?
A 基本的にはできません。法律等で認められた事情がある場合は辞退することができます。70歳以上の人、学生・生徒、妊娠中・出産の日から8週間以内、重い病気やケガ、親族同居人の通院等の付き添いや養育・介護など、裁判所がこれらの事情にあたると認めれば辞退できる。
インコ:最高裁は、辞退できるかできないかという質問をいくつも用意しています。辞退したい人、辞退の理由をさがしている人がたくさんいることを最高裁自身がよくわかっているってこと。それにしても、「原則として辞退できない」って笑いながら言うところがすごいね。だから「ぶーっ」です。一見すると辞退できる理由がいろいろと書いてあるようだけど、よく見てね。ほとんどの人はどれにも当てはまらないでしょ。やっぱり辞退できないんだ。ガ━━Σ(゚◇゚|||)━━ン!!
問答無用の圧殺台詞は「裁判所がこれらの事情にあたると認めれば」ってヤツよ。裁判所が認めなければダメ。いつ認めてくれるかって? それは裁判所に呼び出されて裁判長と面接した時。「当日はともかく裁判所に出頭しろ。裁判長の前で必死に弁明してみろ。事情によっちゃ勘弁してやるかもしれない。だが、今は出頭者も少ないし、出頭した人も辞退を申し出る者が多いので、そんな事情じゃやってもらうよかもよ」。
Q 仕事が忙しいという理由で辞退はできますか?
A ご自身の不在により著しい損害が生じる可能性があると認められれば、辞退可能です。仕事が忙しいというだけの理由では、辞退はできない。ただし、とても重要な仕事があり、自分が処理しなければ、事業に著しい損害が生じると裁判所が認めたとか、裁判員になると自分や周囲の人たちに経済上重大な不利益が生じると裁判所が認めた場合は、辞退が認められる。
インコ:君の仕事よりお国が呼び出す裁判の方がはるかに重要。それにしても「事業に著しい損害」とか「とても重要な仕事」とか「経済上重大な不利益」とかってどんな基準で判断するのか? 「『著しい損害』とまでは言えない」とか「『とでも重要』とまでは言えない」とか「『重大な不利益』とまでは言えない」と言われちゃったりして。マンガのおじさんも「何言ってんだ」って顔してるしね。
Q 自宅に要介護者や養育が必要な子どもがいる場合、辞退できますか?
A 裁判所が介護や養育に支障を生じると認めた場合は辞退が認められます。介護や養育を行う必要があれば、辞退の申立が可能です。介護や養育亜どの程度必要なのか、代わりに介護や養育を行う人がいるかなどの事情を考慮し、裁判所が個々のケースごとに、具体的に辞退を認めるか判断。
インコ:「辞退が認められます」の後に続く文章が「辞退の申立が可能」。認めるかどうか別にして「申し立てはできる」って。ふざけたことを言ってんじゃない。「必要性や代われる人を個々に判断する」って言っているけど、どういう場合に辞退を認めるかという一番大事なことには何も答えていない。それに「個々に判断」って、裁判長はどうやって判断するの? 介護や養育の個々の事情なんて、何の予備知識も判断材料もない裁判長にわかる訳がない。「大変だったら来なくてもいいですよ」って言っているようなもの。これは超厳格な法規制と超ザル運用の異様なコラボ。
お母さん、「アドレス帳」を開いて、スーパーで走り回る小さな子どもの面倒を見てくれる人を探すよりも「そんな人はいません」と言って出頭しない方が良いですよ。あなたがもし、裁判員に選ばれてPTSDになったりしたら、あなただけでなくお子さんもかわいそうですよ。
Q 育児中に裁判に参加する場合、どうすればいいでしょうか?
A 一時保育等の保育サービスをご利用できます。保育所における一時保育等の保育サービスをりようして、お子さんを保育所に預けて、裁判に参加することができる。
インコ:そりゃできるでしょうよ。そんなこと言われなくったってわかる。問題は裁判所がそれをサポートするかどうかでしょ。
みなさん、驚かないでくださいね。裁判所は保育サービスをしません。斡旋なども一切しません。あなが自分で探しなさいと言っているだけです。「保育サービス」にかかる経費もすべてあなた自身の負担です。そういうことには一切触れないQ&A。
投稿:2013年11月23日
最高裁は、11月12日、全国23万6500人に「裁判員候補者名簿記載通知」を送付しました。
そんなもの見たことも聞いたこともないという方のために…。
「裁判員候補者名簿記載通知」がどういうものか、お送りしています。
第4弾は、第3弾に引き続き候補者名簿記載通知に同封されているあの悪名高い「調査票」②頁~④頁です。前回と同じく赤線と赤数字はインコが記入。赤数字は説明文頭の数字と対応しています。
6 「裁判員候補者の方の事情を早期に把握するため」とか言い訳しても、調査票は最高裁が勝手にはじめた個人情報把握システム。個々の事情を考えるなら、呼び出さないのが一番…。
「なぜ見ぬか 民の竈に立つ煙 余りし余裕 どこにかあらん」
7 「明らかに辞退が認められる場合」なんてほとんどないよ。それに、「場合等」ってなに? 「明らかに」という制限語と「等」という拡張語は結びつかないよね。「明らかに辞退が認められる場合」以外にも「お越しいただかなくても良い」場合があるかのように言う。
8 以前は「できる限りA4サイズ」なんて言ってなかったけどね。送り方までうるさく言うようになったんだ。
9 だからさ、何度も言うけど電話に出てくれるのは民間企業のオペレータです。一番他人に知られたくない悩み事をなんでも話してね!
10 「やめさせてほしい」といくら言われても返事しないから。つらつらと述べたやりたくない理由を認めてやるかどうか最高裁は教えてやらないよん。「お前たちは丸ハダカ。俺たちはヒ・ミ・ツ」
11 はあ~? 「はい、そうですか。それは安心」とだれが信用するって? なんたって警察が嘘の調書を作り、検察が証拠を偽造し、役所が個人情報をだだ漏れさせているんですよ。しかも今に始まったこっちゃないしね。
12 一昨年はここに、「東日本大震災の萍郷を受けられた皆さまへ」という文章があり、「心からお見舞い申し上げます。今後、実際の事件で裁判員に選ばれた際に改めてうかがいます」と言っていた。去年からそのお見舞いはなくなったし。大震災も原発も終わってしまった話というのが彼らの本音。もっとも最初から大震災の被害者のことなんて、てんで頭になかったのが最高裁。そうでなきゃ3月11日の大震災からたった2週間しか経っていない25日に、「3月28日から被災地でも裁判員裁判を再開せよ」なんて号令なんかかけられないよね。
13 返送期限【必着】だとさ。一般社会ではこちらの都合で相手方に面倒をかけるときには「お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」とか言うんだよね。
14 秘だってさ。「お前たちは秘密を守れ」と言っているのか、「最高裁は秘密を守ります」と言っているのか、どっちなんですかね?
15 当初は、ここに「提出されたデータは裁判の資料に使う」って書いてあったけど、一昨年から「以下の事由にあてはまらなければ提出の必要なし」になったよ。余りの反発に驚いて、提出しなくても良いというメッセージに変えたんだね。でも、提出したら使われるのかな?
16 年齢? ちゃんと把握済みだから証明はいらないよん。
17 昨年までは「選ばれた」とか「職に就いた」とかだったね。表現が法律どおりでなかったのを改めて、「職にあった」とか「であった」にした。いかにも役人らしいいやらさしだけど、役人なんだから最初から法律どおりの言葉にしとけとも言いたいね。
18 「資料不要」? そんな資料もともとありゃせんがな。「去年、裁判員を務めたことを証明して」と裁判所に申請してごらん。必ず断られる。たくさんの国民が「もう裁判員をやった」とウソをついていることも覚えておきましょう!
19 1年間を通じて「重い病気やケガで裁判参加が困難」で、しかも簡易に診断書を手に入ることができなけれなけれ良いんです! 現在の症状の書き方は工夫のしどころ。できるだけリアルに書きましょう。「公判期日接近性強迫神経症」とか「裁判所移動性高血圧」とか…
20 ア~ツの職業の人は「なることができなせん」とあるけど、インコが分類すると、裁判員に「ならなくて良い人たち」と「なることができない人たち」になるね。
ならなくて良い人たちは、国会議員、国務大臣、国の行政機関の幹部職員の中でも高級幹部、法務省の職員、裁判官及び元裁判官、検察官及び元検察官、裁判所の職員、都道府県知事及び市町村の長など。
なることができない人たちは、弁護士及び元弁護士、弁理士、司法書士、大学・大学院の法律学の教授及び准教授、司法修習生など。
つまり、権力により近い人たちはならなくても良くて、法律知識を持っている人たちはなれないってこと。
21 裁判員をやれない月を2つしか言わせない。1月「仕事上の事情」、2月「重要な用事・予定」で辞退希望なら3月は「出産予定」でも辞退希望は書けないんだよ。1月に出産して2月は育児だったら3月からは子どもを放っておけってさ。非情というか残酷というか…
22 理由は「仕事上の事情」から「育児」までの6つ以外は認めない。やりたくないなんて書いても全然ダメ。普通のアンケート調査ならほとんどが最後にその他の項目があるのに、そんな項目は絶対に作らないとはさすが最高裁。
23 「具体的事情」って最高度の個人情報だけどね。それをきちんと書かないとその言い分を信用しないぞ。
投稿:2013年11月19日
最高裁は、11月12日、全国23万6500人に「裁判員候補者名簿記載通知」を送付しました。
そんなもの見たことも聞いたこともないという方のために…。
「裁判員候補者名簿記載通知」がどういうものか、お送りしています。
第3弾は、候補者名簿記載通知に同封されているあの悪名高い「調査票」です。
調査票は、A3横置き2つ折り4ページ構成です。開けば左が4ページ、右が1ページ。裏側の左が2ページ、右が3ページ。1ページと2ページが調査票の書き方の説明で、3ページと4ページが調査票。真ん中で切り取って3ページと4ページの裏表を返送させる仕組みになっています。
ところで、この「調査票」は最高裁が勝手にはじめた個人情報把握のシステムだってご存じですか? 地裁の事務手続きの手助けをするなんて強弁していますが、法的根拠もなく国民を「調査」するというのですから恐れ入谷の鬼子母神。しかも調査票の発送・集約・整理・報告のすべてをトッパン・フォームズだの共同印刷だのに丸投げしているのですからビックリ下谷の広徳寺。
では、実際の「調査票」を見ながら、全ポイントを完全解説していきます。赤線と赤数字はインコが入れました。赤数字が説明文頭の数字と対応しています。今回は、①頁目です。
1 ここにバーコードが入っています。「共通番号(マイナンバー)制度」の先取りですね。
2 「抽選の結果に基づいて名簿に記載されました」とあるけど、いつどこでだれがどんな「抽選」をしたのかまったく不明。どうやって選んだのか「お知らせ」したらどうなのか?! それに「記載された」んじゃなくて、「記載した」んだよね! 取り澄ました「現代の赤紙」
3 「現段階では名簿に記載されただけ」、来なくてよいっていうのは、しばらくしたら呼び出すぞってことですよね。動員予告で早々と待機モードに追い込む悪辣不穏の仕掛け。
4 最高裁名で届いた通知に書いてある「裁判員候補者専用コールセンター」だから当然、裁判所の職員…ではなくて最高裁が委託した民間のオペレータ。個人情報が管理されて「徴兵」逃れがチェックされ、どこかに通報されるのがオチかもね。
5 今年は「刑事訟廷裁判員係」、昨年は「刑事訟廷事務室 裁判員係」、一昨年は「刑事訟廷事務室裁判員係」。ぐらぐらの制度にふさわしく、担当係もぐらぐらと定まりませぬ。
投稿:2013年11月18日
最高裁は、11月12日、全国23万6500人に「裁判員候補者名簿記載通知」を送付しました。実際に発送作業を行ったのはトッパン・フォームズという民間企業ですけどね。
そんなもの見たことも聞いたこともないという方のために…。
「裁判員候補者名簿記載通知」がどういうものか、お送りします。 実は封筒編の後は調査票で終わるつもりでしたが…。
「通知」が届いた方から「徹底的に批判してほしい」という要望が寄せられ、インコのお山からも「すべてを見せろ」との指示があり、今回は「はじめにお読みください」と返送用封筒をアップします。名付けて「秘密にしろ」編
「裁判員候補者名簿に登録されたことを公にしないで下さい。」
調査票の送付書冒頭に大きく掲げられ、読んだ人の目に飛び込んできます。裁判員制度世界の特定秘密保護法。「名簿に登録されたことを公にするのは法律上禁止。『公にする』とは、インターネット上で公表するなど、不特定多数の人が知る状態」。「家族や上司に話すこと」は許すと。家族とはどの範囲なのか、上司とはどの範囲なのかはわかりません。これで候補者は、否応なく一挙に不安の世界に叩き込まれるでしょう。ここには書かれていませんが、このことを決めているのは裁判員法。
妻が夫に話す。夫は自分の親に話す。親は兄弟に話す。兄弟は子どもに話す。子どもは自分の配偶者に話す。配偶者は…無限に広がる家族の輪。わははは。
さて、これには最高裁宛の封筒も同封されています。左の緑色が今年の封筒。右のピンクっぽく(実際の色はもっとベージュっぽい)見えるのが去年の封筒。
色と差出有効期間が違うだけであとは一緒です。郵便番号の下にある3桁の数字「475」も左の識別コード(かな?)も同じ。
真ん中は封筒の裏です。
封筒の裏には昨年と同じく偉そうに
チェック1 □調査票を入れましたか。
チェック2 □調査票に記入漏れはありませんか。
チェック3 □調査用とあわせて提出する資料がある場合は、資料にバーコードシールを貼りましたか。
とあります。
投稿:2013年11月17日
最高裁は、11月12日、全国23万6500人に下記の封筒を送付しました。
実際に発送作業を行ったのはトッパン・フォームズという民間企業ですけどね。
この封筒が届くのは全国平均440人に1人の割合(地域差あります)となるそうですが…
そんなもの見たことも聞いたこともないという方のために。
「裁判員候補者名簿記載通知」がどういうものか、お送りいたします。
まずは封筒編。
封筒の大きさは、
横23.3㌢、縦16.7㌢、厚さ0.8㌢、重さ158㌘ 実物写真がこちら↓
「必ず開け」とあります。ただし、「親展」だから本人以外は開いちゃダメ!曲解違った折り曲げも絶対ダメだ。ただの禁止じゃないんだぞ!。
なんたって発信者は、日本の司法に君臨する最高裁であるぞ。
頭が高い。頭が高い!
てなとこですかね。
この記載通知は法的根拠がないものなんです。
でも、最高裁の「権威」に国民は「恐れいりました、もし、地裁から呼出状が届いたら、ちゃんと出頭します」となるだろうと思っているんでしょうね。
実際には激減している出頭率でそんな「権威」なんかまるでありませんでしたってことが、はっきりしちゃったんですけど(笑)。
あっ、最高裁判所の下に書いてある「このお知らせに関するお問い合わせ先」に電話をするとお話相手になってくれるのはトランスコスモスという民間会社のオペレーター(もしかするとアルバイト?)で、最高裁の職員じゃありませんからね。最高裁の職員は偉いので、いちいち下々からの問い合わせに応対しているヒマはない…のかな。
ついでだから、封筒の裏もお見せ致しましょう。
裏はなにもありません。
「裏がない」のではない。表面がウラ話ばかりだったので、ウラに書くことがなくなっちゃったんですね。
投稿:2013年11月15日
今月12日、最高裁は、23万6500人の国民に、裁判員候補者名簿への記載通知を送りつけました。裁判員裁判を実際に行う地裁からではなく、最高裁から直接国民に送る通知の6回目です。国民を無用の不安と悩みに追い込むこの召集予告通知の暴挙に、私たちは怒りを込めて抗議します。
震災や原発事故などで社会不安が強まる中、裁判員裁判を批判する国民の声がこの間さらに強まり、裁判所への出頭を拒絶する国民がいっそう増えています。
今年は、裁判員を経験して外傷性ストレス障害になった元裁判員が国を相手取って責任追及の訴訟を提起する事件も発生しました。燎原の火のように広がる反発と批判の勢いは、奔流となって、制度にしがみつく最高裁・法務省とこれに追随する日弁連を十重二十重に包囲しています。
最高裁は、四面楚歌のこのすう勢から身を隠すように、今回の通知をメディアに公表もせずに発信しました。ここには「裁判員裁判に国民が呼び出される」という話題が社会に広がるのを避けようとする意図が露骨に見て取れます。
私たちは、この機を見逃さず、制度に対する批判と廃止要求の声をさらにさらに高く上げたいと考えます。
この国に生きるすべての皆さまにあらためて訴えます。一人の拒否をみんなの拒否へ。みんなの拒否で制度の廃止を!
インコのお山裁判員制度対策本部
裁判員制度はいらないインコ
投稿:2013年11月14日
「裁判員ストレス障害国賠訴訟」について、パンフレットにしてほしい!
多くの方からのご要望にお応えしてできました。
「9月24日第1回口頭弁論編」です。
お申し込みは お問い合わせ からか
インコへのメール nosaibanin@inko.name でどうぞ!!
B5版サイズ 表紙+15ページ 1部100円(送料込み)
また、下記事務所でもFAXもしくは郵便で申し込みを受け付けています。
いの法律事務所
〒060-0061 札幌市中央区南1条西9丁目5番1号 札幌19Lビル6F
FAX 011-272-9556
弥生共同法律事務所
〒101-0046 東京都千代田区神田多町2丁目11番 カツミビル5F
FAX 03-5289-4648
板橋法律事務所
〒173-0004 東京都板橋区板橋2-6-5 林ビル102F
FAX 03-3963-6172
市民のための刑事弁護を共に追求する会
〒812-0053 福岡市東区箱崎3-33-10-402 福岡地区合同労組気付
FAX 092-651-4892
投稿:2013年11月12日
相変わらず巷では、ジコケーハツ本が売れてますねぇ。事故警察本じゃなかった、自己啓発本。すみませんオヤジギャグで。そう自己啓発本。自分を叱咤激励しないと倒れっちまう皆さまのために、知恵者が作ってくれたハウツー本です。もう倒れてしまった人はどうすればって? ちょっとそういう混ぜっ返しはやめて暮れる? 間違えた、やめてくれるかな。話が裁判員からどんどん離れると困るんですよ、インコとしては。
医療関係編に続き、3弾目ロケットは自己啓発本です。よろしくおたの申します。
巻き添えに遇った名著・名著者・名出版社の皆々様には、以前にましてお詫びつかまつる。ではではお元気にご出発を、そして倒れずご帰還を。
□「今やめる40のご挨拶」
お囃子お寒 島流し社 2013年4月15日
インコ山放送局の影響で今や流行語になった『いつ廃止するか? 今でしょ!』で大ブレイクした最深ロースクールのカリスマ講師・お囃子お寒氏の最新著作です。本書はずばり、グズグズしないで、『今廃止する!』ことの重要性を説く、やめ方ノウハウ本です。廃止しななければいけないのはわかっているのに、先送りして後悔、失敗してしまう。そうならないためにはどうしたらいいのか。内心忸怩の推進論者に40の幕引き用ご挨拶例を著者が教えます。
この本は関係ありません、ごめん
「今やる人になる40の習慣 」
林修 宝島社 2013年4月15日
テレビCMの影響で今や流行語になった『いつやるか? 今でしょ!』で大ブレイクした東進ハイスクールのカリスマ講師・林修氏の最新著作です。本書はずばり、何事にもグズグズしないで、『今やる!』ことの重要性を説く、生き方ノウハウ本です。やらないといけないのはわかっているのに、先送りして後悔、失敗してしまう。そうならないためにはどうしたらいいのか。40の習慣を著者が教えます。
□「『図太い裁判官』になる本」
ナイトキャップ イースト・パン 2013年8月2日
打たれ弱くてもそれなりに給料もらっていける。だが本当に出世するには打たれ強くなることが絶対必要だ。裁判員裁判で裁判員に気を使ってばかりいて実力を発揮できないなんて最低の話。本書には、小さなことでクヨクヨしない「鈍感裁判官」になるためのテクニックが満載。これを読んで批判や罵倒に負けない図太い神経を手に入れよう!「ふてぶてしい」は誉め言葉。いちいち裁判員の「顔色」なんか読むな! なに、それでホントに構わないのかって? まさか、あんたはもしかして裁判官は裁判員とマジ気持ちを一つにして裁判やってるなんて思ってないだろうね。
上に同じ
「『図太い神経』をつくる本」
内藤誼人 イースト・プレス 2013年8月2日
打たれ弱くても、それなりに生きていくことはできる。だが本当に成功するためには、打たれ強くなることが絶対必要である。「過敏人間」であるばっかりに、実力を発揮できないなんて、こんなにもったいないことはないではないか。本書には、小さなことでクヨクヨしない、「鈍感人間」になるための心理テクニックが満載。これを読んで、批判や侮辱にも負けない、図太い神経を手に入れよう!「ふてぶてしい」は誉め言葉だ。いちいち「空気」なんか読むな!
□「心の壁の壊し方―『裁かれる側』が『裁く側』に変わる3つのルール[DVD付]」
安倍心臓 傷名出版 2013年8月26日
★感動の嵐を巻き起こした、人生が変わる「最高裁セミナー」120分収録の豪華DVD付き!
人はあっけらかんと変われる。いつからでも何歳からでも(ただし、70歳以上は辞退可)、あなたが思っているよりも遥かに鮮やかに(ただし、一部にどうにもダメな奴がいる)、そして簡単に(おそらく)。裁判員さえ経験してしまえば、「統治主体意識」は簡単に持てる。そのとき、統治者でもないのに統治者の意識で武装した自分をあなたは必ず発見することになる。 さぁ、人を裁ける人間に向かって「心の壁を壊す」歴史的ルールを実践し、新しい自分を始めよう! ハイルヒットラー!
上に同じ
「心の壁の壊し方―『できない』が『できる』に変わる3つのルール[DVD付]」
永松茂久 きずな出版 2013年8月26日
★感動の嵐を巻き起こした、人生が変わる「BREAKセミナー」120分収録の豪華DVD付き!
人は変われる。いつからでも何歳からでも、あなたが思っているよりも遥かに鮮やかに、そして簡単に。方法さえ知ってしまえば、「BREAK」は簡単に起こる。そのとき、自分の中にある創造力の強烈なパワーを、あなたは必ず知ることになる。 さぁ、「心の壁を壊す」3つのルールを実践し、新しい自分を始めよう!
□「『すっごくやりたくない』がピタリとやむ!」
竹崎成程 しばる舎 2013年9月12日
司法試験で試された性格を「純粋法曹資質」といい、それは生涯変わることはありません。「裁判員を説得できない」「不安を感じる」というのは、自分の「純粋法曹資質」だけでは対処できないためです。そう、「裁判員を上手に騙す資質」が求められる時代になっているのです。本書は進んで人を騙せるようになる考え方や行動ルールを○×式で紹介していきます。半分以上不合格だったら、転職を考えましょう。あなたは現代の裁判官には向いていません。
上に同じ
「『すっごく心細い』がピタリとやむ!」
竹内成彦 すばる舎 2013年9月12日
先天的に備わっている性格を「生まれつき性格」といい、一生変わることはありません。なぜか、「自信がもてない」「不安を感じやすい」というときは、自分の「生まれつき性格」に合わない生き方をしているときかもしれません。本書はムリに性格を変えることなく、より生きやすくなる考え方や行動ルールを○×式で紹介していきます。
□「スーパー・ポジティヴ・シンキング ~日本一嫌われている裁判を毎日平気でやれるようになる理由~」
この上言う介 ダニブックス 2013年8月26日
数々の「負のランキング」を総なめにしながらも、自信満々「裁判員制度は順調に進んでいる」と言い切る最高裁長官が、そのスーパーポジティブ思考の理論を一線の裁判官のために公開!
「イヤよイヤよも好きのうちと思おう」「AKBを話題にして裁判員の気を引こう」「1万円のお手当貰うのと10万円の罰金取られるのとどっちがトクか真剣に考えさせよう」などなど、“憎まれっ子世にはばかる”を地で行く著者による、裁判官出世レースの勝ち方を示す新スタイルの自己啓発指南書です。
上に同じ
「スーパー・ポジティヴ・シンキング ~日本一嫌われている芸能人が毎日笑顔でいる理由~」
井上裕介 ワニブックス 2013年8月26日
数々の「負のランキング」を総なめにしながらも、自信満々に「僕はめっちゃモテますよ」と言い切る男・井上裕介が、そのスーパーポジティブ思考の合理的理論を徹底的に公開!
「嫌われることでますます愛される」「どんな手を使ってでも出世する」「高嶺の花の女を口説き落とす」などなど、“憎まれっ子世にはばかる”を地で行く著者による、人生の勝ち方がわかる新スタイルの自己啓発指南書です。
□「100%有罪説であたらしい私になる! ワークブック」
飽山ありゃま お宝社 2013年8月8日
100%有罪説とは、「目の前の被告人が犯人である」という考え方のもとに、ひたすら被告人は罪を犯した者であると思い、被告人は無罪だなどと勘違いしなければ、思い通りの量刑を下すことができるという考え方です。本書の質問に答えを書き込んで思考をチェンジすれば、責任を感じることなくお手当が貰え、評議の意見も上手くいく! 道草空三さんもおすすめの、4日間の裁判で自分を変える書き込み式ワークブックです。
上に同じ
「100%自分原因説であたらしい私になる! ワークブック」
秋山まりあ 宝島社 2013年8月8日
100%自分原因説とは、「思考は具現化する」という考え方のもとに、いま自分の目の前にある現実は、すべて自分の思考が創りだしたものであり、逆に自分が望む現実を自由に思考することさえできれば、思い通りの人生を手に入れることができる、という考え方です。本書にある質問に対する答えを書き込んで思考をチェンジすれば、お金も、恋も、仕事も上手くいく! 道端ジェシカさんもおすすめの、14日間で自分を変える書き込み式ワークブックです。
□「裁判が怖くなくなる判例:『おそれ』も『苦しみ』も消していくブックガイド」
審理深闇 現代ポスト 2013年8月3日
菊池事件から名張ぶどう酒事件再審棄却まで―。「冤罪を握りつぶす」最高裁をさまざまな角度から紹介するブックガイド。「冤罪へのおそれ」「無実の人を裁く苦しみ」を朝霧のように消してしまう50判例。 裁判には、【冤罪=無実の人を死刑にするかもしれない】機能があります。長い人類の歴史の中で、冤罪がなかった時代はなく、冤罪で国家に殺された人間は無数にいます。その歴然とした事実を教えてくれる本、「冤罪」はたくさんあるが「再審開始」はほとんどないという真理に気づかせてくれる判例を集めました。
上に同じ
「死が怖くなくなる読書:『おそれ』も『かなしみ』も消えていくブックガイド」
一条真也 現代書林 2013年8月3日
アンデルセンから村上春樹まで―。「死」に関する本をさまざまな角度から紹介するブックガイド。「死のおそれ」、「死別の悲しみ」が消えていく50冊。 読書という行為には、【グリーフケア=死別の悲しみを癒す】機能があります。長い人類の歴史の中で、死ななかった人間はいませんし、愛する人を亡くした人間も無数にいます。その歴然とした事実を教えてくれる本、「死」があるから「生」があるという真理に気づかせてくれる本を集めました。
□「日本人は『最高裁』にだまされるな!」
片腹警告 経国済民出版 2013年8月23日
日本人は「最高裁」を信じてはいけない。法律の詳細や被告人の心理の「真実」を知らない裁判員たちが「法壇」に上がり、裁判を動かそうとしている今、日本人はこの政策を推進する最高裁と法務省と日弁連のウソに気づく必要がある。さもなくば、数年後の日本の司法は間違いなく「壊滅」しているだろう……。
上に同じ
「日本人は『経済学』にだまされるな!」
中原圭介 中経出版 2013年8月23日
日本人は「経済学」を信じてはいけない。経済やマネーの「真実」を知らない経済学者たちが、「象牙の塔」から飛び出し、経済を動かそうと画策している今、日本人はこの学問のウソに気をつける必要がある。 さもなくば、10年後の日本人は間違いなく「貧乏」になっているだろう……。
□「なぜ、間違っていないのか?」
ドンペリ・ドベリ トマホーク出版 2013年9月10日
わたしたちはよく、誤った判断を下してしまう、と言われる――。犯罪を慎重に評価するよりも、簡単に認めてしまうことのほうがはるかに多いとか、無罪と考えるよりも有罪と考える方にはるかに素早く反応するとか…。
このような批判を知っていると、世の中の妄論を簡単に粉砕できるようになる。本書ではそんな、裁判員になりたいと思っている誰もが被ってしまう「あらぬ論難」を52項目、ブラックユーモアあふれるイラストとともに、破れかぶれに反論解説する。司法界の好事家の間で話題となっているゲーム感覚裁判員発のベストセラー、裁判員を引き受けてもよいと考えている数少ない国民必携の稀覯本!
上に同じ
「なぜ、間違えたのか?」
ロルフ・ドベリ サンマーク出版 2013年9月10日
わたしたちはよく、誤った判断を下してしまう――。自分を過小評価するよりも、過大評価することのほうがはるかに多い。何かを手に入れるときよりも、失う危険があるときのほうが、はるかに素早く反応する。
このような傾向を知っていると、自分の行動がどんな間違いにつながるかを予測できるようになる。本書ではそんな、誰もが陥ってしまう「思考の落とし穴」を52項目、ユーモアあふれるイラストとともに、切れ味鋭く解説する。世界各国で話題となっているドイツ発のベストセラー、待望の邦訳!
□「なぜ、間違えたのか?」
ドン・ペリニドベリ 大トマホーク出版 2013年11月12日
最高裁や日弁連はまったく誤った判断を下してしまった--。司法の市民参加と言えば市民は喜んで参加すると思っていたが、やりたくないという人の方が圧倒的に多かった。罰則付きで呼び出しても、なんだかんだと理由をつけて出頭しないなど、強い拒絶反応を示している。
ストレス障害になった元裁判員から国賠訴訟まで起こされた今、制度を推進してきた行為がどんなに間違いだったかがかつてなくよく理解できる。本書では、そんな推進派が陥ってしまった「思考の落とし穴」を52項目にわたり、いかに制度が憲法違反で刑事裁判を破壊しているか、じっくりと解説する。司法界で話題となっているベストセラー、裁判員になりたくない国民必読書!
投稿:2013年11月10日
西永良成・東京外国語大学名誉教授
昨年2012年は19世紀フランスの文豪ヴィクトール・ユゴー(1802−1885年)の世界的名作小説『レ・ミゼラブル』出版(1862年刊)からちょうど150周年の記念の年だったが、今年は20世紀フランスの作家アルベール・カミュ(1913−1960年)の生誕百年にあたる。36年間もいやいや勤めた大学教師生活にやっと終止符を打ち、現在「毎日が日曜日、毎週ゴールデンウィーク」といった気ままな余生を過ごしている私にとっても、2013年という年は生涯−といっても、残されているのはたかだかあと数年にすぎないだろう−忘れられない記念の年になるはずだが、その理由は主に次のふたつである。
(1)この国で21世紀になって初めて、ユゴーの世界的な名作『レ・ミゼラブル』(全5巻、ちくま文庫)をほぼ半世紀ぶりに完訳できた。そしてこれを機に上梓した拙著『グロテスクな民主主義/文学の力−ユゴー、サルトル、トクヴィル』(ぷねうま舎)を捧げた永年の親友の哲学者アンドレ・グリュクスマンに、この九月末パリの自宅で献本すると、彼は早速その一週間後の《リベラシオン》紙に寄稿した論説のなかで、昨今フランスにおいて急に浮上した反動的なロム(ジプシー)排斥、追放の国粋的=反動的な風潮に警鐘を鳴らすために、国籍を問わない人類的共和主義者としてのユゴー、特に小説『レ・ミゼラブル』を引きあいに出し、あとでその記事( La folie rom, Libération 3 octobre 2013)を添付して、「おまえの本は思いがけず役に立ってくれたぞ」と感謝のメールをくれた。
(2)グリュックスマン夫妻に会った三日後、南仏プロヴァンス地方ルールマランにあるカミュの墓を、ポール・ヴェーヌというギリシャ・ローマ古代史の碩学で、ミシェル・フーコーの親友にしてコレージュ・ド・フランス名誉教授の、世にも傍若無人な運転、博覧強記の興趣尽きない案内で33年ぶりに詣で、当地に住んでいるカミュの長女カトリーヌ・カミュに、私の最初の著書である『評伝−アルベール・カミュ』(白水社、1976年)を届けることができた。
さらに今年が生涯忘れられない年になりそうな理由をもうひとつだけ挙げておけば、この夏前に、なにかの奇跡、あるいはだれかの導きのような形で、裁判員制度反対運動の強力な牽引者で、国民必読の書というべき快著『裁判員制度はいらない』(講談社、2006年、同社α文庫版、2009年)の著者高山俊吉弁護士と邂逅し、万事がグロテスクと言っても過言ではないこの嘆かわしい国の、不条理きわまる拙速な裁判審査員制度導入をめぐって大いに意気投合できた。そこでこの稿を起こす気になったわけだが、死刑反対論と裁判審査員制度という問題が私たちの人間観、死生観、社会関係において根本的かつ決定的な重要性を有することは、改めて多言を費やすまでもあるまい。
ユゴーの『死刑囚最後の日』とカミュの『異邦人』
なぜ、このふたつの作品を並べるのか? きわめて興味深い共通点があるからだ。
『死刑囚最後の日』と『異邦人』はほぼ同じ長さの中編小説(前者は岩波文庫の豊島与志雄訳で133頁、後者は新潮文庫の窪田啓作訳で127頁)であり、いずれも作家の若い時期の作品である(前者はユゴー27歳の1829年刊、後者はカミュ29歳の1952年刊)。
また、内容の面でも、いずれも処刑を控えた死刑囚の、前者は手記、後者は内的独白モノローグであり、そこには断頭台を目前にした死刑囚の複雑な心理、すなわち恐怖、希望、絶望、断念が語られ、同じように悔悟を迫る司祭の説得の拒絶があり、また最後に思い出す女性がマリー(マリア)という名前である(ただ前者ではじぶんの娘、後者では恋人という違いがあるのだが)。もっとも、『異邦人』の主人公ムルソーは地中海の眩しい「太陽のせい」、つまりは避けがたい運命のような形での殺人、いわば無意識的もしくは無償の、あるいは不条理な殺人を犯して裁判にかけられるのに反して、『死刑囚最後の日』の主人公の過去、したがって犯行の具体が一切述べられないという違いもあり、これはこれで文学作品の分析・解釈において無視し得ないことであるが、ここではあえて取りあげない。
さらにこの二作品には両者の自伝的要素が取りいれられ、ユゴーは幼児期にスペインで過ごした思い出を、カミュは青春時代アルジェリアの海岸で水浴する日々の幸福を喚起している。そしてこれが死刑制度の残酷さ、仮借なさと対比させる効果を生んでいるのである。
なお付けくわえておけば、この初期の二作品はいずれもそれぞれの作家の生涯のテーマを提示し、ユゴーはのちに『レ・ミゼラブル』で、そしてカミュは『転落』でふたたびこのテーマに回帰することになる。
社会問題への関心
フランス文学史はつねにユゴーを「ロマン派」あるいは「ロマン主義」の総司として扱っている。ただこれが時に誤解を与えるのも事実であって、日本語で「ロマン」といえば、たとえば「男のロマン」などという言葉で「夢や冒険への憧れを満たす事柄」(広辞苑)を意味する。この外来語の名詞の形容詞「ロマンチック」となれば、「ロマンチックな夜」などと、およそ「現実的な世界を離れ、甘美で情緒的、空想的なさま」(明鏡国語辞典)しか意味しない。だから、ユゴーが文学生活の当初から社会問題、とくに死刑制度に強い関心を抱いていたという事実は、ともすれば忘れられがちになる。しかし、ユゴーの「ロマン主義」はあくまで、十七世紀以来の「古典主義」という伝統的な金科玉条に対立・対抗する呼称にすぎないのであり、けっして社会的な関心を排除する「現実離れした、空想的な」態度などではなかったのである。
他方カミュはサルトルとともに「実存主義」の双璧としてこの国に紹介され、そして「実存主義者」といえば、パリのサンジェルマン界隈にたむろする、価値観も風俗も「伝統から解放された」、どこか不真面目で生活に困らない軽薄な男女のイメージで捉えられたものだった。しかしカミュはフランスの植民地アルジェリアの貧民街に生まれ、苦学しながらまずは地方ジャーナリストになり、植民地主義の非道と悲惨を告発することからキャリアを開始した「社会派」作家だった。第二次大戦後サルトルが提唱し、推進した「社会参加(アンガージュマン)の文学」を、カミュは戦前から実践し、アルジェリア政府当局から追放処分を受けていたのである。この点でも、1851年のナポレオン三世のクーデターに断固抵抗し、国外に亡命せざるをえなかったユゴーとよく似ている。
ただ、ユゴーとカミュの最大の共通点は、なんといってもふたりともが決然とした死刑反対論者であり、そのことを何度も明確な論調の書き物として残していることだろう。そこで次回以後、不定期的にこの両者の死刑廃止論を概観し、それぞれの社会背景、個人的な動機、論拠などを検討したうえで、最後にそのような死刑廃止論と国民参審制度の連関、そこに通底する根本的な問題点を考察することにしたい。
著者紹介:Wikipediaから
西永良成氏(1944年6月11日生まれ)は、フランス文学者、東京外国語大学名誉教授。専門は20世紀フランス文学を軸としたフランス現代思想研究。富山県生まれ。東京大学文学部卒業。ソルボンヌ大学に留学。2008年東京外国語大学教授を定年退職、パリ国際大学都市日本館館長。
投稿:2013年11月7日
さあさお立ち会い。世も末になると本屋はやっぱりハウツー本で一杯ですねぇ。そう言えば、このあいだ、究極のハウツー本の書き方教えますっていう本を見つけたよ。汗かいてもべそかいても書けない人のための本だって。
恋愛関係編に続き、今回は医療関係編。医療関係のハウツー本って医療不審、医者不信本が多くって、このために「あのー、これほとんどパロッてないんですけど」とか、「あまりに真実。書き足し無用」というパロッた手羽先が震える衝撃本続出。
巻き添えに遇った名著・名著者・名出版社の皆々様には、またまた伏してお詫びつかまつる。ではではすずいーっと。
□ 「市民は最高裁の言葉を信じるな!」
本当 述久 目やにブックス 2013年9月27日
゛損する元裁判員゛になる前に読んでください。
持ち上げ褒めちぎりの裏に潜む゛最高裁のホンネ゛がまるわかり! 知らないとキケンな制度の落とし穴!! 「市民感覚」「生活に取り入れましょう」の言葉にダマされるな! 告発裁判官が教える、ホントに役立つ裁判員拒絶対策
「腰痛は医者の言葉を信じるな!」
伊東信久 ワニブックス 2013年9月27日
治療の裏に潜む゛医者のホンネ゛がまるわかり! 知らないとキケンな腰痛治療の落とし穴!! 「年のせい」「上手く付き合っていきましょう」という言葉にダマされるな! 腰痛医が教える、ホントに役立つ腰痛治療
□「この制度、延命ですか? 廃止ですか? 裁判員制度10の『やめどき』」
真顔 鹿津部 本人社 2013年9月18日
延命対策の奏功率、5年残存率、余命宣告、出頭率の数値に振り回されるな! 大切なのは、やる、見直すではなく、いつやめるか? (そうだよねぇ、だけどもう死んでるんだよ、いやホントの話。争はぬ風の柳の糸にこそ堪忍袋縫ふべかりけれ)
「あなたの治療、延命ですか? 縮命ですか? 抗がん剤10の『やめどき』」
長尾和宏 ブックマン社 2013年9月18日
抗がん剤の奏功率、5年生存率、余命宣告、腫瘍マーカーの数値に振り回されるな! 大切なのは、やる、やらないではなく、いつやめるか?
□「裁判所を裁く」
やらせ 俊介、三五の肥立ち館 2013年7月23日
「絶対にやる」11の対策を、通知書受領拒否、拒否回答の書き方、不埒者装い技法、にわか罹患の病名一覧、選任当日の大けが小けがの仕方、裁判所出頭経路の迷い方など、章ごとに解説。制度の建前を打ち破って生き残る方法を提案。世迷い制度批判の決定版!
「病院で殺される」
船瀬俊介 三五館 2013年7月23日
「絶対に受けてはいけない」11の現代医療を章ごとに解説、医療の常識を捨てて生き残る方法を提案。医療批判の決定版!
□「司法不要論」
内向 諭 銃後館 2013年5月22日
裁判所にすくう9割の裁判官は不要! 現役裁判官が描き出した“シホウムラ”の実態、そして本当によい1割の裁判官とは?
「医学不要論」
内海 聡 三五館 2013年5月22日
現代医学の9割は不要! 現役医師が描き出した“イガクムラ”の実態、そして本当に大切な1割の医療とは?
□「裁判所に判断をあずけるな」
中村屋 判官 歌舞伎研究所 2013年8月3日
裁判所は信用していれば大丈夫―こんな考えの人は要注意! 裁判所はろくなことを考えない。市民の目線を裁判所に取り入れるなんて言うのも大うそ。「裁判官は専門家だから」とよくわからないまま裁判所に出頭していないか? 本書は「裁判官は私たちによく説明してくれた」「裁判所は物事をまっとうに評価してくれた」などの裁判員の判断がどれほど間違っているかを丁寧に論じ、「裁判好きの落とし穴」など市民が時に陥りがちな物の見方にも警鐘を鳴らす貴重な「すっ飛び六方全書」。
「医者に命をあずけるな」
中村 仁一 PHP研究所 2013年8月3日
医者に任せれば大丈夫―こんな考えの人は要注意!いくら医学が進歩しても、病気を治す根本は患者の自然治癒力。医者や薬は補助にすぎない。しかし「医者は専門家だから」とよくわからないまま、治療を受けてはいないか? 本書は「治らない病気が圧倒的に多い」「大学病院はあくまでも研究機関」「“薬好き”の落とし穴」など、医療への過大評価に警鐘を鳴らす一冊。
□「最新版 制度のひみつ」
日弁 連子 朝日失敗社 2013年5月29日
2人に1人が裁判員になる時代。外傷性ストレス治療と緩和ケアの専門医が語る「これだけは知ってほしいこと」。障害を抱え障害とともに生きる元裁判員の患者さんが増えています。その実態は明らかにされていません。一方で、早期発見のカギとなるメンタルケア窓口は閑古鳥のままです。ストレス障害にならないために、そして、それで命を落とさないために、ぜひとも知っておきたいこと、それは「制度を拒否すること」であるという裁判員の時代を生き抜くために必須の知識を、コンパクトに分かりやすくまとめました。
「最新版 がんのひみつ」
中川 恵一 朝日出版社 2013年5月29日
2人に1人が、がんになる時代。放射線治療と緩和ケアの専門医が語る「これだけは知ってほしいこと」。がんの半分が治癒するいま、がんを抱え、がんとともに生きる患者さんが増えています。 一方で、早期発見のカギとなるがん検診受診率は低迷したままです。がんにならないために、そして、がんになっても、がんで命を落とさないために、ぜひとも知っておきたいこと、がんの時代を生きるために必須の知識を、コンパクトに分かりやすくまとめました。
□「新・医療ビジネスの闇」
崎尾 読男 愕研パブリッシング 2013年5月21日
私たちの“心”を支配し、莫大な利益を上げる「裁判員ビジネス」。制度の民営化で、悪質な儲け話が私たちを「虐殺」する時代が始まったのだという。いったい、どんな社会が到来しているのか。現役の弁護士が自らの経験と綿密な調査から、私たちが迎えている「日本司法崩壊」の実態に警鐘を鳴らす衝撃の書。
「新・医療ビジネスの闇」
崎谷 博征 学研パブリッシング 2013年5月21日
私たちの“命の行方”を左右し、莫大な利益を上げる「病気ビジネス」。TPPへの参加で、それが私たちを「虐殺」する時代が始まるという。いったい、どんな社会が到来するのか。現役の医師が自らの経験と綿密な調査から、私たちが迎えるかもしれない「日本崩壊」の実態に警鐘を鳴らす衝撃の書。
□「心の平穏を脅かす!! 『裁判員制度』の恐怖」
別冊唐島編集部編集 唐島社 2013年1月25日
会社の監視システムに加え、さまざまな監視チェックのシステムが用意されている日本。しかし、憲法も許していない「やる気もない人間が裁判所に裁判をやりにゆく」という行為は、世界を見渡しても日本独特の“奇習”だということをご存知だろうか。本書では、裁判員制度の国民監視体制としての問題点を裁判官・検察官・弁護士への取材で詳らかにした。この制度には「裁判員になるリスク」と「裁判所の裏事情」が確実に存在する。
「命を脅かす!! 『健康診断』の恐怖 」
別冊宝島編集部編集 宝島社 2013年1月25日
会社の定期健康診断に加え、さまざまな健診・検診システムが用意されている日本。しかし、定期的に「病気でもない人間が病院に行く」という行為は、世界を見渡しても日本独特の“奇習”だということをご存知だろうか。本書では、健康診断および検診の問題点を医師らへの取材で詳らかにした。健診には「受けるリスク」と「病院の事情」が確実に存在する。
□「制度温存方式のすすめ―裁判員体験者たった14人の証言」
近藤 勇 文藝逡巡 2012年4月19日
ほとんどの人は裁判員制度はおかしいとかやめろとか言うが、著者は慌ててそう言うものではないと説く。この制度をやめると日本の司法を全部正せという大きな話になってしまうからだ。とんでもない制度だなんて言う人も少しはいるけれど、裁判員を体験した人から死んだ人はまだ出ていない。裁判員を体験した市民たちの証言は、「たちまち増悪してほかの刑事裁判に転移する」という言説の誤りを証明する。
「がん放置療法のすすめ―患者150人の証言」
近藤 誠 文藝春秋 2012年4月19日
ほとんどの人は癌を見つけたらすぐに治療を始めるが、著者は慌てて治療を始める不利益を説く。放置しても癌が転移せず、大きくもならない人が多数いるからだ。放置している患者さんたちの証言は、従来の「たちまち増大し転移する」という癌のイメージを覆す。
□「『裁判員否定本』に廃止されないための48の真実」
三宮 刑 物騒社 2013年8月20日
本当にこの制度を長生きさせるための対策の真実とは? 裁判員制度の廃止を求める大世論に対抗して、「ぼくのかわいい裁判員制度ちゃん」で知られた稀代の名弁護士が教える「制度進めるとき、一服するとき、やめるとき」。制度を廃止した結果、市民が裁判に参加できなくなって後悔する前に必ず読んでください。
「『医療否定本』に殺されないための48の真実」
長尾 和宏 扶桑社 2013年8月20日
本当に長生きするための医療の真実とは? 話題のベストセラー名医が教える治療するとき、休むとき、やめるとき。“がんもどき”理論は後出しじゃんけん!“がん放置療法”で後悔する前に必ず読んでください。
□「『裁判員参加本』に殺されないための48の真実」
廃止鳥インコ 布草社 2013年11月12日
本当にこの制度を延命させている裏事情とは? 話題の制度廃止運動論者が教える制度をやってはいけないこと、出頭しないこと、廃止すること。“市民参加”理論は後からこじつけ! 徴兵制は“軍事の市民参加”となって後悔する前に必ず読んでください。
投稿:2013年11月5日
「裁判員裁判と求刑」-公判技術に関する実証研究における一つの試みというタイトルの報告をインコはクチバシを食いしばって読んでみた。法と心理学会の機関誌『法と心理』の2013年号。大学の刑事訴訟法の先生や心理学の先生たちの共同報告とある。これは3歩あるけば忘れる鳥頭インコによるその報告記。
裁判員裁判を体験した弁護士11人にインタビューをしたら、いかに「共感」を獲得するかがポイントだとわかったなんて書いてあった。被告人にどう語らせるか、聞くことの順番づけ、リハーサルをどうするかなどが検討事項になり、被害者の落ち度にどう対応するかということも大事だと(被害者にも落ち度があると弁護人が言うと裁判員たちから反感を買うっていう問題かな。そういえば最近、横浜地裁でそんな裁判があった…)。
被告人が若いと言ってもそれだけでは裁判所は配慮してくれないし、被告人は反省していると言うだけでも裁判員は考慮してくれない、等々。
共感を得るための仕組みを解明しようと、人を殺して死体を捨てた事件を想定して、弁護人が求刑することのよしあし、被告人の落ち度を公判で指摘することの効果、尋問の仕方の効果に関する実験などをやったという。
調査会社に依頼してインターネットのWEBモニターに想定した事件のシナリオを読んでもらい、1944件の回答を集めた。量刑を聞いたら、懲役10年が316名、懲役15年が422名、懲役20年が336名、無期懲役が288名、死刑が131名とばらついた。刑の重さの判定では、犯行態様の残忍性、犯行の計画性などが大事な要素になり、犯行の動機や反省の有無なども大きなポイントになっていると学者の皆さんは結論を書いている。
インコとしては、これだけ処罰の軽重がばらけるとなると、素人には量刑なんてわからないという結論になるのではないかと思うけど、偉い学者さんたちはそういう評価は全然していない。そんな「学者感覚」の調査の方が先ではないかな、なんてね。
「弁護人の求刑」って何のことかと言うと、検察官の懲役○年の求刑に対抗して、それより低い×年の懲役が妥当だと反対提案するということで、対抗提案をした方がより低い刑になると効果があったということになるらしい。モニターさんたちの結論は、単に「寛大な処置をお願いする」と言うよりも懲役×年にしてくれって言った方が、刑が軽くなる効果があることがわかったというのがその結論。
とまぁ、こんな報告が延々と続くけど、読んでいてどうもよくわからないのが、刑事裁判とは本来どういうものなのかとか、刑事司法で大切にされる基本原則とは、というような議論が影も形も見せないということ。そういうたぐいのことはこの際一切関知しませんという態度。でも、この報告には刑事訴訟の先生も参加しているのに。何やってるのっていう感じ。
弁護人が自ら求刑をした方が軽い刑になる傾向があるという議論を考えて見た。被告人に刑罰を科せと裁判所に求めるのは基本的に検察官の責任でしょ。それをもっと軽くさせようと思えば、自分はこれが妥当だと思う刑を弁護人の方からちゃんと言った方がよいのなら、じゃぁやって見ようという話にどうしてそう簡単になるの。まるっきり無警戒というか、何のコメントも付けずにあっけらかんと紹介してはばからない(ように見える)議論には、インコはとてもついて行けない。
もっと大きな問題は、実際の裁判では、裁判員たちのど真ん中に鎮座する3人の職業裁判官たちが慣れた感覚で弁護人や検察官の主張や尋問を聞いているということ。その裁判官たちが裁判員に問題の理解の仕方を指導しているのに。「裁判長がよく説明してくれたのでよく理解できた」などと感想を述べる裁判員がよくいる。あれだこれだと「市民感覚」を取り上げて「分析」することにどれほどの意味があるのかということね。
アメリカでは陪審員などの心証形成に関する分析がさかんに行われているらしいが、その手法を裁判員の場合に平行移動して考えようとしているのではないか。そうだとすれば、それはアプローチの仕方に根本的な間違いがあるように思う。その差をこそ俎上に乗せて考えるのでなければ、骨折り損のくたびれもうけになる。いやそれどころか、いかにも市民感覚が裁判の結論を決めるように国民をミスリードしかねない。
心理学を勉強している人たちって、心理学以外のことにとんと関心を寄せない人たちなのかなぁ。その学者バカ(失礼!)に乗じて刑事訴訟法の先生は「市民感覚が」ってミスリードさせてるのかなぁ。こういう制度を推進している人たちの心理でも研究してみたらなんて、つい思っちゃうね。
投稿:2013年11月2日